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魔法使いは知らない世界を旅する  作者: 絵狐
二章 迷宮都市
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31話


 迷宮のはマボロマが進化した魔物だと教えてもらった。魔物が生き物であるかどうかは不明だったが体の中にいると仮定して考えた。


 結果……空に見える空間や地面に見える場所に魔法をぶっ放せばダメージを与えられるのではと考えソールは二階に来てから周りに人がいないのを確認してから自身が使える最高クラスの魔法をぶっ放しまくっていた。


 自身が満足するほど魔法を放った結果分かった事がある。空に見える空間は空ではなかった。ある一定の所で見えない壁に当たり上の層に抜ける事はなかった。地面も石や岩や砂といった物は本物だと思われたが地面が融解する程の魔法を放つが下の層に貫通する事もなかった。


 そして雷の触覚をできる限り伸ばし調べるが一階と二階では繋がっていないのか、今いる階層から他の階層を調べる事はできなかった。


 ただ地面に関しては大きな穴があると迷宮も不都合があるのかゆっくりとだが再生を始めていた。


 この迷宮と呼ばれる空間に一つ思い当たる節がソールにはあった。


「迷宮は……断層世界なんでしょうね。この一つ一つの階層が一つの世界で上がったり下がったりする事で世界が変わる」


 ソールが元いた世界にも似た世界があった。人が住む世界とは別に魔界と天界があった。その二つは断層世界で天界は天界で空の中に世界があった。魔界は魔界で魔の物が好む世界があった。


 その二つは空を通して繋がっており天界から下の空に行くと魔界に飛ばされ魔界から空を抜けると天界に飛ばされた。


 そういう世界があるのは知っていたが一匹の魔物が進化した程度でこれほど広大な世界を作れるのか?と疑問に思う。


(もしかしたらマボロマは魔物扱いされていますが……別の何かかも知れませんね。世界を作れるのは神様ぐらいでしょうし)


 神の事を考えていると昔戦った者やこの世界に来る時に手助けしてもらった者を思い出す。


(あの辺りの強者なら世界ぐらい作れそうですが……)


 かと言って今考えた事もソールの想像なのでこの世界の常識で魔物でも世界を作れるし別に断層世界って訳でも無いと言われればそれまでなのでそれ以上は考えても仕方ないなと切り替えた。


 ただ迷宮に関しては一つの不安を覚える。


 世界を作れるものがたかが五~六百年ぐらいで消滅するのだろうか? マボロマから迷宮に進化する。その次があった場合はどうなるのだろうかと。


「まぁ……私は異世界人ですから。その先があったとしてもそこまで生きていないでしょうから気にしても仕方ないですね。油断して今死んだら話になりませんし」


 少し冷静になった所で辺りを見渡すと人はいなかったが高威力の魔法を連発しまくったせいで岩は吹き飛び様々なものが融解し高温を発生させソールを中心に爆心地の様になっていた。


 流石にこんな所を人に見られたら面倒な事になりそうだったのでそそくさと三階に向かった。


 三階の入り口で見習いウォーカーであろう人達がソールがいた方角を指さして怯えていたが、当の本人は心の中で謝り三階へと向かった。


 三階も一階や二階と同じ様な空間だったが少し違う所もあった。それは入り口付近で待機している人も多く休憩したりしている人もいた。ただ装備等は一階二階と比べて少し上質な物になっている者も多かった。


 その人達の邪魔をしない様に本を取り出して四階のへの入り口へと向かった。


 三階への入り口を離れると上質な物を装備している理由がすぐに分かった。襲ってきた魔物は丘都市近辺でよく見かけたゲーターだった。一階二階と比べ敵の強さが上がり脅威度が増した為だった。流石にヘルゲーターやクイーンゲーターが出る事は無いだろうがもし出れば待機していた一体の装備ではキツいだろうなと考えていた。


