40.
「hm…これは一体、どういうことか…」
「なんや?どないしたん。」
場面変わって王一行、エネアド含むアカデミー所属の全生徒に送られたメールを巡り、ここでも騒動が巻き起こっていた。
「私の、親…皆の親が、掘削抗の8th layer、へ向かうらしい。」
「は?」
「ミチル、先輩は…どうする?」
「…どうするも何も、悪いけど阻止すんで。」
あの日あの時、あの坑道で何が起こったか。
それを知り得るのはミチルとウナのみ。
「あそこ行ったら…確実に死ぬで、500人がな。」
「umm…but…命令は、絶対…逆らったら、Dropped out of school…」
「何とも酷い体裁だな、恐怖政治が聞いて呆れる。」
無論、アカデミーの生徒は全員が戦闘員という訳でもない。
しかし皆が掘削坑の危険を知っている、如何なる生物が居り、如何なる鉱石が在り…
「退けない、だろ?椿芽。」
「Agree…背水の、陣。」
いつもの能天気は何処へやら、クルミの佇まいには何やら真っ直ぐな芯が入っていた。
「あたしは他の皆と…雪代を連れてくる、先行っといてよ。」
「i understand.」
「おい待てや、俺の言葉もう忘れたんか、あ?」
一行以外誰も居ない廊下、温度は人工昼夜サイクルで保たれているはずなのに、空気が凍り付く。
「…何、邪魔するつもり?ミチル先輩。」
「だからそう言っとるやろ、あと俺はもう先輩ちゃ―――」
「―――あたしはッ!」
張り上げる声、その行き先は何処。
「もう退けないの、皆もそう。」
「………」
「552人、全員が身寄りのない子達とか、戦争孤児なの。」
幼く、子供であるはずの子供。
それが、子供である事を許されない場で育ちどうなるか。
「ここが居場所なの、先輩には分からないでしょ?」
エネアド生徒会皆が知っていた。
しかしそれはミチルも同様。
「俺だって…っ!…ええわ、不幸自慢はもうやめややめ。」
もうミチルは成人、大人に"なってしまった"のである。
「…で、どうするの。」
「悪いが食い下がるつもりはないで、…俺にお前らを守る義理もや、ただ…お前らの親と食い違いがある。」
「食い違い?」
「契約や契約、もう二度と手ぇ付けへんって言うた癖になんや全面支援て、アホか。」
二年前、U.T.E.Aの謀略の果てに起きた大惨事。
執念を燃やしても冷えている心のミチルが起こした、報復戦争。
「止めようとしても無駄や、お前ら全員が束になろうと俺にゃ勝てへんで。」
「…それは、どうかな?」
放り込まれる賽、投擲者は。
「1d100,『説得』。」
寝起き数分の、佐都。




