アルバイトを完遂せよ-36
「こいつの拘束を解くのは、2人を縛り上げてからだ」
「なぜですか?」
バルナスの問いにレイブンが答えた。
「危険すぎるんだよ。拘束され、視力を奪われてる、いまの状態だって危険なのに、拘束を解いたら、何をされるか分からんぞ」
「危険? 完全に拘束されていますよ?」
レイブンは小さくため息をついた。
「盗賊の隠し武器の怖さを知らないから、そんなことが言えるんだ。ちょっとでも気を抜いたら、隠し武器が飛んできて、あっと言う間に息の根を止められちまうぞ」
「戦闘能力を奪ってから、無力化すれば良いのではないか?」
ガロンの問いに苦笑で答えるレイブン。
「それも出来ねぇよ。気絶させて外から武装解除しようとした瞬間、隠し武器が発動するぞ」
レイブンの言葉にバルナスとジュールが顔を見合わせた。
「ウチの戦士がこう言っています。申し訳ありませんが、拘束を解くのは、彼ら2人を縛り上げてからでよろしいですか?」
バルナスの問いに盗賊が答えた。その顔には苦笑が浮かんでいる。
「ま、しかたねぇか」
盗賊はレイブンに尋ねた。
「床に寝転がって、待っててもいいかぁ?」
「壁の方を向いてろよ」
レイブンからかけられた声に、苦笑で答える盗賊。
「そっちの戦士さんは、慎重だねぇ」
「オレが今まで生き残れたのは、慎重だったからだ」
そう答えつつ、ジュールを誘導する。
「こいつの正面には絶対に立つなよ。背中の正面もダメだ。ちっとでも動きやがったら、容赦なくフォースを叩き込め」
ジュールは蒼白な表情でうなずいた。盗賊はゆっくりと膝を折ると、壁のほうを向いて寝転がった。
「さて、親父さん」
バルナスは平常運転だ。
「このカカシ用の心棒2本と、ロープを3巻き。それと、薪を2束と、油を3瓶、合わせて購入したいのですが?」
「??? 構わんが」
親父が言われたものを準備しに部屋から出て行った。
「何をするつもりだ?」
レイブンの問いに冷たい微笑みで答えるバルナス。レイブンは肩をすくめた。
「おまえ、めちゃくちゃ悪人顔してんぞ」
「さっきから言っているじゃありませんか。僕は極悪人なんですよ?」
依頼された品物が全て準備された。
「縛り上げるぞ。おっさん、手を貸してくれ」
レイブンの声にガロンが動いた。2人で協力して戦士を引きずっていく。
「まずは、座らせてくれ」
心棒の前に戦士を座らせる。




