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思い付き  作者: Blue_lobster
二章
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89/100

43.

時計の針が正午を刺した頃、それは起こった。


「ファイア!」


「やっやめて怪物さ―――!」


テットからの提供で得た対戦車ロケット、FGM-148ジャベリン。


そのバックブラストが廊下を燃やす。


弾着は一瞬、爆炎が旧生徒会室を包む。


「げほっ…ねー先生、これ渡してよかったの?」


「良いんじゃないか?だってアレ壊れねぇじゃん。」


腕を組む生徒と教師、煙の晴れた先には無傷の鉄塊が。


「な、なんやて…!」


「ひうぅ…も、もうやだ…!」


「…不可壊の用具入れ、興味深いな、試してみるか。」


踏み出すは王、強大な神秘現象を前に自制は無意味となる。


「荒い手段でゆくぞ、耐えろよ小娘。」


「次はなに…?!」


ロッカーへ刻む"Imamia(解放)"の焼印。


王の財物はこの世の全て、しかし今現在所持するのは数個程度。


収束剣(サメフ)、空力剣(ベート)、正負剣(ラメド)、これらを取り出し、収納するカヴの光、操るレシモの閃光。


そして、72つある天使名、その焼印。


「なっなになになに…?!もうやめて怪物さん!!」


名に意味が、意味に名があるように。

王の押した焼印には神秘が宿り、効果を発揮する。


「ハ!面白い、何の効果も現れんとはな。」


が、あくまでそれは神秘現象。


「…ちびっ子、そこらへんにしとき。」


強大な神秘はより強大な神秘に負けるのだ。

事実何も起きていない。


「…おい、気が変わった、協力したる。」


「え゛」


「マジか?!」


目を丸くする二人、一方で沈黙を貫いていた三田は…


「…なんでだ?」


ただ、状況を理解していなかった。


「理由は…降りながら話そか。」


現在地は地表から127kmの地点、キノヤクアカデミー副副校舎。


人工昼夜サイクルによりエネアド生徒会の副拠点となっており、常駐生徒は少ない。


そして、大小八つあるうち最も巨大な昇降磁気エレベーターが存在する。


「おお、変わっとらんな。」


鋼鉄の壁に囲まれたそれは、あまりにも校舎の雰囲気と乖離していた。


「知っとったか?2000kmまでは自由落下してたんやで。」


設備はあの頃と同じ、何も変わっちゃいない。


エレベーター内はもっと無機質で、ミチルは手慣れた様子で第一層行きのボタンを押す。


「…まず、俺の持つ…ぁー…お前らの言う『神秘』について話したる。」

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