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思い付き  作者: Blue_lobster
二章
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93/100

47.

「あれ、そういやふゆは?あいつどこいった?」


「へーい…それが、こっち来てみな。」


チェックポイント78のプレーンな坑道、日光の一つ届かない環境でも黒眼鏡を止めない一(はじめ)。


そこには、車内で床に就いたふゆの姿が。


「…寝てるな。」


「な?寝てるだろ?」


「ふぅン…ノンレム睡眠だねぇ…」


「微睡みに伏しているな。」


「えっなになに…うっわ寝てんじゃんふゆ。」


「…何しても起きないからふゆちゃん放置してるの、お説教はまだ終わってないよクルミ。」


「なんやさっきから寝てる寝てるうっさいねん…うわ寝とる。」


「寝てるっす!」


「hm…she's sleeping…」


「あぁ?何だよ面白いもんでも…寝てるだけじゃねぇか。」


「…先生、通信設備の設置が…まだ寝てるのか、こいつ。」


「あはは…寝ちゃってるね。」


車窓に張り付く十人十色、中のふゆからしたら恐怖以外の感情は無いだろう。


「…なんか、デジャヴだな。」


「ふぅン…記憶における類似性認知メカニズムの誤作動だねぇ…」


耳に漏れる呼気、先程から常に佐都へ抱き着いている雨眠は、横目で書類を見やる。


「そこの君、素人質問で恐縮だけど…これ、本気かい?」


「はい!どうですか私の案は!」


目を輝かせ問いに言葉を返したのは『新科学部』部長。


「ミニ核ランチャーで超高強度岩盤を爆破し続ける…少し、指摘を?」


「どうぞ!はぁ…テットの科学部室長サマに指摘を貰えるなんて…!」


「除染作業や流れ込む瓦礫、地中の圧力により岩盤が押し戻されると思うのだけど?」


「ふふん…かもん!『掘削部』部長!」


バカげた核掘削法、それを認可したのは。


「…ごめんなさい、でもこれしか良いのが無くて…」


責任者でもあり、作戦総本部の人員であり。

世話役の、雪代だった。


「除染については、先生の神秘で行けるかどうか…」


「え?俺?」


「…無理なの?」


不思議と、雨眠は肯定も否定もせず考え込んでいた。


科学はいずれもバカげた思惑から始まる。

地球だって、数千年前は象が持ち上げている思われていた。


「けーてるくぅん…?おぅい…けてるくぅん…?」


「…このような愚策に、余の神秘を使えと?」


「ん、なに?どうにか出来そうなの?」


選択は三つ。


確率を操作する、収束剣。


風を操作する、空力剣。


正負を操作する、正負剣。


「…断る、そも今の余に剣を振る神秘も、機嫌も無い。」


問題は、どれも所有者がこの世全ての王であること。


王は臣民を命ず、逆は絶対にあってはならない。


「しょうがないねぇ…ミニ核掘削は興味があるし、全裸になるよ。」


「一肌脱ぐ、であろうよ。」


囁きが耳に伝う、明けられる雨眠の秘密、及び神秘は…


「こしょこしょ…ぽしょぽしょ…」


「ほう…なるほど、良い。」


時間を掛けず、琴線に触れた。


「気が変わった、神秘の流れもだ、協力してやる。」

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