原田佐之助VS藤堂平助
佐之助の前に姿を現した
藤堂平助…
油の小路での平助の姿が甦る佐之助
本日もお楽しみ下さい。
『平助…』
原田佐之助の脳裏に
伊藤甲子太郎の死骸を
油の小路に打ち捨て
藤堂以下…新撰組を抜け出した者達が引き取りに来るのを待ち伏せ
裏切り者達と斬り結ぶ中
佐之助は平助へ
『逃げろ!お前は斬りたくない!』
『佐之さん…それは出来ない!』
と、突っぱね
ナマスの様に切り刻まれ
息絶えた平助の姿が
脳裏に甦る。
槍を構え
『平助…剣の腕では北辰一刀流のお前には敵わねぇ
だがな…今日の俺は槍を持っている。
槍対刀じゃ四倍の戦力差がある。
況してや俺は人として生き返ってねぇ!
今の俺は鬼だ!
人として甦ったお前じゃ勝てねぇ
逃げてくれ
今度は逃げてくれ平助…
俺はお前を殺したくねぇ』
最後の方では絞り出す様な哀願するような声を絞り出していた。
『問答無用!!』
刀を払うように引き抜き
そのまま…横に薙いだ。
切っ先三寸が
佐之助の腹を切り裂く。
今の手応えに
平助は違和感を感じた。
『俺は鎖帷子を着込んでる。斬りつけても切れないんだ
お前に勝ち目はない
逃げてくれ平助』
静かに正眼に構え北辰一刀流独特の切っ先をピクピクと動かしている。
説得は無理だと槍を構える佐之助
達人の勝負は一瞬で決まる。
間合いと気合いの応酬が始まる。
静かに見えるが物凄い殺気の応酬を平助の後ろから見ている
男がいた。
『藤堂は負ける』
その男は小さく呟いた。
その時平助が切っ先を槍に滑らす様に切り込んだ。
佐之助は一歩踏み込み
槍の台尻で
刀を受け流し
平助の胸に槍の穂先をめり込ませた。
血を吐き崩れ落ちる平助に槍を投げ捨て駆け寄る
佐之助…
『平助ぇ!』
『良いんですよ…佐之さん…貴方にやられて、
これで…これで…
悔いがなくなった。
ありがとう佐之さん…』
の一言を最後に平助は息を引き取った。
『平助ぇぇぇ』
佐之助は平助を抱き締め大声で哭いた。
『ふん…茶番だ…
剣の道とはその様な物では無い』
そう口にして…
未だ平助の亡骸を抱えて泣いている佐之助へ近寄り
刀を突き刺そうとした。
『オメエ何者だ!
男の友情に水を差すんじゃねぇ』
刀を突き刺そうとしていた男の背後から
詰る様に吐き捨てる様にな言葉を投げ掛ける男が現れた。
佐之助に、今まさに刀を突き刺そうとしていた男が振り返り…
『ほう…ならばお前がワシの相手をするのか?』
『気になって駆けつけてみればこんな事か?
順番なんてどうでも良い
人斬り鬼を見せてやらぁ』
『ワシは強いぞ』
相手の男の低く落ち着き払った声が地を這う様に響いてくる。
それを打ち払う様に…
『関係ねぇよ
殺せるなら何の問題もねぇ死なねぇなら別だがな。
名のっておくぜ!
新撰組副長
土方歳三だ』
次回もお楽しみに。




