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アルバイトを完遂せよ-23
「今回の受講者には、厳重な口止めを要求したい。できれば、ギアスの呪文を掛けたいぐらいですよ」
「ギアス?」
冒険者の店の親父の疑問に、バルナスはニヤリと笑って答えた。
「呪いの一種で、~するなという命令を与え、守らせる呪文ですよ」
「呪いって……」
絶句してしまった冒険者の店の親父に代わり、レイブンが尋ねた。
「それって、守らなかったらどうなるんだ?」
「身体全体に激しい苦痛を受けます」
バルナスはさらっと答えた。
「苦痛かぁ。根性据わってるヤツなら、耐えられちまうんじゃないのか?」
「それは、無いでしょう。ギアスの苦痛を10分も浴び続けていると、精神に異常を来たしてしまうと言われていますからね」
壮絶な笑み。その姿は伝説にうたわれる悪い魔法使いそのものである。
「バルナス、おまえ笑顔が怖いことになってるぞ」
豪胆なレイブンも、さすがに腰が引けていた。
「受講者には厳重に口止めしておく。ギアス云々に関しては、あんたらと受講者の間で決めてくれ」
「それが妥当でしょうね」
講習は2日後と決まり、場所はこの店にある室内演習場に決まった。
「当日は1日貸しきりにしておく」




