憑依代行黄泉代 死者憑き高坂編 第六幕
「どうした! 逃げねぇのか!」
鉄山が渾身の張り手。
高坂は――真正面から受ける。
観客騒然。
「どすけぇ!!!!」
ところが高坂は倒れない。
血を流しながら笑う。
「……痛ぇな」
「だが――」
「地獄ってのはな」
「この程度じゃ、終わらねぇんだよ」
かつて、習志野が不動の弟子だった頃。
誰一人として不動についていける者はいなかった。
不動に何百回も叩き潰され、
それでも立ち上がった習志野。
必死に食らいついた。
そして、得た
一番弟子の称号。
「遊びは終わりだ、どすこい野郎」
「どすけぇ!!!」
鉄山の突進が高坂を襲う。
鉄山の巨体を持ち上げる。
もちろん普通なら無理。
「持ち上げる」のではなく
鉄山自身の突進力を利用する。
一本背負い。
巨体が宙を舞う。
ドォォォン!!
鉄山がマットに叩きつけられる。
しかし、まだ立つ。
「……まだだ!」
鉄山が立ち上がる。
「どすけぇぇぇ!!」
最後の突進。
高坂は逃げない。
鉄山の両腕を掴む。
「?!」
そして――
ロープへ振る。
跳ね返ってきた鉄山。
高坂はその瞬間、空中へ。
ドロップキック。
巨体が吹っ飛ぶ。
そして鉄山が起き上がった瞬間。
高坂が背後から組みつく。
「……終わりだ」
ジャーマンスープレックス。
さらに。
鉄山が起き上がる。
「まだだ、、、」
もう一度。
ジャーマンスープレックス。
「まだだ!!」
二度。
三度。
会場が狂乱する。
「なんだあいつは!」
「194センチ155キロを投げてるぞ!」
そして最後。
鉄山がふらつきながら立つ。
高坂は背後から近づく。
鉄山が振り返る。
「習志野……!」
高坂が笑う。
「地獄へ――」
「落ちろ」
バックドロップ。
鉄山がマットに沈む。
レフェリー。
「ワン!」
「ツー!」
「スリー!」
会場が爆発。
カン、カン、カン!!
「うぉおおおおおおーーーーーーー!!!」
習志野が絶叫する。
そのとき、背後に殺気を感じた。




