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思い付き  作者: Blue_lobster
二章
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80/91

34.

「いや暗いな…ミチル、フラッシュライト。」


「………」


その坑道は、とにかく暗くて、埃被っていて。


怖かった。


「…200m以内にレーダー反応は無い、一体どこに…」


「も〜…!スミちゃん達どこいったの〜…!」


唯一頼りになった、というより心の添え木になったのはアキちゃんだった。


いつしか僕も、ミチルと同じ様に…いや、何でもない。


「一寸先は闇だよ〜…!」


「…暗いの怖くないの?」


「………」


300m進んだぐらいかな、坑道の二酸化炭素濃度が上がってきて、僕達は呼吸器を付け始めた。


「…あっ!プレーヤー忘れてきちゃった!」


「えぇ…今要らないでしょ…」


「やーだー!要るの!一旦帰ろ?ね?」


アキちゃんが肌見離さず持っていた、ポータブルオーディオプレーヤー。


どうしてだろうって思った、お風呂でも付けてたのに。


「………」


「…ミチル?」


「来る。」


坑道の奥をミチルは見つめていた。


生存本能ってやつかな、それが僕の中で久方ぶりに起動した。


「…ッ!!」


「あいたっ!」


アキちゃんを蹴り飛ばして、後ろに下がろうと


遅かった。


「ウナ―――!」


前を何かが、赤い何かが過ぎ去った。


痛みは無い、でも…目を開けたら、ミチルの腕が…どう表現したらいいかな。


半分だけ繋がってて、半分だけ切れてる?


分からないけど、ぼたぼたって血が垂れてた。


「っぐ…伏せろ、叫ぶな。」


その時、ノイズ混じりで…何だろう、肉を叩いてるような、混ぜてるような音がした。


「ぃ、今のは?」


「新種のセトアニマル、それか別のだ。」


トマトを潰す時の音を、信じられないぐらい早くした感じの音。


「はぁっ…はあっ…!息出来な…っ…」


「…アキちゃん?」


ミチルの腕が取れそうになって、パニックになったのかな。


アキちゃんは、息苦しさからこの坑道で呼吸器を外そうとしてた。


「だめっ!せめてフィルターを…!」


肉の音が近付いてた。


分からない、あれがなんだったのか。


立ち上がるアキちゃんを、あれは…


「―――っ!」


僕はその時ミチルに蹴られた、だから…腕の皮膚を削がれるだけで済んだ。


アキちゃんは…って?
























下半身があったよ、人の。

正確には、人の下半身だけが。

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