11 雷鳴
森を抜けて予定していたキルトに向かう道を少しそれてレオンたちは、廃村へ。まだ、しっかりとした家の中に身を隠した。今日は、ここで夜を明かすことを決めた。
「この三人は、俺の仲間だから安心して」
フードを被ったままでシルヴィ、イリス、フィオナを確認しフードを脱いだ。
「な!なんであなたがここに!」
フードを取るとフィオナがその子を見て大変驚いた。
「フィオナ。この子を知ってるの?」
「知ってるのも何もこの方は、カーネット王国の王位継承権第1位のアレシア・ミル・バロッタ様です」
それを聞いて一同が驚き視線を向ける。無理もない帝国の領地に隣の王国の姫が、ここにいるのだから。
「助けていただき感謝しております。そちらの方が言ったことは、本当でございます。私は、ついこの間趣味である木の実摘みをしている時、数人の男性の方に誘拐されてしまったのです」
「それは、お一人で?」
自然と敬語になってしまうレオン。
「いえ、護衛していた者がいたのですが殺されてしまいました」
「あなたを誘拐したのは、どんな奴らでした?」
「護衛の者が雷鳴だって言ってました」
「雷鳴?」
「私知ってます!それは、傭兵団だった一団です」
「傭兵団?傭兵団が姫を誘拐するのか?」
「昔は、とてもいい傭兵団っと聞いていました。弱い者を助ける。そんな傭兵団……ですが私が暗殺部隊の隊長になったころから、あちこちで暴れ回ったりして一度だけ、その雷鳴の傭兵団を暗殺する仕事がきました。ですが、失敗に終わりました」
「失敗?」
「はい、予想していた以上の手下の多さと一人一人がかなり強いんです。リーダーの下に幹部が二人。手下が約300人ほどです」
「それは、凄いな」
「手下と相手するので精一杯でした」
「そうか……そんな一団から良く抜け出せましたね」
「無我夢中でした」
笑ってごまかしているが少し体が震えていた。
日が沈み夜を迎えた。疲れていたのかお姫様は、レオンのマントを丸めて枕代わりにして、安心しきった寝顔で眠っている。
「レオン様。これからどうしますか?このお方を連れて行くと必ずどこかで雷鳴と出くわします」
レオンに向かい合って三人は、真剣な表情。チラッと眠っているお姫様の寝顔を見るレオン。
「このままにすることはできない。そうだろう?彼女も連れて行く!キルトの次は、カーネット王国の王都に向かう」
「レオン様が決めたことなら従います」
「うん。これからはいつ雷鳴との戦闘になるか分からない気を引き締めてくれ!」
「「「はい!」」」




