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4.トレーニングと場所の問題

7月も終わるころになりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?私は肩身の狭い思いをしながら執筆活動も続けております。

趣味になるかお仕事につながるかわかりかねますが、やはり楽しいものは続けていきたいですね~


というわけで、続編まだありますが100話まではないかなwでも続けたいお

先日のチャンバラ合戦から月日は早く流れ、私が4歳を過ぎる頃。私の鍛錬は【縦横無尽】の立体機動――巷でいうところのパルクールへと発展していた。


あのチャンバラ合戦において、私は決定的な課題を得ていた。幼子という圧倒的な身体的ハンデ——すなわち【身長差】と【リーチの短さ】を埋めるには、変幻自在の長物【三節棍】と、咄嗟に跳躍して空中で軸をずらした回転攻撃が極めて有効であるということだ。


(……空中での軸移動と着地からの即時復帰(キャンセル行動)……これを極めれば、どのような巨漢が相手であれ、わずかな隙を利用して確定反撃を叩き込めるはず……!)


私は村の広場や小道で、跳躍から壁を蹴って方向転換する動きの反復練習に励んでいた。そんなある日、運命的な小汚いおっさん――【冒険者】との出会いを果たす。


『おいおい、坊主。なかなかいい身のこなしをしてるじゃないか。そいつは【パルクール】って言ってな、都市の冒険者や盗賊どもが障害物を踏破する技術にそっくりだぜ』


村を通りすがった冒険者であるおっさんが、面白そうに私に声をかけてきたのだ。


パルクール――その名を聞いた瞬間、私の脳内に走電が走った。

記憶の隙間から、何か古い書物に記されていた移動法が脳裏に浮かぶ。建造物の高低差を利用した高度な立体機動戦闘のイメージが、ドッと溢れ出してきたのだ。私は目を見開き、その冒険者へ【興味津々】で食らいつき、障害物の蹴り方や重心の置き方、落下の衝撃を殺す【受け身(受身術)】のコツを根掘り葉掘り問い詰めた。


小汚いおっさんは『ハハッ、変なガキだな!』と笑いながらも、身のこなしのコツをいくつか伝授して去っていった。


『ありがとう、おっさん』


短く礼を言った私は、得た知識をすぐさま実践し、鍛錬の幅を飛躍的に広げていったのである。


しかし――ここで大きな問題が発生する。


この生まれ育った村の家々は、どこもかしこも貧しい上に妙に生臭い。

その上、土を固めただけの脆弱な壁と、乾燥した藁や茅を敷き詰めた屋根ばかりなのだ。

おっさんから伝授された「このステップの時にこちらへ重心をずらして……」という指導を頭に浮かべながら――


(よし、あの壁を蹴って一気に屋根へ……ッ!)


『バキッ!!』


『こらーッ!! 誰だーっ!? 人の家の壁を破壊してんのはーっ!!??』


『やべッ!? 逃げろーっ!』


調子に乗って壁を足場に跳躍した瞬間、土壁はあっけなく脆く崩れ去り、家主から【言語道断】と般若のような顔で怒鳴り散らされるハメになった。


そうやって私が跳び回っているうちに、いつの間にかステフ、アガー、そしてミックスの三人までもが『楽しそう!』と混ざり込み、皆で壁を蹴っては壊す無法地帯と化してしまっていたのだ。


当然のことながら、小さな村なので全員の顔はすぐに割れる。近所の大人の堪忍袋の緒が切れ、先日ついに『いい加減にしなさい! これ以上壁を壊したら雷を落とすわよ!』と、親総出で激怒されてしまったばかりであった。


かといって、はいそうですかとやめられるものではない。楽しいのだからとことん突き詰めてしまうのも子供のさがだ。ではどうするか。村の外にある深い森へ行くことは固く禁じられている。親の許可なく外の危険な森へ出れば、魔物の餌食になりかねないからだ。


『おいルーシー、どうする……? もう村の中じゃ走れないぞ……。大人たちは俺たちのこと、悪ガキ扱いしやがって』


アガーも困り果てた様子で眉をひそめる。ステフも不満そうに足をバタつかせ、ミックスはこちらの顔をじっと伺っていた。


室内は狭く、森は禁止、村の土壁は()()()()()()()——。【四面楚歌】かに思われたその時、私の頭脳に閃光が走った。


『フフフ……案ずるな。目の前に、ひとつだけ絶対領域……ッ、いや【絶対の聖域】が存在するではないか!』


(……危ない、いま何か言葉の選択を誤りかけた気がするが気のせいだ。時折に出てくる魂の格調高き語彙が乱れただけだ……!)


