43.
「………さて、貴様はどうする?」
王の横目には、意地汚く場に縋る模倣者が一人。
「あぁ…あぁぁぁああぁぁ…」
「ぎぎがごごぐぎぎぃ゛…!」
「あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。あり得ない。」
威光により目を焼き尽くされたその者は、這いつくばって魔導書を探し求める。
「何故だ何故だ何故だ何故何故何故何故何故!!!!」
「何故33で終わっていない!何故33で終わっていない!おかしいおカシイおかしい!!!」
「現実が不完全だと言うのかあぁっあぁ…!」
神の寵愛を33篇で書き留めた詩人の名を騙っている、それは即ち、妄信である。
盲目的な信仰は自慰に過ぎず、それが醜ければ尚更。
「…小生を神は見捨てたのか」
「これだけ美を生み出したというのに」
「小生は、報われないというのか」
発狂は一度、収まった。
「遺物を渡せ、『基礎』もだ。」
「………」
「貴様は大勢の人間を殺し、それを美と捉えた。」
正負剣が顕現する。
「一点、余の所有物を盗み、損壊した。」
「二点、余の管轄外から到来した魔導書を開いた。」
「三点、あの者を現世に連れ戻し、渦中に沈めた。」
歩む。
「罪状は以上、次は美術家ではなく刀匠でも目指したらどうだ。」
振り下ろす。
そこに在ったのは、黒色の液体が詰められた瓶と、10つの丸、22の道で構成された装飾品。
「…堕ちたものだな、イェソド。」
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「…これ!これっ次どうしたらいいのー…!」
「とにかく心肺蘇生!私がやるから除細動器持ってきてってば!」
瞼を開ければ、そこに在ったのは快晴の夜空。
半身が、寒い。
冷たい。
「ふっ…ふっ…ふっ…!おねがいおねがいおねがい…!死なないで…!」
胸部が圧迫されている、息が浅い。
灰桜色の髪、見覚えがある。
建部だ。
黒色の外套、見覚えがある。
「タテベちゃん!日本支部に連絡して!あの科学部の人にっ!」
「はいさー…っ!」
イナだ。
「…女、どけ。」
「―――へ?」
ヒマリは居ない、気味の悪い政治家が派遣した部隊も。
「いっいいましゃべっ…」
「臓腑は動いている、三度は言わん、どけ。」
教会跡地、王は半身を兵器により凍らされたまま、天を仰いでいた。
「き、緊急医療ぱっく…ああえと、ヘリに…!」
携帯端末を耳に当て、ヘリに歩を進める建部の顔は、焦燥に駆られている。
「強心剤?!そんなのないよー…!」
赤色の十字が刻まれた箱を持ち四苦八苦、王の肉体に2つの電極パッドが貼られようとしていた、その時。
「あっうえぁえ…お、起きてる…?」
「…なんとも間の抜けた声よ、ああとも、余は起きている。」
「な、なんかね?急に起きちゃってね?」
夜中、安堵の息二つ、溜息一つが吐かれる。




