7.
「おい犬っころ、後どんくらいで着くんだ?」
国際空港から出発後2時間、オフロードを走行していた中痺れが切れた三田が口を開く。
「こっからだと…早道使って1時間ですね、なるだけ早く行きます。」
「なぁミタよ、なにゆえサトを犬と呼ぶ?」
「あぁ?」
暑さと長時間の待機に悪い機嫌の最中質問が飛ぶ。
「名前、こいつの下の名前が犬丸だからだ。」
「なるほど、では隣の女は『海っころ』か?」
「ぶ…っ!」
思考力の落ちた脳はただのジョークであれ途端に笑いを吹き出す。
「?私がどうかしたかい?」
「いや…っくく…な、なんでもねぇよ…」
「…機嫌が直ったようだな、良い事だ。」
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「…着いたぞ、ゲームしてないで降りろ雨眠。」
「………」
そびえ立つは砂を被った巨大な廃墟。
柱は崩れ、ツタ植物の一つ生えていない。
「む、ここが学舎だと?」
「いいや、キノヤクの本懐は地下にある。」
「地下ぁ?そういや堀削抗がどうとかだったな。」
佐都に従い学舎を突き進む三人、見ず知らずの土地で案内される得体の知れない廃墟は完全アウェーである。
「ここは旧校舎でな、えーと確か…第二階段が…」
突き当り右、やけに清掃の行き届いた階段下…
先の見えない深淵、壁伝いに20階は下っただろうかとその時。
「おぉ…すげぇなこれ。」
「…地下に輝く贋作の陽光か。」
平原の床、岩石の壁、一際輝く丸の備えた天井。
それは正に、地下の地上であった。
「………」
「雨眠?なんでさっきから黙って…調子悪いのか?」
「…いいや、少し、不機嫌なだけだよ。」
雨眠の思慮を残し、4人は新校舎なる建物にテットのカードを翳す。
突き上げられた拳を背景にした、獅子のマーク、その下にはヘブライ文字9番目、力の名を冠するテットが記されていた。
「で、ここが例の生徒会、その部室だ。」
ネクタイを締め、緊張もそこそこにスライド式の戸が開かれる。
「what the…!」
出迎え、というよりは外出しようとしていたと思われる背の高い肌が浅黒い女が視界に飛び込む。
「a、先生…なんだ、So you were here...」
「へいマイシスター、what's up?」
「よ、椿芽にはじめ。」
背から顔を覗かせるのは黒眼鏡を掛けた男、先のクルミと同じくして、カーキ色のセーラー服を着ている。
「…!先生!久しぶりっす!」
「ひな…!うわ、お前まだヘルメット被ってんのか…」
「すいません、これだけは変えられなくて。」
横からひょいと姿を見せたのはヘルメットを被った小柄な女。
「またうるさくなる…はぁ。」
「よっ、柊人。」
奥で溜息を吐く、厚手のコートを着た更に小柄な男。
「報告っす、一応今はシュー、テフヌト、ゲブ、ヌトが揃ってます。」




