20 力の差
相手から攻撃してくる意思は、見えないが。
「話などする気はない!」
シルヴィは、相手が雷鳴というだけで聞く耳をもたない。
「落ち着けシルヴィ」
「いえ、レオン様!こいつは、倒します。イリス!援護して!」
「え~。しょうがないな」
イリスを援護するべくみんなから離れて狙いを定める。
「いくぞ!」
再度攻撃を仕掛けるシルヴィ。突く攻撃の連撃。が、相手は、余裕にかわす。一撃をかすりもしない。
「クソっ。場所が悪い!」
――バン!一発の銃声。ライフル銃から放たれた弾丸は、真っ直ぐ相手の右の横顔に向かう。だが、当たる直前で頭を後ろに逸らして避けた。
「何!見てもないのに避けた~。悔しい」
素早く装填し、狙いを定める。シルヴィの攻撃から抜け出しイリスに向かって走り出す。それを追うシルヴィ。
「上等。来い!」
発砲。弾丸は、顔面めがけて飛んでいく。しかし、その弾丸を剣で真っ二つに斬った。
「っな!」
防御の態勢に入るイリスに相手は、回し蹴りで腹部に一撃を与え、後ろに吹っ飛びその勢いで岩に叩きつけられたイリス。シルヴィは、上に飛び上がり相手に向けて突き刺しにかかった。
「くらえぇぇ」
レイピアの剣先が刺さる寸前でパキンっとレイピアが折れた。そして次の瞬間、イリスは、強烈な腹部の激痛と共に天井に叩きつけられ、落ち倒れこんだ。
レオンの目の前で繰り広げられた戦闘は、相手の圧倒的な力の差だった。
「ま、まだだよ。……これでもくらいなよ」
イリスが苦しそうにライフルに弾を装填して狙う。そして、発砲。だが、この弾を相手は、バシッと素手で掴んだ。手を広げると確かに掴んでいた。
「やった。成功したよ。マスター」
直後。相手が片足を地面についた。
「その弾は、イリスのスペシャル弾……当たると体中が麻痺するんだよ」
ピクピクと体がしびれている様子。
「……フン。これはやられたな」
不敵な笑みをこぼす。
「もういい。話を聞こう」
「とどめをささないのか?」
「いいってこれで君を殺したらなんだか嫌な気がする」
「変わった奴だな」
「フィオナ。ここから村までどれくらいだ?」
「そんなに離れてないです」
「よし。じゃあ。フィオナは、シルヴィを担いであげて。イリスは、平気か?」
「平気だよ。マスター」
「ならイリスは、アレシア様を頼む。俺は、二人で話をする」
「大丈夫ですかレオン殿」
「任せて。フィオナ。みんなのこと頼んだぞ」
「……分かりました。イリス。姫様をお願い。村に着くまで走るから着いてきて」
「分かったよ~。うぅちょっとお腹が痛い」
「レオン。気をつけて」
フィオナは、気絶したシルヴィをイリスは、アレシアをおぶって洞窟を離れた。
二人だけになった洞窟。
「とりあえずこれを食べろ。麻痺が和らぐ」
洞窟を離れ村まで走り、到着をしたフィオナたち。
「姫様。すいませんが私は戻ります。二人をお願いします」
「分かりました」
再び洞窟に戻ろうとした時。大地が大きく揺れた。
「じ、地震!」




