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思い付き  作者: Blue_lobster
一章
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27/82

27.

「何が言いたい?返答になっていないぞ思想家。」


「キキ…私は羊として百年生きるより、ライオンとして1日生きるを選ぶのでね…」


複数の足音が、背後の遊歩道から迫る。


「―――我ら国家警備軍所属特務分隊、ならびに…ネオ黒シャツ隊、民意の名において、貴殿らを護衛する。」


立ち並ぶは整列した軍人達、黒衣の軍服を身に纏うその姿は規律を思わせる。


「…何のつもりだ?」


「手助けだ、存分に使え…分隊長!話を。」


Signorsì(はい)!」


V字型の階級章を身に着けた先頭の男が声を張り上げる。


「同士よ、手を。」


「おっおう…ありがと…?」


男は戸惑いを見せるひまりを立たせ、ダンテを見送る。


「軍曹のヴァレリオだ、先の宣誓通り貴殿らを護衛もとい補佐を担う。」


「…要らん、失せろ。」


王の返事は男にとって好ましい物ではなかった、しかし…


「私は命を受けここに居る、貴殿は王命に背く従者を傍に置きたいか?」


男は忠誠心で武装し、反論を返す。


「…良い、余の影にて仕える事を許す、去れ。」


「了解した、…Ordini del caposquadra! Codice B!」


振り返り、高らかに叫ぶ男は部隊と共に踵を返し去っていく。


「おいおい、あんな言い方無いだろ?どうしたんだよ…」


「………」


「…あ!もしかしてあたしと二人っきりのデートがしたかったとか?なんだよ可愛いとこ…まぁんな訳ないか…」


「………往くぞ。」


不愉快を表に出した王の、憤りさえ詰まった声と共に二人は官邸の庭を出る。


「…で、これからどうすんだ?」


「目星は既にある、ここだ。」


先の計測器を王は取り出す、液晶に映し出されるはサン•ジョルジョ•マッジョーレという小島。


「?なんでここ行くんだよ、全部赤色じゃん。」


「それが目星の理由だ、本来濃淡となるはずが全て赤色に塗られている。」


隣の島にはある程度の濃淡が広がっており、見比べると違いは瞭然であった。


「んー…結構歩きそうだな、あれ、河跨ぐけどどうすんのこれ。」


「憂う必要は無い、先の者共が手配するだろう。」


此度は地図を有している二人、その為道に迷う事はなく…


「つか…皆日本語なの凄いな。」


「職務上必要なだけであろう、勤勉である事は良い。」


「…はは。」


道中、談笑まで交わしていた。


「ヒマリよ、余はお前にあの軍兵どもについて是非を問うぞ。」


「え?ぁー…協力してくれるならそれで良いんじゃないの、それに…」


辿り着いたのは海沿い、ヴァポレットと呼ばれる水上バスの乗り場である。


数多の水上バスが立ち並ぶ、がしかしその中で異様な雰囲気を放つ小型船をひまりは指差す。


「専用の船まで用意してもらってるからな…」


乗り込む船体にはネコ科の獣、テットのマークであるライオンが刻まれていた。


「え〜と…これ操縦…ってうわ!」


王が足を船内へ踏み入れた刹那、大きく揺れた船がエンジンを掛ける。


「静まれ、目的地は合っている。」


計測器が指し示すは鐘楼目立つ教会、夜とも昼とも称せない空の下2人は到着を待つ…


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