10 美少女
村を出てそうそうフィオナが言っていた森の入り口に到着した。
「フィオナ。どれくらいで抜けられるんだ?」
「道沿いを歩いて半日ぐらいですね」
「そうか。じゃ、行こう」
森に入る。前をフィオナ、その後ろにレオンと続いてシルヴィとイリスが並んで歩く。木々の隙間から朝日が漏れて少し眩しい。歩く音以外の音がまるでなくとても静かだ。
しばらく歩き続けてると少し広く開けた空間が現れた。フィオナがここで一回休憩しようと提案をした。
「じゃ、ここで少し休憩しよう」
その開けたところに一本の獣道があることに気がついたフィオナ。
「確かこの道を行くと湧水が出ているところがあったはず……私見てきます」
「まて、フィオナ。水なら持ってるじゃないか」
「持っている水は、少しでも温存する必要があります」
「言われてみれば確かに。じゃ、一人ずつ行こう。最初俺から」
「いえ、私からの方が」
「いや、俺は、まだ疲れてない。三人は、戻ってくるまでゆっくり休んでくれ」
そう言ってレオンは、三人を残して一人湧水があると言う獣道を進んで行った。
フィオナが言っていた通りに三人から少し離れてたところに、突如湧水が溢れているところに出た。両手で水をすくい一口飲み、顔を洗う。
そんな時。どこからか何かが走って来る音が聞こえた。それは、次第に近づいてきてその音が近づいて来る方向に睨みをきかせる。
「えっ!?」
レオンの目の前に現れたのは、一人の美少女だった。
「た、助けてください!追われてるんです」
息を切らして着ていた服いや、ドレスは、木に引っ掛かったんだろうボロボロになっていた。レオンは、とりあえずその美少女に着ていたマントを羽織らせて、顔が見えないようにフードを被らせ自分の後ろに隠すように。直後、二人の男が現れた。
「お兄さん。ここに女の子が来なかったかな?」
「女の子?その子なら必死に向こう側に走っていたけど?」
「そうか、ありがとうよ」
「俺たちのことは、気にしないでくれよぉ」
嘘の情報に簡単に引っかかった男たちが立ち去って行った。
「話は、あとでいい?とりあえず移動していいかな?」
「はい。あなたにお任せします」
「分かった。じゃ、手を離さないで急ぐから」
美少女の手を引いてレオンは、道を進む。
「みんな!急いでここから離れるぞ!」
休憩していた三人のところにレオンが、マントに身を包んだ人を連れてきた。
「レオン様!後ろの人は?」
「話は、後回しだ!フィオナ!森を抜けた先に身を隠せるところはあるか?」
「……確か廃村がありました」
「よしとりあえずそこに行く!道案内を頼むフィオナ。全員移動中は、警戒を。いつ戦闘が起きてもいいように」
戻ってきたレオンの様子がおかしいことに三人は、何か大変なことが起きたんだと思った。
「それでは、行きましょ。シルヴィ、イリス。レオン殿の後ろ頼んだよ」
「命令しないで」
「イリスにお任せ」