15.
区画は9つ、それぞれ訓練用に実際の家屋や施設を模倣した正にCQB専用の訓練場。
5人の内訳はそれぞれ椿芽、柊人、ひな、クルミ、雪代。
残りのエネアドメンバーはバックアップ、これも実戦想定。
「エントリー。」
部屋1、無論三田は居ない。
「クリア、背後を警戒して第二エントリー。」
淡々とした、聞き取りやすい発音の報告。
普段の彼からは想像も出来ない。
「ホールウェイクリア、ノージョイ。」
「ひな、俺の後方警戒。」
「了解。」
部屋2、廊下の突き当り右。
危険な死角の多いリビングを模した部屋。
「…止まれ。」
「っ…」
拳をその場に留め、息すら詰まる緊張が漂う。
「IED発見、退却。」
「うわっマジかよ…」
天井裏より響く静かなる声。
「コンタクト!ファイア!ファイア!」
叫びと共に掃射、生身に対してだ。
「っとと…危ない危ない、人に向けて撃つもんじゃねぇぞ。」
再び消える声、合わせ、部隊は追う。
「スタンバイ、スタックを作れ。」
「ふうぅ…ね、ねぇ?三田さんって人間でしょ?あの人の言う通り撃ってもいいの?」
「佐都先生からは撃っていいと言われた、それで充分。」
「そ、そだね…」
クルミの問い虚しく、散弾銃による突破が始まる。
「カウントダウン後、雪代がフラッシュバン投擲」
「了解。」
「ひなは俺のカバー」
「了解です。」
「クルミは後方警戒。」
「りょ。」
「スリー、ツー、ワン。」
ダン、ダン、ダン。
射撃された大口径が蝶番を大破させ
閃光弾が投擲され
光が走り
突入。
「…ブラックアウト、ブルーオンブルー警戒。」
中は宵闇、対象の気配見えず。
「よう。」
背より囁かれる声、そして刹那。
「っクルミ!!」
「あーやば…やらかしちゃった…」
「はい1キル、こいつはもう死体だ。」
首筋にマチェットを突き立てられた仲間の姿がそこにあった。
「お仲間の、しかも美少女の死体を撃つなんて真似はしないよな?」
「え、あたし美少女なっぐぇ…!」
「―――うるせぇ。」
そして、首を絞められる仲間の姿。
「ちょ…ぎぶ、ぎぶ…!」
「おらどうした、訓練でも現実でも仲間が死ぬぞ。」
「…柊人くん。」
1秒、2秒、今この場に置いても仲間が苦しんでいる
目標は眼前。
これは訓練。
これは訓練。
これは訓練。
これは、実戦想定の訓練。
「撃て。」




