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思い付き  作者: Blue_lobster
二章
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64/82

18.

痛みが人を強くする、それは半分合っていて、半分間違っている。


しかし三田の場合、100%正解である。


痛みは神経を通り、脳に苦痛を伝え、脳が闘争を準備する。


闘争、逃走、凍結、これらのうち、三田は闘争反応を示した際…


「what the f…!!!」


彼女の矮躯に宿る神秘が起動する。


椿芽の本能は知覚し、関わってはいけない獣に槍を突き立ててしまったと警鐘を鳴らす。


「よおぉくもやってくれたなぁ…?」


「wait! stop please! 降参する!」


「うっせェ!一発殴らなきゃ気が済まねんだよ…!」


銃創は肉体の持つ治癒がものの数秒で塞ぎ、焼け爛れた顔面も同様。


脳に存在する扁桃体活性時に起動し、体内に貯蓄されたATP(アデノシン三リン酸)が尽きるその時まで無尽蔵の回復を是とする。


それが、彼女の神秘。

 

「あっそ、私もまだ気が済んでないから。」


背にぶつかる硬い感触、覚えのある感触。


「―――っまたかよ!!」

 

手榴弾、しかし此度は非殺傷兵器ではなく…


爆薬の信管の仕込まれた、安全ピンを抜かれたフラググレネード。


「逃げるよ、椿芽。」


「thanks…ユキヨ。」


思わぬ助け舟の背後で、爆煙が舞う。


「あーもういい゛…本気出してやる゛…」


破けた鼓膜、焼けた生体、爛れた背を瞬時に治し赤髪は立ち上がる。


「嘘でしょ…あの人本当に人間なの…?!」


「half-man half-god…」


腰に帯刀した総二対のマチェット、その両方が抜刀される。


「おら、テロリストはこんなんじゃ死なねぇぞ…!」


「いや普通死ぬでしょ…っ!」


「Truly undead…」


立ち昇る闘気は熱を帯び、少女らに血の匂いとしてそれを伝える。


「えー…状況終了、状況終了…演習終わりだお前ら。」


その時、天からノイズ混じりの声が響く。


「あぁ!?ふざけんな!俺はまだ…」


「まぁ落ち着きたまえよ、ほら深呼吸深呼吸。」


「雨眠…!てめぇ何しに…まぁ治療か。」


切り替えの早さは戦場にて命と同等、経験則上三田は身体で理解していた。


「はぁー…で、これどっちが勝ったんだ?」


「ん?君だよ、後ろ見てごらん。」


「あっ…ど、どうもです…?」


振り返る先は目と鼻の先にある銃口、齢16にして人の後頭に銃を突きつける事になんの躊躇いも無い、それがひな。


「おい犬!あんで終わりなんだよ?」


「もう時間です三田さん、今から出発しないと距離的に…」


「さ、いってらっしゃい三田くん。」


時刻は1245(12時45分)、準備時間を踏まえた上での出発時間だ。


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