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思い付き  作者: Blue_lobster
二章
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55/82

9.

「来てたんだ、そこの人達は?テットの人?」


「ぁ、ああ、そうだ。」


「うん、そっか…こんにちは、私は掘削部の部長、よろしくね。」


不思議と落ち着くその声は、吐息交じりで声量は普通だというのに囁き声だった。


「あれ、ふゆちゃんとクルミは?」


「空港に置いてきた、荷物を運んでもらうからな。」


「…ゆきよ、こっち。」


柊人の手招きに応え、スマホを片手間に弄りながら囁き声の主は着席する。


「部員の子に伝えなきゃ…あ、日程票も…」


藤井雪代、16歳女。

役職は偵察員、神秘無し。


「…まぁ、粗方揃ったし取り敢えず自己紹介な、その後雨眠呼ぶから健康診断だ。」


「eh…健康診断?what is 健康診断…」


「ああ、お前ら知らないのか。」


名は日本、しかし住んでいるのはエジプト、彼等彼女等は一体どういった経歴なのだろうか、一つの疑問が浮かぶ。


「椿芽はしょうがないとして…まぁやってみれば分かる、はいじゃあ椿芽、自己紹介。」


「ok,任せる、をしてくれ。」


拙い日本語、要所要所に英語を挟む浅黒の肌の女はかく語る。


「私、は高取椿芽、この…brotherの、姉だ。」


「yee、俺は弟、シスターイズファムだぜ。」


「日本生まれ…but、育ちが、キューバ。」


親をスペイン系白人とする彼女、出生には数多の秘話を含む。


「この、brotherは、育ちがhiphop…」


「でもどっちとも好きなのはチャーハンだぜbro.」


「なるほど相分かった、では次だ、貴様の神秘を教えろ。」


秘匿されてこその神秘、しかし体系化されている以上最早神秘ではなく、陳腐な異能である。


「名前は付いていない、but…走ると、強くなる、right?」


「俺は俺の複製を作れるぜ、がしかーし、そう、何を隠そう超低品質!」


「これが意外と役に立つんですよ、最初こそグダグダでしたけどね。」


「へえ、俺とどっちが強い?」


三田の純粋な質問に、場が凍り付く。


「…三田さんですね。」


「世辞抜いたら?」


「いや普通に三田さんです。」


「あっそ。」


氷は直ぐに融解した、しかし溶けた氷は水となる。


生温い空気が流れる。

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