 四階をめざし進み襲ってくるゲーターを倒し落とす変な色の液体や木の枝、石などを拾って進んでいると気がついた事がある。


 外にいるゲーターに比べて迷宮内のゲーターは弱い事だった。身体能力などは同じだがソールを見れば襲ってくるだけで外の様に仲間を読んだり距離を取ったり観察したりという行動が全くなかったのだ。


 見た目は同じだが別物と言うのがソールが思った事だった。


(アイテムが落ちたりするので今の所は楽しいといえば楽しいんですが……得体の知れない気味の悪さがありますね)


 自分が別の世界から来たからそう思うだけかも知れないが……迷宮に望む人達は宝に釣られてそういう感覚が麻痺してるのかと考えた。


 ゲーターやイタチの様な魔物を倒し進んでいると他の人が戦っている音が聞こえたのでソールは一度、他の人がどういう戦い方をしているのか見てみようと考えた。


 気配を抑え岩場を進み雷の触角で気配を確認した場所へと向かい少しだけ戦ってる二人が見える位置で立ち止まる。


 二人の腕には銅色のウォーカーブレスレットが装備されており片方は剣と盾を持ち、片方はローブに身を包み指揮棒のような細い棒を持っていた。


 盾を持った方がゲーターの攻撃を盾で受けて剣で斬る。その隙に棒を持った方がその棒で宙に術式を描き魔術を発生させる。


 描かれた魔術が風の刃となりゲーターを切り刻み絶命させる。


 ゲーターの体が朽ちたのを確認してから盾を持った方が出たアイテムを拾った。


「流石にクテルは出ないか」


「そんなすぐにでたら苦労しないから。まぁ回復系等のアイテムは出てるから御の字じゃない?魔力もまだまだ余裕あるし」


「分かった。キツくなる前に言ってくれ。囲まれたら魔術がないとキツい」


「りょーかいっと」


 二人に気付かれない様にソールはその場を離れる。


 その場所から四階への入り口は近かったのですぐに黒穴に入り四階へと向かった。


 四階も三階と似た様なものだったが少しだけ岩の種類が違っていた。休憩している人達の邪魔にならない様に進み五階へと向かう。


 先ほどの二人組の戦いを見ていてソールは思った事がある。ソールの魔法はとても強力で本気で打てば元の世界なら耐えられる者はいないと言っても良いほどに本当に強力だった。ただ極めたとは言いがたいが頭打ちになっていた。


 早く発生させる連射するなど様々な応用は利かせる事は可能だったが最高の一撃となると限界が来ている様に感じていた。


 まともに入ればこの世界に来る時に戦った魔王ですら屠る事はできるが……さらに上位の存在がいた場合などまともに戦えるのだろうと考える事はよくあった。


 この世界に来て上限を打ち破る可能性が見えた。それは魔術の存在だった。魔法とは少し違うが根元の部分は同じだと思っているのでうまくやれば更に魔法を強化できる可能性があった。


 今、自身がいる迷宮は比較的に安全だったのでよほどの事がない限り魔法を使わずに魔術のを使って進んで見ようとソールは心に決めた。


 一本の剣と一枚の盾を宙に描きソールの周りを守る様に漂いまわる。魔物が襲ってくれば盾が防御して剣が切りつける。


 まだソール自身が魔術に不慣れと言うのもあり剣の一撃ではとどめを刺す事はできなかったので剣と盾で戦っている間に雷の魔術式を描き電撃で止めをさす。


 不慣れな魔術だったがソールが最も得意とするのが雷系等なので弱い魔術だったとしてもその魔力が乗れば倒すのは簡単だった。


 ある程度の戦い方を決めてソールは四階、五階、六階、七階と降りて行くのか上がっているのかは不明だったが進んでいく。


 そんな中で魔術による魔物との戦いで気づいた事も多い。


 それは魔術は術式による発動なので周りの人が気がつきにくいという点だった。強者になれば気配なども察知するだろうが魔力の流れを察知できない者は魔術が発動するまで気がつかない事があった。


