4.
「これと…これ…三田さん、あれ積んでもらえます?」
「あいあい分かったぜ。」
先の事変にて乗り込んだ航空機より巨大で、しかし民間のそれとは程遠い機体に積荷が続々と格納されていく。
「…何を積んでいる?」
「武器だよ、彼彼女らは資金援助の四割をテットに依存しているからねぇ。」
座席には既に王と雨眠が着しており、片やリラックス、片やノートパソコンを開き遊戯の限りを尽くしていた。
「私ちょっとテトリスで忙しいから、これ操縦席に挿しておいてくれないかい。」
渡されたのは、ナイフのような形のUSB。
「相分かった、余の機嫌の良いうちに頼んで正解だったな。」
「ふぅン。」
おそらくは自動運転のデータが入った物、そうでなくては、あの者が居ない理由が無い。
「出発するまで後何分だ?」
「やぁ佐都くん、後30分程だよぉ。」
積載を終えた佐都が乗り込んで来る、その時だった。
突如、機体が轟音を轟かせる。
「は?!何!?」
「あぁ、彼…ケテルくんが自動運転を始めたんだろうねぇ。」
「っのやろ…三田さん!早く乗り込んでください!」
「あぁ?まだこのデカブツ乗せられてねぇけど?」
遠くで自身の3倍はあろうか荷物を運ぶ三田、既にエンジンはスタートしている。
「…後20だよぉ」
「あ?20分か?」
「19、18…」
「三田さぁぁんっ!!!」
怒号に近い男の叫びは三田を動かすに至る。
「まぁそう焦るでない、あの赤髪を残し向かったとて、余が回収を…」
「んなもん言ってる場合か!早くどうにかして助けろって!」
「全く…"魔術師"」
光に包まれ、権限するは空力剣。
「久方ぶりの目覚めだ、存分に其を振るえ。」
エンジンと同じくして回転を始める剣は、突風を生む。
離陸が先か、間に合うのが先か。
「ふ…ッ!っと…あー危なかった、どうしたんだよ急に離陸なんて。」
答えは、直ぐに現れた。
超人的な跳躍によって。
空力を借りずに。
「ハ!良い、やはり余の見込んだ通りだ。」
「あ?何言ってんだこいつ。」
「3、2、1…」
エンジンの唸りがその場の全員を後ろに引っ張らせる。
外では白線と誘導灯が次々と流れ、消えていく。
「はい、9時間のフライト開始が始まるよ。」
「はぁ…俺この時点で胃が痛いんだが…」
「んだよ辛気臭い顔しやがって…元気出せよ犬っころ、な?」
肩を組もうとする赤髪の女には、いささか身長が足りていない。
「くく…そうだぞサトとやら、これより先は新天地だぞ?歓喜の一つ感じてみろ。」
翼を傾ける旋回と共に、日本の街並みは1枚の地図かの如く眼下へ広がっていった。
「…お前のせいだよ、この溜息は…」
「知らん、余は寝る。」




