19/64
襲撃
その時。
高坂が部屋へ飛び込んできた。
「黄泉代!」
「大変だ!」
「どうした!」
「神崎の施設が襲われる!」
窓の外。
黒い車が何台も止まる。
武装した集団。
先頭に立つ男が叫ぶ。
「神崎冬馬!」
「憑依研究資料を引き渡せ!」
神崎は小さく笑った。
「来ると思っていた。」
「間に合ってよかったな黄泉代。」
そして。
一冊の分厚いファイルを黄泉代へ差し出す。
「これは君の父親が命を懸けて守ったものだ。」
「受け取れ。」
「父さんの……。」
俺が手を伸ばした、その瞬間。
銃声が響いた。
神崎の胸から、赤い血がにじむ。
「神崎!」
黒瀬が叫ぶ。
神崎は倒れながらも笑った。
「翔……。」
「もう……。」
「真実から逃げる時間は終わりだ。」
神崎の手から落ちたファイル。
表紙には、大きくこう書かれていた。
『黄泉代計画』




