9 一緒に行くって
翌朝。一階で朝食を食べている時。
「シルヴィ、イリス。大事な話がある」
先に食べ終わったレオンが話を始めた。
「この赤い髪の子。一緒に旅に同行することになった」
その言葉に驚くシルヴィと朝食に夢中なイリス。
「ど、どいうことですか!説明してください!」
すると、赤い髪の子が口を開く。
「私は、一緒に行きたいのだ。この命は、もうレオン殿の物だ」
「何が狙いだ!」
「あなたたちがいなくなってしまったら私は、何処に行けばいい?また、一人でフラフラと歩いていたら奴隷商人捕まってしまうだろう」
「貴様!レオン様を都合のいい居場所と言いたいのか!」
「貴女がそう聞こえたなら謝ろう。……私は、生まれ変わりたいんだ。部隊に縛られていたあの頃と違く、一人の主人のために力をこの身、尽くしたいのだ」
歯を噛みしめて拳に力が入るシルヴィ。
「私が少しでもレオン殿に変な行動したら迷わず斬って構わない」
そう言って席を立って頭を下げる。
「シルヴィ。もういいだろう」
「……分かりました」
「顔を上げて座っていいよ」
「……はい」
ちょっとした言い合いになったが、朝食を終えて出発の準備をする。
三人は、家を出て村の裏口で待つ。少しだけ納得がいってない様子のシルヴィを横っ腹を突いていじるイリス。
「お、来た」
赤いマントに身に包んだあの子がやってきた。
「お待たせしました。仲間が私の予備の装備品持っていたので助かりました」
短くなった赤い髪。マントの隙間からは、黒い服装が見える。
「君ってどんな戦い方が得意なの?」
そう言うとマントを広げる。その内側には、数えきれないほどのナイフが収まっていた。
「基本的にナイフでの近接戦闘が得意です。あと、夜間も得意です。元暗殺部隊なので」
「へぇ~。あ、これから一緒に行くんだから、俺が君に名前を付けてあげる」
「え、私に名前を?」
「赤髪じゃ駄目だろう?」
腕を組んで考え込む。
「……そうだな。フィオナってどうかな?」
「フィオナ。……好きです。でも、私には、可愛すぎるような」
「じゃあ決まりだ。今日から君は、フィオナ。よろしく」
「フフッ。こちらこそ、レオン殿の足を引っ張らないように我が刃がお守りします」
「レオン様。これからは、どちらに?ちょっと!イリスもうやめて!」
まだ、イリスにいじられていた。
「昨日話に出てたキルトに向かう!」




