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召使いと旅に出ることにした  作者: @ナイトホーク
第四章 ルバガ洞窟
22/34

22 可能性


次の日。崩落したルバガ洞窟の近くにフィオナが来ていた。持ってきたレオンの左腕と剣。そして近くの地面を村から借りてきたクワを使って、穴を下り腕を埋めて剣を差した。即席の墓。フィオナは、しゃがみ込んで黙とうした。太陽の日差しを反射する剣。

「レオン殿。一緒に居た時間は、短かったですがとても楽しかったです。突然レオン殿を失ってしまい私は、悲しいです。助けてもらった恩を返せないのが心苦しいです。一生レオン殿の背中に着いて行こうとしたのに……これから先は、私に任せてください。必ず姫様は、王都に連れて行きます」

レオンの墓に語りかけて立ち上がる。心地い風が吹き渡る。

「レオン殿。あなたは、私の最高の主(あるじ)でした」

その場から静かに立ち去った。


村の宿。ベットから出ようとしないシルヴィ。まだ、レオンが死んだことに信じられずにいた。出発するはずだった今日。イリスが何度もシルヴィを連れ出そうとしたがそれを拒否。仕方がなくアレシアがもう一日ここにいようと決めたのだ。

 村の中央広場。イリスとアレシアがシルヴィのことについて話をしていた。

「シルヴィさんは、明日行けるでしょうか」

「もし駄目なら置いていくしかない」

「そんな!駄目ですよ。一緒に行かないと」

「今回ばかりは、難しいかなぁ。マスターがいなくなっちゃったんだもん」

「イリスさんは、平気なのですか?」

「平気なわけないじゃん。イリスだってシルヴィと同じくらい悲しんだよ。だけど、進まないとマスターが怒っちゃう。姫様を送り届けたら、屋敷に戻って……戻って……」

イリスが泣きだした。アレシアは、イリスを抱き寄せて優しく頭を撫でる。

「大丈夫。大丈夫です」

「マスター……どうして、どうして死んじゃったのぉ」

そこにルバガ洞窟からフィオナが戻ってきた。イリスの背中を摩りながら部屋に戻った。


夜。シルヴィとイリスは、ベットで静かに寝息を立てながら眠っている。フィオナがアレシアに明日のことについて話す。

「明日の朝から村を出れば昼過ぎには、着くと思います」

「……」

何かを考えてる様子のアレシア。

「姫様?」

「……」

「姫様?どうかしましたか?」

ハッとフィオナに声をかけられていることに気がついた。

「ごめんなさい」

「何を考えていたのですか?」

「変だと思いませんでした?」

頭を傾げる。

「レオンの左腕。崩落した岩であんな綺麗に斬れるものでしょうか?普通崩落に巻き込まれたら潰れてしまうのでは?もしかしたら意図的に左腕を切断したのでは?」

「つまりレオン殿は、生きていると?」

「はい。私はそう思います。レオンが洞窟の崩落で死ぬと私は思いません」

 もしかしたら崩落しているのは、あの出口付近のみ。左腕だけが挟まれてそれで切断した。フィオナは、そう確信した。

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