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思い付き  作者: Blue_lobster
二章
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35.

「…そこからはあんまり覚えてないや、ただ、言えることがあるなら。」


「ミチルは頑張った、道中片足と片腕をもがれて痛かっただろうに…みんなの、皆の遺品を…」


「ごめん、もう話したくないかも。」


時刻は0644(六時四十四分)、人工の陽光が三人を照らしている。


「なら俺が続き話したる。」


約一時間程前、そもそもミチルは屋上で仮眠を取っていた。


「っミチル…」


「あれは肉列車、ウィンタージャーニー言うカスの現象や。」


事は百年も前、世界を巻き込んだ大戦の最中にそれは発生した。


「ほう?その名には似つかわしくない酸鼻を極めた話だったがな。」


血と泥の渦中、塹壕に立ち込める霧は、とある列車を呼び寄せた。


「時速600kmで突っ込んでくる殺意の神秘現象、それがウィンタージャーニーや。」


事は八十年も前、世界を巻き込んだ二回目の大戦で再発した。


「皆が皆そいつに殺されたかは分からん、でもアキちゃんは餌食になった、これは確実。」


食料は尽き、気温は氷点下三十度、地獄の市街地戦で霧が立ち込め、列車を呼び寄せた。


そして今世において、殺意の列車が一人の女子を轢き殺した。


「あの後俺は色んな事やった、皆の回収と、真相の調査…」


生存者が選んだ道、それは復讐か絶望の二つに分けられる。


ミチルは、どちらも選択した。


アメン(ミチル)アマウネト(アキ)。」


クク(レナ)カウケト(トモ)。」


ヘフ(スミ)ハウヘト(キリ)。」


ヌン(スズ)ナウネト(ライ)。」


「…スズちゃんとライちゃんを除いて、オグドアドの皆の遺体と遺品は全員確認しとる。」


しかしそれは、人体と呼ぶにはあまりにも欠損している肉塊だった。


ある者(アキ)は上半身を泣き別れに、ある者(トモ)は腕を遺し他が圧縮。


拳銃(レナ)弾倉(トモ)


チョーカー(スミ)イヌの首輪(キリ)


そして、アキ(オーディオプレーヤー)


惨禍の全てを、ミチルは回収した。


「詳しくは知らんけど、何でか皆の…皆を使えるようになったんや。」


「それで俺が何した思う?」


「復讐や。」


オグドアドの面々を坑道に向かわせ、アキのオーディオプレーヤーを盗み、世代交代をしたその者達は。


「今のエネアド、その親達に対してのな。」


「殺したい程憎かった、でもあいつら…ガキこさえとった。」


「高取は畜生腹(双子)、小森も乙倉も依田も白井も、U.T.E.Aの全員が子持ちやった。」


ヒトとしての尊厳か、ミチルには子を有す親を殺すことは叶わなかった。


「にしても…ウナ、お前話し過ぎや。」


「ご、ごめん…年寄りだからついおしゃべにり…」


「ちっ…何歳やねんカス。」


「えっと…よ、4000ぐらい…?」

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