表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思い付き  作者: Blue_lobster
一章
PR
44/82

44.

「ああっちょ…急に起きたら危ないよ!」


「黙れ、それより…ヒマリ共はどこだ。」


半身が凍ったまま、地を踏みしめる。


「えーっとね…結構離れててー…っ隙あり!」


凍傷間際、王の背に薬剤が打ち込まれる。


「…何をした?」


「あ、アドレナリン剤ー…」


「取り敢えず、ヘリ乗ろっか…」


はらり、はらりと空を舞う空力剣が氷塊を剪定していき、三人は輸送機に乗り込む。


「もーほんと大変だったんだから…すごーく危ない状況だったんだよ?」


「危ない状況は貴様の顔だ女、涙で化粧が崩れているぞ。」


「ななっ…もう!Mangel an(ノンデ) Taktgefühl(リカシー)!」


ヘリの止まっていたローターが、重たげに一枚、また一枚と空気を切り始めた。


回転翼が勢いを増す、砂塵が舞い上がり、爆音が座席の2人を襲う。


「エンジンスタートー…離陸するよー…」


建部の声は、優に100dBを超えるローター音で掻き消される。


________________


「ァ゜!つめたいっ!」


「ふふ、なにいまの声…」


ひまり達の跡地では、また異なる情景が広がっていた。


「っはー…おい、そいつが終わったら次は私だぞ。」


「はいはい、じゅんばんこね。」


満身創痍の2人を治療するキアラには、物憂げな表情が消え去っていた。


「ぉーい…!おーい!キアラ〜…っ!」


「あ、お兄ちゃん。」


「ヴァージル!」


「ぜぇ…はぁ…あの、ヴェルギリウスですって…何回言えば…」


黄金の毛髪、同じ色の瞳。

見知りの男が手を振って三人に近付く。


「…?あ、お前見たことあるぞ、テレビで。」


「おや、それは光栄です、あなたは?」


「ひまり、明朝ひまり…っうわ、今のかっこよあたし。」


「…調子の良いヤツだ。」


気が付けば雰囲気が和んでいた、前ならありえなかった事だ。


リーヴィアにとっても、キアラにとっても、その兄であるヴェルギリウスにとっても。


…ひまりにとっては、特段なんて事はないが。


「あー疲れた…腹減ったー…ピザ食べたいー!」


「ええっと…一応後処理義務がテットに…」


「あたしテットじゃねーし、お片付けの責任なーし!」


けらけらと笑う声、遠くでプロペラの連続音が鳴っている。


「…じゃあその、ここからはバチカンに引き継ぎますので、よろしくです。」


「ああ、いつも助かる。」


「わたし達は…どうしよっか。」


「ピザー!」


「うるさい!」


麗人の怒号が、夜空に消えていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