45.
「あぐ…もぐもぐ…んめぇなこれ…あむ…」
件の出来事から数時間、合流し終結したテットは…
「ん、これバジル入ってるじゃん、抜いてよ。」
「なにぃ?バジルはMargueriteのアイデンティティだぞ…?」
ヴェルギリウスに処理を任せ、夜食に来ていた。
「ひっひひ…じゃあパイナップル乗せちゃおっかな〜…?」
「…はぁ、イタリア人だからって全員パイナップルピザが嫌いな訳では…」
「あーね、あたし達が寿司にアボカド乗せる的な?」
「…はぁ。」
ひまりの軽口は止まらず、リーヴィアの徒労は増すばかり。
そんな中、王がグラスを手にやってくる。
「…ヒマリ、もう傷は良いのか。」
「んー?あたぼうよ、あのロ…!じゃなくて、キアラってやつの治療のが痛かったわ。」
「…調子の良いヤツめ。」
「それは私も言ったぞ。」
「言われた人でーすっへへ…!」
晩餐会は盛り上がる、そして熱は覚めず。
「ね、結局聖遺物ってどうなったの?」
イナが問いを残す。
「ああ、血の事か、これだが?」
王は瓶を投げる、答えが実物で返ってくる。
「おあ、てことはー…」
「任務完了だな、全くお前には毎回驚かされる…」
建部、リーヴィア、王。
三人の任務目標であった聖遺物喰らいの討伐もとい聖遺物奪還、満了である。
「おお、やったじゃねぇか。」
「お前の協力あってこそよ、ヒマリ。」
「うわ、何それめちゃ恥ずかしいんだけど。」
「っふは…そうは見えんがな。」
和気あいあいとした笑い声の中に、一つの着信音が響く。
「ごめん、私のー…あ、税理士のエリカさん…?なんで急に―――」
「―――Was?! Das geht doch nicht!」
「いやちげえって、例の曲じゃねぇよ。」
…結局、イナの勘違いは解けなかった。
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夜も更け、草木どころかひまりですら寝静まる丑三つ時。
「…おい。」
テットの仮拠点、キアラに割り当てられた部屋の戸を叩く女一人。
「入るぞ。」
「……なに?」
間接照明に、簡素なベッド、しかし際立つ存在の少女が一人。
「ディナーに来なかったな、何故だ?」
「………」
「そうか。」
答えは分かっていた、されど…聞いてみたくなった。
それが本心、親しき仲では時に言葉を必要としない。
「…あ」
「聞いている、そのまま話せ。」
「あの、ね…その…眩しくて。」
例外として時折、想定外な事はあるが。
「…明日私のサングラスを貸してやる。」
「うん…ありがと。」
深夜、2人は毛布を共有する。




