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思い付き  作者: Blue_lobster
一章
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43/81

43.

「………さて、貴様はどうする?」


王の横目には、意地汚く場に縋る模倣者が一人。


「あぁ…あぁぁぁああぁぁ…」


「ぎぎがごごぐぎぎぃ゛…!」


「あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。」


威光により目を焼き尽くされたその者は、這いつくばって魔導書を探し求める。


「何故だ何故だ何故だ何故何故何故何故何故!!!!」


「何故33で終わっていない!何故33で終わっていない!おかしいおカシイおかしい!!!」


「現実が不完全だと言うのかあぁっあぁ…!」


神の寵愛を33篇で書き留めた詩人の名を騙っている、それは即ち、妄信である。


盲目的な信仰は自慰に過ぎず、それが醜ければ尚更。


「…小生を神は見捨てたのか」


「これだけ美を生み出したというのに」


「小生は、報われないというのか」


発狂は一度、収まった。


「遺物を渡せ、『基礎』もだ。」


「………」


「貴様は大勢の人間を殺し、それを美と捉えた。」


正負剣が顕現する。


「一点、余の所有物を盗み、損壊した。」


「二点、余の管轄外から到来した魔導書を開いた。」


「三点、あの者(皇帝)を現世に連れ戻し、渦中に沈めた。」


歩む。


「罪状は以上、次は美術家ではなく刀匠でも目指したらどうだ。」


振り下ろす。


そこに在ったのは、黒色の液体が詰められた瓶と、10つの丸、22の道で構成された装飾品。


「…堕ちたものだな、イェソド。」


__________________


「…これ!これっ次どうしたらいいのー…!」


「とにかく心肺蘇生!私がやるから除細動器持ってきてってば!」


瞼を開ければ、そこに在ったのは快晴の夜空。


半身が、寒い。

冷たい。


「ふっ…ふっ…ふっ…!おねがいおねがいおねがい…!死なないで…!」


胸部が圧迫されている、息が浅い。


灰桜色の髪、見覚えがある。


建部だ。


黒色の外套、見覚えがある。


「タテベちゃん!日本支部に連絡して!あの科学部の人にっ!」


「はいさー…っ!」


イナだ。


「…女、どけ。」


「―――へ?」


ヒマリは居ない、気味の悪い政治家が派遣した部隊も。


「いっいいましゃべっ…」


「臓腑は動いている、三度は言わん、どけ。」


教会跡地、王は半身を兵器により凍らされたまま、天を仰いでいた。


「き、緊急医療ぱっく…ああえと、ヘリに…!」


携帯端末を耳に当て、ヘリに歩を進める建部の顔は、焦燥に駆られている。


「強心剤?!そんなのないよー…!」


赤色の十字が刻まれた箱を持ち四苦八苦、王の肉体に2つの電極パッドが貼られようとしていた、その時。


「あっうえぁえ…お、起きてる…?」


「…なんとも間の抜けた声よ、ああとも、余は起きている。」


「な、なんかね?急に起きちゃってね?」


夜中、安堵の息二つ、溜息一つが吐かれる。



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