蟹座の君ep3
残り五人。
飛び交う斬撃と突撃。
2対2の攻防が続く。
「キャンサーとアクエリアス……ちょっと、このパターンは珍しいかも。」
「ぶつぶつ言ってないで、頭に当たるように調整しろよ!」
「無理、キャンサーの攻撃よけるのでいっぱいいっぱい。」
絶対に切断する鋏。
命の水。
絶対にあたる矢。
運命を悪戯する天秤。
終わりはコなさそう。
そもそも、覚えている限り、と言ってもわずか数十万週なんだけど。
新規参加者が一人いるらしいけどいまだにあってない。
もう死んだか、それとも。
「森羅、負けるぞ。」
「は?」
「こっちがジリ貧。」
向こうの回復は衰えてない。
飛んでくる斬撃の数は変わらない。
あっちは、手にした鋏をパチパチと閉じるたびに、かまいたちのような斬撃が飛んでくる。
ヒット確定ではないものの、問題なのはそのサイズ。
キャンサー。前回レオ。
圧倒的な威力は広範囲を切り刻む。
網目状のかまいたちをが当たる運命をいじり続けたけっか、あたりは一面サイコロ状のコンクリート片だらけになっている。
そして何より、自分たちの肌も切り傷が目立つ。
「降参、します、か?」
「勝てなくて悪いな……。」
サジタリウスの記憶はほとんど戻っていない。
開戦からこんなにテンポよく殺人が進んだのは、キャンサーペアのおかげなのだけど、ここまでとは。
「あの、アクエリアス……。」
「見覚えないな。」
「新規参入者……。」
「だな、最後まで戦るか……?」
「……ハ、イ。」
いたい。
天秤にかけられるような、詰まる話、身代わりにできるような物体がもうほとんどない。残念ながら、ここまでなのかもしれない。もう指がない。サジタリウスだけでも、できるだけこの回に残れるように……。
大きな風が吹き抜ける。
渾身の一撃、大きなエネルギーの塊。
はじいた矢が胴体を突き抜ける、抜けた先から穴が埋まる。
「冗談……。」
空の色が等しく紫で。
蟹座の君 バッドエンド。
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