 現に静かに魔物をソールが仕留めていると急に現れたウォーカーを巻き込みそうになる事もあった。すぐに魔法で魔術を打ち消したので怪我などをする事は無かったが……


「周りに気を配っていれば気づきそうなものですが……こればっかりは戦闘になれている私が気をつけた方がいいですね」


 魔法なら無詠唱は別だが詠唱する事によって自分の位置を仲間に教えたりする事もでできるのでこんな所でも魔法と魔術の違いを知る事になった。


 そして人にも魔物にも気をつけて進み十階へとたどり着く。


 十階に入ると景色が大きく変わった。先ほどまでは岩場とは異なり少しだが海の匂いがする岩礁地帯が現れた。


 ウォーカー協会で買った地図にもこの事は書かれていたが……本物を目の当たりにしてソールは驚く。


 そして十一階に向かうとすると魔物の強さが一気に上がった感じがした。近くで戦っている者を確認してもブロンランクはおらずシバルランクで五人以上のパーティーで一体の魔物を倒していた。ゴルディーランクもいるが一人で狩りをしている者はおらず、最低でも二人で基本的には三人で行動していた。


 強さが増したと言ってもソールが落とされた谷に比べれば弱くなれない魔術でも問題無く進めたので気にせずに十一階へと向かう。


 地図書いてあった通りに進むとまた黒穴がありその付近でもウォーカーが休憩していた。


 知り合いもいないので気にせずに進もうと考えていると一人のウォーカーに話しかけられる。


「おい。そこの魔術師のねーちゃん」


「はい?私ですか?」


「ああ。迷宮都市じゃ見ない顔だな」


「最近迷宮都市に来たばかりですので。迷宮も土砂の迷宮が始めてです」


 なるほどなと言いながら知り合った人達と同じ様にソールが身につけている物を上から下まで何度も確認する。


「だったら悪い事は言わん。いっかい都市に戻っとけ。十階からここまで来れるならこの先も問題はないだろうが時間の感覚が麻痺ってくる。お前、迷宮時計持って来てるか?」


 そんな物は持って無いので素直に持っていないと答えるとウォーカーの男はポケットから小さなペンダントを取り出しソールに見せた。


 金色のペンダントだたが中心は紺色に染まっていた。


「それが迷宮時計だ。そとの時間と繋がってる色が黒に近ければ夜に近い」


「はい?私が迷宮に入ったのは昼前ですが?」


「迷宮初心者がよくやる事だ。外と時間の流れは同じだが閉ざされた空間だと時間が分かりづらい。あと自分が思っているよりも消耗している」


 そう言われてれて、はい。そうですねと全てを信用する事はしないが、時間の事は確かに気になり急いで迷宮を攻略する気もないので一度戻って見る事に決めた。


「分かりました。確認の為に一度戻って見ます。迷宮都市は治安が悪いと聞きましたが親切な人も多いんですね」


「治安が悪いなら悪いなりにルールはある。それにウォーカーはウォーカーに親切にしとけって言うからな。後はお前みたいなヤツに迷宮で死なれると俺達に迷惑がかかるからな」


「なるほど。そういう事でしたが……迷宮で困ってるウォーカーがいたら私も助ける様にします」


「ああ。そうしてくれ」


 そこで話は終わったが戻る時はお話や物語の様にすぐに外に出られる物があるのかと尋ねたが土砂の迷宮にはそんな物は無いらしく歩いて帰れと言われた。


 転移の魔法さえと思ったが使えない物を言っても仕方ないのでソールは諦めて来た道を戻り外へと出た。


 帰りは道を覚えているのと出てくる魔物の強さもわかっていたので思ったより早く外へと出る事ができた。


 外へ出ると本当に夜でもうすぐ夜中に突入しそうな時間帯だった。


 流石に今日は迷宮に潜ろうとは思わなかったので宿に戻った。


 宿に戻ると食堂はやっていたので軽く食事を取ってから部屋に戻りお風呂に入ってからソールは今日一日の疲れを癒やし明日からの迷宮攻略に向けて休息をとった。

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