不敵な笑みを浮かべ【内心で冷や汗をかきつつ】、私が指差した先。

それは村の最奥に鎮座する、村で唯一の富豪――村長宅であった。


他の民家が土と藁でできているのに対し、村長宅だけは立派な石と固く焼かれたブロック造り。屋根の耐久力も桁違いである。街からやってきた偉い人たちをねぎらうために、ほかの家より立派に建てられているのだ。


『えっ……そ、村長さんの家!? あそこに入ったら怒られるどころじゃ済まないぞ!?』

『バカねアガー! 見つからなきゃいいのよ! ね? ルーシー!』


ステフが目を輝かせ、ミックスも静かにコクリと頷いた。


こうして、私たちは夜な夜なベッドを抜け出し、村長宅の敷地へと忍び込む密かな作戦を開始したのだった。


目標はただひとつ――誰にも気づかれずに屋根を踏破する【不法侵入サイレントパルクール修行】である!


夜闇が村を包む頃、私たちは息を潜めて村長宅のブロック塀の下に集まった。

月明かりに照らされた重厚なブロック壁。

土壁とは比べ物にならない威圧感と、圧倒的な頑丈さを誇っている。


(フフフ……この頑丈な壁、最高のアスレチックな遊び場ではないか!)


みんなも胸が高鳴っているに違いない。


『いいか、音を立てたら【一触即発】の即御用だ。着地は足を滑らせるように、衝撃を膝と足首で殺せ』


『おう!!!』


私は手本を見せるべく、軽く踏み込んでブロック壁に片足をヒットさせた。


『トッ!』


土壁のように崩れる気配は一切ない。完璧な反発力! 崩れて力が分散することはなく、私はその力を利用して空中で身を翻し、軽やかに村長宅の瓦屋根へと着地した。音はまるで猫が降り立ったかのように無音。完璧な受け身だ。これなら義賊になって、夜な夜な予告状(キャットカード)を片手に王都を駆け回り、衛兵と対峙するのも悪くはないだろう。


そんな胸中の私に続いてステフがしなやかな跳躍で登り、アガーが必死の形相でしがみつき、最後にミックスがまるで影のように滑らかに屋根の上へと這い上がってきた。


(……ほう、ミックスの奴、教えずとも身体の重心移動を理解しているな?)


整列した屋根の上からは、月明かりに照らされ、昼間は見ることのできない村の全景が一望できた。風が夜の少し湿気た匂いを運んでくる。


『すごい……! ルーシー、本当に見つからなかったな!』


アガーが声を殺して感動の吐息をもらす。


『フン、まだまだ甘いぞ。ここから向かいの離れの屋根まで、音を立てずに連続跳躍キャンセルステップを行う! ついてこられるか!?』


私を筆頭に、小さな影が月夜の屋根の上を【神出鬼没】の動きで跳び跳ねていく。


ブロック壁を蹴り、瓦の傾斜を利用して滑走し、即座に次の跳躍へと繋げる。

ただの遊びの域を超え、それは確実に私たちの足腰を鍛え、体幹を研ぎ澄まし、間合いの感覚を異常な精度へと引き上げていくのだった。


後日、一部の冒険者の間では「あの村の村長宅の屋根には、夜な夜な巨大な猫の群れが飛び回っている」という怪奇の噂が立ったそうな。


大人たちに怒られた腹いせから始まった秘密の特訓。

しかし、この夜の屋根裏で培われた立体機動の技術が、やがて来る本物の戦闘において我が身を救う術になるとは、この時の私たちはまだ知る由もなかったのである——。

ギャグとしてネタ(昭和時代)を入れておりますが、古くて若人には難しいかもしれません。ぜひ探してみてくださいませ~


少しでもみんなが笑顔になれますように


そして、パルクールという表現をかますことによって

リアリティをちょっと出してみたんだけど、よかったら評価ブックマークとかしてね♪

微妙だったらいつも通りスルーしてください。もっと精進いたします。

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