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思い付き  作者: Blue_lobster
二章
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73/82

27.

「えマジで分かるっす、自分3DS版でやってたんですけど…!」


対話に花咲かせていた頃、唸り声が二人の鼓膜を揺らす


「うう…ぐぁ…」


「あ゛っ!み、三田さん忘れてた…!」


「…お前とは仲良くやれそうやし、こいつは逃がしたる…わ…」


刹那、ミチルの直感が危険の警鐘を鳴らす。


聞こえたのは足音、吸音パッドを着けた特有の、耳にタコが出来るほど聞いたあの音。


「乙倉ひな、目ぇ瞑りや。」


「え?」


「フラッシュ!!!」


投げ込まれる、拳一個分の鉄塊。

それは優に180デシベル以上の音を出し。

網膜に焼き付く光を出す…


エネアド生徒会の十八番、閃光手榴弾。


「んぎゃっ」


「………」


「うぅ…」


三者三様の反応、即時に一人の小さな影が突入を成す。


「ホステージロケーテッド、たーげっと…あぇ。」


「ん?うわ、ウナ…」


現れたのはBチーム、Cチームの人員でもなく、防護盾を持った小柄な少女。


「なんで、居るの。」


「いぃやそれお前や。」


「んがー!めっ、目が…!」


椅子から転げ落ちるひなを横目に、二人は相対する。


「なんや相変わらずの見た目やん?元気しとったかカス。」


「………」


過去、二年前。

幾度となく出会い、時に共闘し時に対立した旧知の関係。


「も、もしもし…あに、あの…ブルーオンブルー(誤射)しちゃった…」


エネアド生徒会及びヘリオポリス九柱神、その創造神『アトゥム』の名を担う女である。


___________________


「…ちょ足場作ってぇや。」


「分かったです、じゃ鉱石掘っといてくださいっす。」


「へへっ任せときや!」


時刻は1855(18時55分)、冷えていく砂漠を背に一行は例の生徒会室へ戻っていた。


「…あの二人、ずっとゲームしてるけどいいの?」


「いんじゃない?あたしは知らね。」


「クルミ…あんたいい加減過ぎる、直したほうが…」


「へいへい。」


キノヤクアカデミー科学部、その技術を集め制作された人口昼夜サイクル。


その下で猫塚ミチルは乙倉ひなと共にゲームをしている、というのが現状。


「まぁ、取り敢えず拘束…は出来たし、ミチルの案件は一旦終わりだ。」


「wow…1day、で終わる任務…」


「お疲れ様、椿芽…と、ふゆ。」


後処理の人員は既に手配済み、残すは休息に尽きる、その証左が佐都の表情に出ていた。


「うぅ…もう運転したく、ないです…」


「まそう言うな、これからも頼むぞ?」


回顧する記憶は荒れも荒れ、アトゥムの人員を捜索する為に払った精神的代償は致命的だった。


「人轢いたの、二度目です…」


「はは…ぁー疲れた、風呂行こう風呂。」


「何?学舎に浴場があるとでも?」


「アンサーはイエスだぜちっこいの、ほらよっ。」


王へ投げ渡されたアカデミーの地図にははっきりと、大小含め13つもの浴場があった。


「ちょっと説明すると長くなるんだが…掘削抗から湯水が出ててな。」


砂漠に温泉、本来であれば奇跡だがありえない事が(神秘濃度が)立て続けに起こる(高い)、それがキノヤク超深度掘削抗なのだ。

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