5.
『…随分と楽しそうだね?』
瞼を開けると、そこには書物立ち並ぶ無限図書館が在った。
「嫉妬したか?」
「勿論、私だってそりゃ君といちゃいちゃしたいさ。」
…私めも同じでごさいます。
「ここに余が在るということは、眠りが完遂されたのだな?」
「そうだね、王様が眠る時、精神体は此処ではない何処かに行く…あの半島に居た時は別だけどね。」
かく語るは閃光の知恵、無限図書館に住まう、王に仕える従者の一人。
「…マルクト。」
その名を冠するは語り手、最下位にして最も王と通ず我が身は無論、王に仕える従者の一人。
「はい、ここに。」
「余はこと従者において貴様の事は」
「あの。」
「…語りを邪魔する意義を話せ。」
「私の事は、お前と呼んでくださらないのですか…?」
我が身は渾身の上目遣いを披露する。
「こと従者においてお前の事は最も適していると余は想っている。」
「はい、至福の限りで。」
我が身は成功と愉悦を喫する。
「が、特化…特効という点において、お前は適さない。」
「ですが、我が身には王が居ます。」
「そうだ、しかしお前が必要になれば、お前を呼ぶ、良いな。」
幕間は終わりを迎える、短期間であれ、従者にとって充足のそれと何ら変わりはない。
「ふふっ、いや何、王様と君がイチャコラしているのがどうも可笑しくてね。」
「まぁいいさ、私も王様の従者に変わりはない。」
黒色の司祭服を纏った者は再びページを捲る。
「バベルの無限図書館、楽しんでいってくれ。」




