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見切りを使う侍

平助の亡骸を抱え

嗚咽する佐之助の背後に

不気味な侍が姿を表す。

平助の亡骸を抱え

涙する佐之助の背後に忍び寄り刀を突き刺そうとした侍に駆けつけた土方が

立ちはだかった。


『テメエ…背後から忍び寄り刀を突き刺そうなんざ


況してやたった今

友をやむ無く手に掛けて

涙にくれている所を狙うなんざ


武士の風上にも置けねぇ

新撰組なら切腹ものだぜぇ』



『ふん…下らぬ…

武士道がどうした。

戦の無い平和な江戸に暮らした者の剣等ワシには止まって見えるわ!』



『そうかい…

お前ぇ強いとか言ってたなぁ?

どうせ…俺に斬られて死ぬんだ。

名乗りを挙げなくても良いぜ!』

と…地を蹴りあげ

間合いの外から斬り込んだ。


中段の構えから斬り込み

相手の眉間に切っ先が届こうかと言うとき



相手の侍が

スッと下がって切っ先を避けた



切っ先と眉間の隙間は

米粒一つ程も無かっただろう。


激烈な斬り込みをかわされたたらを踏みかけた。

体制を整える為に後ろに飛びずさる土方…


ニヤリと不気味な微笑みをみせる相手の侍


『真後ろに飛びずさってはわしが、すかさすに斬り込んでおけばお主…

死んでいたぞ!



『テメェ…

今のはなんだ?』



『紙一枚の感覚で相手の剣を避ける技だ…

ワシは見切りと読んでおるがな』


『見切りだぁ?』


『そうじゃよ…

見切りじゃよ。

幾ら激烈な打ち込みとて

当たらなければ

意味も無い。

中々鋭い打ち込みを見せるがワシの敵ではない。

そこでメソメソ泣いている男を連れて帰るが良い。』


『残念だったな!

局中法度じゃ敵に後ろは見せちゃなんねぇ

テメェ人間なんだろ?

殺せるじゃねぇか?』


『仕方なかろう


相手をして遣わす。』


と侍は大刀に続き、脇差しも引き抜いた。


日本の刀を下段で交差させる様に構えた後…













『二天一流宮本武蔵』

と名乗った。



次回もお楽しみに。

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