3.スキル追放
訳あって追放された四人の冒険者。
彼らは酒の勢いのまま意気投合し、パーティを組んでしまった。
テンプレ追放者のオイハナ、ザコ勇者のユーシ、カス妖精シシャエル、飲んだくれおっさんのコウル、
そんな追放されて当然だったような彼らのろくでもない冒険のお話
前回のあらすじ
追放者どもが悲しくも寄せ集まり、追放者だけのパーティが誕生した。
あとユーシは滑った。
「あらすじまで引きずらなくていいです」
「傑作だったヨw 」
「何はともあれ、ダンジョン攻略のお時間です!」
私たちはさっきまでいたヘンキョウの町を北に進み山の上の遺跡跡にたどり着いた。
「ここら辺ならきっとあるはず、と私の勘が告げております」
「本当は?」
「めちゃくちゃ初心者向けにおすすめされてたスポットです」
「そんなとこだと思ったヨまったく、全員冒険者経験あるのに情けないヨ」
「まあまずは互いの実力を確かめたかったからというか?ひよった訳では無いというか?」
「おいてめェら、ダンジョンの入口見つかったぞ」
「マジすか、コウルのオッサンのくせに早いな」
「てめェ俺が何十年冒険者やってると思ってんだァ?魔力が濃いところに出来やすいんだ、匂いで分かんだろ」
「すごいです!まるでいつものコウルさんじゃないみたいですよ!」
「まーじで酒カスオッサンじゃなきゃ頼りになんだヨなあ
「アル中なのによく鼻効くね!」
「てめェら一回ぶん殴るァ」
「殴るって言い終わったときにはもう殴り終わってんだヨ!イデデデ」
「という訳でダンジョンに入る前に各自の使える技とかスキルを共有してこー、私はこれ、文字化けしてるけど覚醒したらきっと世界を揺るがすチートーー」
「はい次」
「はい、僕のスキルはアイテムボックス、鑑定、晴天斬りで⋯⋯」
「おお、実に勇者っぽい!じゃあ何か荷物預けよっかなー」
「これも千年に一度現れる虚弱体質の効果で千分の一の力です、ほぼ無限と言われていたアイテムボックスはちょっと大きなリュックサックサイズです」
「そんなとこにも効果が」
「おいユーシ、我が一生懸命考えた千ザコって愛称を忘れんなヨ!」
「はいはい、忘れてませんよ」
「つーか千ザコも長いなァ、もっと略せやァ」
「あんたは何を求めてんだよ、あ、ユーシくん、これくらいのサイズならアイテムボックス入らない?さっきから小脇に抱えてたんだけど絶妙に邪魔でさ」
「なんですこれ、絶妙に持ち運びに困るサイズですね⋯⋯えっと、鑑定の結果、おぼろげながら盾という文字が浮かんできました」
「そんなバカな、ギルドカードのはず」
「でも裏面に持ち手ありますよ」
「ほな盾かぁ、防御面心配だったし小脇に抱えとこ」
「多分それじゃ意味無いヨ」
「はいそれじゃあ次、シシャエルの番ね」
「一つ思ったんですがダンジョン入る前なのに時間かけすぎでは」
「我のスキルはお前らのようなへっぽこスキルでは無いからな!聞いて震えるといいヨ!」
「時間ねえんだよもったいぶらずに言え土に埋めるぞ」
「上級地魔法にモンスター使役、呪い付与だヨ」
「土に埋められるのは私だったようだね、あばばばば」
「というかほぼモンスター側のスキルじゃないですか?」
「こいつの顔どっかで見た気がしたけどよォ、ゾンビフェアリーとかだった気がするぜェ」
「言いがかりだヨ!我こんなに愛らしい見た目なのに!」
「まあ見た目だけは可愛いですからね⋯⋯」
「ありがとヨ!ユーシ!」
「え?」
「⋯⋯え?」
土に埋められたまま放置されかけたオイハナが助けられたのは窒息寸前のところだった。
「なーんでダンジョン入る前なのに死にかけてんだ私、こんなに土の味を感じたのは一話ぶりだよ」
「もういいですから早くダンジョン行きましょう?」
「じゃあ最後は俺だなァ」
「もういいだろヨ、どうせ酒飲むしかないんだからヨ」
「殴る、蹴る、飲むだァ」
「飲むは入ってんのかい、まあ全員軽く分かったところでそろそろ⋯⋯」
「そうですね、行きましょうか」
「このパーティのルールを決めていきます」
「まーじで、いつになったら行くんですかオイ」
「ユーシ、イライラしてもしょうがないヨ、ダンジョンは逃げるわけでも無いんだしヨ」
「日は傾き始めましたけどね」
「まじやん、じゃあ一つだけ鉄の掟!このパーティからは『誰一人追放しない!』そんだけ!」
「なるほど、いいと思いますよ」
「じゃあお前らの私物売っても追放されないんだヨな!」
「うん、自主的に逃げたくなるようにボコボコにするだけだからね!」
「さ、さすがに冗談だヨ⋯⋯」
「てかオイハナ、お前文字化け以外のスキル何があるんだヨ?」
「えっとまず、お料理スキルがあって⋯⋯」
オイハナとシシャエルの話はおおいに盛り上がった
「よし、情報共有も切り上げてさすがにそろそろダンジョン行こうかな」
「あれからさらに一時間駄弁るのを予想出来なかった僕が悪かったですね、これは」
「まあまあ、急ぎすぎても疲れるだけだヨ、ユーシ」
「夕焼けが綺麗な時間になってきましたねぇ?」
「「⋯⋯⋯」」
「「よし!ダンジョンへいざしゅっぱーつ!」」
「てかコウルのおっさんは?」
「待てずに先行きましたよ⋯⋯」
「やばい声色がずっと不機嫌だヨ⋯⋯」
「もうおっさんが全部片付けといてくれないかなー」
だが彼らは知らなかった、コウルを先に行かせてしまったことによる悲劇の始まりをーー。
ここまで読んでくれてありがとうございます
もう3話になるのにこいつら敵の一人も倒してなくてまずいはとは思ってます




