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虐殺の英雄  作者: 社長
第五章、つかの間の安らぎ

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G-29 次の目的地

レイ「むん、元気百倍!」


逢魔「ベッドの上で飛び跳ねんな、埃が舞う。」


あれから数日が立った。


レイの体調は日に日に回復し、今では普通に歩けるほどに回復した。


今では3人で食卓を囲んで食事をとれている。


ゼル「驚いたな、あれほどの病魔を数日で完治させちまうなんて。」


レイ「育った環境が良かったから。」


逢魔「あのクソみたいな奴隷労働所がか?」


レイ「・・・・・・ぐすっ・・・。」


逢魔「・・・・・・今のは俺が完全に悪い。」


食事を終え、三人はそれぞれ荷物を配分する。


当分の食事を町から拝借し、出立の準備をする。


レイの持つ分が少ないことに不満を漏らしていたが逢魔とゼルの完璧な采配だ。


レイ「私だって二人の役に立ちたいのに。」


逢魔「無理されてぶっ倒れられたらこっちが困るんだよ。」


レイ「無理しても一緒に連れてってくれるんでしょ?」


ニコニコ笑顔のレイを視界にいれぬよう荷物を素早くまとめている。


勢いで行ってしまっていまさら恥ずかしいのだ。


ゼル「うし、出発するか。これからは最終目的地、魔国グラトニアスに向かっていく。その道中に逢魔の修行に最適な相手がいる街を補給地として進むぞ。マッピング、道順は俺がエクストラスキルと並行して計算する。異議はあるか?」


逢魔「ない、お前に任せる。」


レイ「いぎってなに?」


ゼル「次の目的地は・・・・・・水の街サンテレーゼか。」


レイ「さんてれーぜ?」


ゼル「水の街の異名の通り、海面に建てられた町だ。浮町なんて言われてるな。なんでも国の中枢に町全体を移動させる魔法が組み込まれていて街自体が動くらしいぞ。」


レイ「かっこいい!」


逢魔「でも動く街なんざ補給地として最悪なんじゃねぇの?そもそも街にたどり着けるのか?」


ゼル「【虐殺目録(アカシックレコード)】でサンテレーゼに滞在していた敵が移動中、つまりは街ごと動いてる。つまり、このまま進めば街にたどり着けるぞ。」


逢魔「動く街でさらなる強敵か、ぶっ潰してやるよ。」


ゼル「相手は【監獄長】の異名を持つ、用心しろよ?」


こうして三人は名も無き村を出立し、新たな目的地サンテレーゼに向かい歩みを進めた。







水の街 サンテレーゼ


雨が降っている。


監獄長「・・・観光ですか?」


刑務官服に金の装飾が施された制服に身を纏った男が問いかける。


刑務帽からはみでた存在感のある緑色の髪、首にはカメラをかけている。


???「少し、伝言のようがあるので。」


対する相手は静かに答えた。


雨音が地面にはじけるたびに、監獄長は冷汗を流す。


二人が出会ったのはつい先ほどである。


余りの存在感、そして敵意に監獄長は素早く反応してしまった。


敵意、それも全人類に向けた圧倒的な殺意。


監獄長「ここは私の育った町です。暴れるのであれば容赦はしませんよ。」


???「やめておきなさい。」


男は静かに立ち上がる。


そして、3mはくだらない巨大な傘を差しどこかへ歩いていく。


???「今はまだ、何もしませんから。」


雨が降っている。


止まない雨が、降っている。


絶え間なく、いつまでも、この男がいる限り。


彼の名は『雨男』。


ただの、雨男。


全人類に殺意を向け、そしてそれを可能にしうる天災である。


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