21 気がつけば
「ここは……」
額に冷たい感覚に気がつき目が覚めたシルヴィ。
「目が覚めましたか」
「姫様ここは?」
「ルバガ洞窟の近くの村の宿です」
「そうですか。私は、気絶してしまったのですね」
「はい」
窓の外を見ると夜になっていて弱い雨が降っていた。そこにイリスとフィオナが濡れながら戻ってきた。
「すまない二人とも私がこんな無様で」
「いいよシルヴィ。イリス的には問題ないよ。もっと休んでて」
「そうだ、レオン様はどこだ?どうして、フィオナがレオン様の剣を持ってるんだ?」
そう聞くと俯いて黙るイリスとフィオナ。おもむろにフィオナがマントから布に包まれている何かを取り出してテーブルに置いた。
「なんだそれは?」
「……でだ」
「えっ?何って。ちゃんと言って」
「レオン殿の腕だ」
「は?」
ベットから降りて布に包まれている物を確認しようとする。
「よせ!見ると辛くなるぞ」
言葉を無視し布をめくっていくと。左腕だった。シルヴィは、その左腕を見ただけで誰のかすぐ分かった。
「嘘だ!嘘だ!私は信じない!」
正気を失い大声で叫び始めそして、そのまま部屋を飛び出して行った。
「レオンは、生きてますよね!フィオナさん!」
「正直。無理じゃないかと思います」
イリスが急いでそのあとを追い、村の入り口で追いついて止めた。
「何処に行くのシルヴィ!」
「決まってるでしょ!探しに行くのよ!」
「無駄だよ!見たでしょあの腕!間違いなくマスターだって!」
「腕だけじゃない!生きてるかもしれないでしょ!」
パシッとイリスは、シルヴィの頬を叩いた。
「マスターが一人で敵との話すため私たちを先にここに行かせて、着いた時大きな地震があったの。それでフィオナが戻って確かめに行った時には、洞窟が崩れてたんだよ!そのあとイリスも行って二人で岩をどかしたんだよぉ……でも、いくら岩をどかしてもマスターは、出てこなかった。見つかったのは、左腕と折れた剣だけだった」
膝から崩れ落ちて涙が雨の雫と混じって流れる。
「……マスターは、死んだんだよ。崩落したい岩の下敷きになって」
イリスも我慢していたのだろう大泣きながら宿に戻った。
「レオン様……レオン様……レオン様ーー!」
レオンを呼ぶシルヴィの怒号は、降りしきる雨の音に負けずに響き渡った。




