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アルバイトを完遂せよ-25

「では、始めてくれ」

「講義を始めます。魔法にはいくつかの種類があります……」

 バルナスの説明を聞きながら、レイブンは対峙している相手の観察をしていた。

“なんだ、こいつら。なんでこんなに殺気立ってやがる?”

 レイブンの眼には、前列の2人の様子が異様に感じられた。まるで親の(かたき)にでも出会ったような殺気を放っているのだ。

「どうも、嫌な予感がするな……」

 手の中の刃引きの剣が、妙に頼りなく感じられた。レイブンは演習場の隅に置かれた自分たちの武器の位置を横目で確認した。それから、右腰のダガーに触れ、止め具が直ぐに外せることを確認しておく。

「異様な殺気よの」

 メイスを構えたガロンが小声で隣のレイブンに言った。レイブンは無言でうなづき、敵の動きを注視し続ける。

「懐に入り込まれると、少々厳しいですね」

 ジュールがため息をつき、右腰のポーチのフタをあけ、中に入れた魔晶石を強く握り締めた。左手は腰に下げた小剣の柄を神経質に叩いている。刃引きの剣ではあるが、抜き打ちで叩きつけてやるつもりなので、鞘で吊っているのだ。

「バルナスの魔法が着弾して、“やめ”の合図で戦闘が終了すればいいがな」

 それで済むとは、だれ一人として思っていなかった。


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