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虐殺の英雄  作者: 社長
第六章、レンズの中の監獄

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G-32 【監獄長】ジェイル=レンズ

ジェイルは腰に装着していた警棒を抜く。


形状記憶性の魔鋼、ミスリルで作られたその警棒は使用者の魔力によりさらに強度が増す。


逢魔「ぜぇ・・・ぜぇ・・・、ちくちょう。」


逢魔は息を切らし、口元の血をぬぐう。


逢魔「汚染源だかなんだか知らねぇけどよぉ、人違いなんじゃねぇか?」


その態度にジェイルは警棒を持つ手が強くなる。


ジェイル「お前たちがいるせいで!!お前たちのせいで!!私は!!」


ジェイルの巧みな警棒捌きに逢魔は防戦を強いられる。


素早い殴打、凪払い。


そして突きが逢魔の肺に突き刺さった。


肺から空気が抜けていく。



パシャッ



シャッター音が響く。


ジェイルの首にかけられていたカメラだ。


逢魔は慌てて傷をふさごうとする。


しかし、血が出ていない。


空いた穴がふさがらない。


逢魔「はぁ・・はぁ・・・、な、なんだこれ・・・。」


酸素が頭に回らない。


空気が抜けていく。


ジェイル「お前たちのせいで私はこんな望まない力を手に入れてしまった。お前たちがいなければ!!」


ジェイルの攻撃は止まらない。


激しい防御に酸素欠乏症に陥る。


逢魔「んだよこれ!!治らねぇ・・・、いやそれよりも質が悪い。」


自分の体の異変にいち早く気付く。


逢魔「元に・・・もどらねぇってことか!!」


足りない酸素の中、身体のあらゆる機能が省エネに勤め始める。


筋肉が弱まり、思考が鈍る。


しかし相手の攻撃は止まらない。


的確に逢魔を殺そうとしている。


ジェイル「まだ動けるか・・・、ならば!!」


ジェイルの警棒が淡い青色に変色する。


ミスリルは使用者の魔力をほとんどそのまま伝達する力がある。


これはかつて存在した魔術を極めしモノの集団、『アマノガワ魔術研究会』により提唱された魔術理論の一つ。


あらゆる物質には魔力を阻害する力があり、1MP(マジックポイント)分の魔力を物質に流した時、抵抗をまったく受けない場合を1とした単位を提唱者の名前を文字り、FERフェルと呼称する。


FER係数が1の場合、その物質は伝達された通りの魔力を出力する。


魔力の豊富な環境下で成長した鉱石・金属はFER係数が高い傾向にあり、これらを魔鋼と呼ぶ。


ミスリルは魔鋼の中でも長い年月魔力にさらされた溶岩が冷えて結晶化したモノであり、驚異の0.98FERの物質である。


故に魔力の扱いに長けたものは、ミスリルを最大限活用することができる。


警棒が振りかざす勢いでしなる。


逢魔はとっさに避けるが、宿の床が跡形もなく爆散する。


逢魔「マジかよ・・・。」


ジェイル「死んで償え、お前たち汚染者がいる限りこの街は、この世界は汚染に苦しむことになるんだ!」


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