完結記念あとがきコラム(1)徳川家光とシャルル七世の共通点
⚠️このコラムは全3回のうち、1回目になります。
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全三十二話、およそ7万文字。ここまで二人の旅路にお付き合いいただき、誠にありがとうございました!
文庫本一冊に満たないボリュームなので、週末の一気読みにちょうどいいサイズ感かと思います。
無事に完結を迎え、今ようやく安堵の息を漏らしているところです。
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完結記念あとがきコラム(全3回予定)では、主人公二人について本編で書ききれなかったこぼれ話や、彼らが迎えたかもしれない「未来の可能性」を、歴史の隙間から探ってみたいと思います。
まずは、本作の主人公の一人、竹千代こと徳川家光から。
実は執筆を始める前、私自身は史実の家光に対してそれほど強い思い入れがあったわけではありませんでした。
ですが、家光が置かれた歴史的背景を調べ、竹千代というキャラクターの輪郭が固まっていくうちに、だんだんと愛着が深まっていくのを感じていました。
例えば、三代将軍(征夷大将軍)に就任した1623年当時、家光は数え年で二十歳でした。
現代の感覚でいえば、18~19歳という若さです。
奇遇なことに、フランス史において私が長年リサーチを重ねてきたシャルル七世がフランス王に即位したのも、同じく十九歳の時でした。さらに言えば、二人とも「実母に疎まれて廃嫡されそうになる」という壮絶な環境を生き抜いて頂点に立ったという共通点があります。国や時代が違えど、若くして巨大な重責と孤独を背負わされたこの二人の姿が、私の脳内でどこか重なったのかもしれません。
これまで私には「フランス史」をベースにした創作のイメージが強かったかと思いますが、実は学生時代、世界史よりも日本史の方が得意でした。
子供の頃にテレビや小説で浴びるように見ていた『将軍家光忍び旅』『暴れん坊将軍』『水戸黄門』、そして近年の『超高速!参勤交代』といった痛快エンタメ時代劇のエッセンスが、本作にはふんだんに詰め込まれています。
私にとって初めての日本史・江戸時代ものへの挑戦となりましたが、いかがだったでしょうか。
次回は、読者の皆様からいただいた「嬉しい誤算」の反響と、そこに立ちふさがる史実の壁について語ります。




