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思い付き  作者: Blue_lobster
二章
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47/85

1.

VOICE COMMUNICATION RECORD


FILE ID: VC-0480-217388


INCIDENT:CLAIM


「…もしもし。」


「はい、こちらキノヤクアカデミー購買部です、学籍番号をどうぞ。」


「0001。」


「承りました…ええと、デリバリーでしょうか?」


「焼きそば、ソース、あといなり寿司。」


「あ…申し訳ありませんお客様、現在いなり寿司の方が既に販売終了しておりまして…」


「あぁ?」


「いなり寿司の他に、他のメニューならご注文いただけますが…」


「…なら」


「あ、えと、もう一度よろしいでしょうか?」


「アキちゃんなら、地下7900kmでも嫌な顔一つせんで握ってくれた。」


「はい?」


END OF COMMUNICATION

STATUS: TERMINATED

REASON: NORMAL DISCONNECT

RECORDING: COMPLETE

FILE STATUS: ARCHIVED


__________________


「…今のクレーマーが、今回の身柄確保対象…」


「猫塚ミチル、その人さ。」


イタリア事変から約数日、テットの日本支部にて余暇を過ごす間もなく王は任命を受けていた。


前回と同じく、複数人での共同任務、しかし今回は馴染みのある人物が多い。


「ねこつかぁ?なんだ、コミちゃんの親戚か。」


始めに声を発したのは佐都(さと)犬丸(いぬまる)、テットにおいてはとある分隊の長をポジションにしている男だ。


「いいや、同姓なだけで関連性はないよ。」


そしてその佐都の質問に答えたのは科学部室長能戸(のと)雨眠(うみ)、神秘学に精通した白衣の女である。


「…身柄確保対象と言ったな、詳細を話せ。」


たった一つの会話では情報が薄い、それもどこの馬の骨とも知らないアカデミーの購買部へ寄せられたクレームでは。


王が真意を問う。


「…まず、今回の任務には2つの目標があるんだ。」


「一つ、キノヤクアカデミーの調査及びキノコ分隊の監査。」


「二つ、アカデミー絡みの重要人物、並びに高評価対象猫塚ミチル氏への尋問。」


キノヤクアカデミー、それはエジプト•アラブ共和国のとある砂岩地帯に存在する7つのPMCとテットの協力関係下にある学舎…


形式では高等学校、未来ある生徒をある目標の為高度な戦闘訓練に興じさせる、そんな学校。


「よっ、入るぜ。」


「…三田さん?」


「『みた』じゃねぇ『みった』だ犬っころ、…わりぃな、遅れた。」


聞き覚えがあるような、ないような名と声の主。

それはテット日本支部において最強の戦力である三田(みった)小夏(こなつ)、前に王と相対した時は包帯に巻かれていたが…


「えっと…その格好は?」


現在の姿は、クマの着ぐるみに包まれていた。


「あ?服ねぇんだよ、さっき首から下吹っ飛んだ。」


「はい私語はそこまで、以上が鳥羽さんから伝えられた概要、次からは私のブリーフィングだよ。」


講義室の電子ホワイトボードが反転する。

隙を見て、着ぐるみが席につく。


「佐都くんは以前にアカデミーへ出張したことがある、"先生"としてね。」


「ん?お前教育免許持ってたのか?」


「ああいや、非正規です、というか…まぁ形式上の先生ですね。」


あの佐都がデフォルメされたクマに敬語を使っている、そんな状況に誰も口を挟まない。


「それじゃ、1ページから読んでくれたまえ。」


雨眠は静かに紙を捲る、そしてそれは三人も同じ。



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