23 正面突破
朝。村を出たシルヴィたちは、王都に向かう道を歩いていた。村を出てから一言もしゃべらないシルヴィとイリス。アレシアが一言二言語りかけるが返ってくる言葉は、そうですね。それだけで終わってしまう。この先このままで大丈夫かと先頭を歩くフィオナは思った。
森を抜けると遠く離れた先に王都が見えた。歩くとまだ大分ある。
「王都が見えましたね姫様」
「そうですね。あと少しですね」
「長かったですね」
「はい。でも、楽しかったですよ。特にキルトの町では。王都に着いたら皆さんはどうするのでしょうか?」
「さぁ、分かりませんね」
「もし可能でしたら王都に残りませんか?」
「それもいいですけど。着いてみてから決めますよ」
歩き続け丘を上りきった時だった。
「止まってください!」
突然。フィオナが止まるように指示を出した。
「どうしたのですか?」
「見てください」
進んでいく道の先に数百人の男たちが群がっていた。
「間違いない。雷鳴の一団です。クソッ!王都に向かってるのがばれたのか」
「えっ!何故分かるのですか?」
フィオナが一人の男を指さす。
「あの男が雷鳴のリーダーだからです」
「どうしますかフィオナさん」
考え込む。迂回して歩くにしてもすぐに見つかってしまう。何か方法がないか頭の中を駆け巡らさせていると。
「イリスに任せて」
口を開いたイリス。
「何か方法があるのか?」
「フィオナ。ここから姫様をおぶって一人で王都に走ったらどれくらいで着けそう?」
「私一人ならすぐにでも着くが?」
「じゃ、こうしよう。一列に並んで前をシルヴィ、その後ろイリスで最後に姫様をおぶったフィオナ。イリスの合図で一気に正面突破する。抜けたらシルヴィとイリスが残る」
「ちょっと!正気!?正面突破ってそれに下っ端の男たち強いよ?二人じゃすぐに殺されるよ!」
キリッとフィオナの目を真っ直ぐ見つめるイリス。
「フィオナ。私たちを甘く見ないで」
「甘く見てなんか」
「いいから。私たちに任せて」
イリスの無茶な作戦にフィオナは、分かったと言って了解した。
一列に並びアレシアをおぶってイリスの合図を待つ。イリスは、リボルバーに弾を7発装填し、シルヴィは、細剣を構える。
「いいシルヴィ?」
「……いつでも行ける」




