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2.ざまあ追放

訳あって追放された四人の冒険者。

彼らは酒の勢いのまま意気投合し、パーティを組んでしまった。

テンプレ追放者のオイハナ、ザコ勇者のユーシ、カス妖精シシャエル、飲んだくれおっさんのコウル、

そんな追放されて当然だったような彼らのろくでもない冒険のお話

 前回のあらすじ

 ひょんな事から追放されたオイハナ、ユーシ、シシャエル、コウルの四人は酒場で意気投合し、追放された者同士でパーティを組むことになった。


「愚かな内容に対してあらすじがまとも」

「分かりやすくした方が多分いいんですよ、というか二人、遅いですね」

 こちらの敬語の少年がユーシ、引くほど弱い元勇者だ。(試しに腕相撲をしたら腕をひねりかけた、怖い)

 私達はこれからギルドでパーティ登録の予定だが、残りのメンバーの酒カスと害獣妖精がぜんぜん来なかった。

「昨日、ギルド前で待ち合わせって言ったのに忘れたのか?」

「まあまあ、寝坊かもしれませんし、ギルドの中なら座れますからゆっくり待ちましょう?」

「それもそうか、ついでに依頼とかも先に見ておいてーー」


 中に入ると、見覚えのある酒カスと害獣妖精が無銭飲食と窃盗、罪状が書かれた板をそれぞれ首にぶら下げ、壁に磔にされていた。


「よーし、帰ろうかユーシくん、パーティメンバーはゆっくり探すとして⋯⋯」

 入った勢いのまま体を回転させて退散しようとするも、ギルドの職員に引き止められてしまう。

「あなた達、こいつらのパーティメンバーなんだってな、引き取ってくれ」

「まだパーティじゃないですし、そもそも磔にされてる罪人は引き取りたくないです!」

「安心しろ、そこの酔っ払いは皿洗いで金は返したらしいし、妖精に関しては人の法は適用されない。そもそもこいつらが勝手に喧嘩して暴れ始めたから磔にしただけだ、首の板はただのイタズラだな」

「どのみち罪は犯してますやん、余計引き取りたくないのですが」

「あ、面白がった冒険者や被害者の方々が落書きとかゴミ投げつけたりしてますよ」

「妥当だけど嫌われてて可哀想」

「うーん、まあ昨日約束したんですし、性根まで悪人って訳じゃないですから助けてあげましょうよ」

「少なくとも悪いことしたからあんなのなんだけどね」

 優しい私は、無惨にも落書きやゴミを投げられボロボロになった酔っ払いと害獣を回収したのであった。


「はい、という訳で正直嫌ですが明日の生活の為、この四人でパーティ登録をします」

「「「おー」」」

「何故そこは揃うんだ、あ、受付のお姉さん、パーティ登録お願いします」

「はーい、承りますねー」


「ではフルネームと簡単にでいいのでパーティでの役割を教えてください、初めてでも緊張しなくてもいいですからねー?」

「めちゃくちゃカウンセラーみたいな雰囲気、全員追放されてるから登録経験あるので大丈夫ですよ」

「あらまぁそれは可哀想に、お姉さんがじっくりゆーっくり、お話聞いてあげましょうかぁ?ふふふ」

「なんだかセンシティブな雰囲気も出てきたな、んじゃ誰がトリつとめる?」

「一番最初じゃないんですか」

「ならヨ、トリはこの我、シシャエルがーー。」

「あら、ペットの妖精さんですねー可愛らしいっ、登録しておきましたよ」

「そういやペット枠だったヨ」

「でもそいつ女性の私物盗んで売っぱらうやつすよ」

「あらあらおぞましいっ」

「ひどいヨ」

「妥当ですよ」

「じゃあ次は僕が、ユーシ・サウザコンド、勇者⋯⋯いえ、剣士です」

「はい、登録完了でーす」

「千年に一度のザコだから付けられた名前みたいで笑えるヨ」

「千年に一度のザコだから付けられた名前だからですね、親がノリノリで付けたらしいです⋯⋯」

「いやほんとマジですまんユーシ」

「ヨが抜けてんよ、ヨ妖精、てか酔っ払いおじさんどこ行ったか知ってる?」

「ヨ妖精ってなんだヨ、奴なら二日酔いで寝てるから呼んでるうちにオイハナも登録済ませとくんだヨ」

「いや私はトリだから」

「まだそんな話続けてたんですね」

「あァ?どーした騒いで、こちとら気持ちよく寝てたっていうのによォ」

「パーティ登録、追放され慣れてるならこっちも慣れてるでしょ?早く名前と役割と黒歴史とへそくりの隠し場所言いなさい」

「必要ない情報があるんだヨ」

「ちっ」

「あらぁ、コウルさんじゃないのっ、今度はこの子達と組むの?これで二十回目かしら、また追放されないようにねぇ、登録完了っと」

「おゥ、顔なじみだと登録早くて助かるわ、あんがとよ」

「お前二十回も追放されてんのかヨ!?」

「あ?今更追放された数なんて数えてねェわ、ほかの町でも登録してるしよォ、どうでもいいだろ」

「噂じゃ八十回は越してるんじゃなかったかしら」

「僕らの追放ってちっぽけだったのかもしれないですね」

「追放は数じゃない、密度だよユーシくん、それじゃあ大トリ、私の登録お願いしまーす!」

「あら、言い忘れてたけど最後に登録した人がパーティリーダーをやる規則なのだけれど、良かったかしら?」

「へ?ちょ、私知らなかったのですが⋯⋯」

「リーダー就任おめでとうございます」

「グスリ、お前ならやってくれると信じてたんだヨ」

「頼むぜェ?リーダーさんよォ」

「ここぞとばかりに一致団結、あぁもうしゃあない!」

「オイハナ・アマザ!役職は炊事洗濯家事全般!リーダー頑張りまぁす!」

「リーダーが炊事洗濯家事全般は締まらねぇんだヨ」

「はい、登録いたしましたよ、では最後にパーティ名をお願いします」

「やっべ全然考えてなかった」

「まぁここはリーダーらしく仲間の意見をまとめるの、お願いしますよ」

「いやこのメンツでまとまる気がしない、なので追放者ども、でお願いします!」

「雑なタイトル回収やめろヨ」

「はーい、『ツイホウシャドモ』ですねぇ、全部の登録完了いたしましたぁ」

「決まってしまいましたね⋯⋯」

「まあもう別にどうでもいいヨ⋯⋯」

「酒飲み行こォぜェ」

「はい、こちらパーティのギルドカードとなるので大切に持ち歩いてくださいね、よいしょ」

「うわ絶妙に持ち運ぶには大きい」

「あと、これは元先輩冒険者からのアドバイスなのですが⋯⋯」

「おお、気になります!」

「はい、ではお耳を拝借して⋯⋯リーダーは仲間の仲を保つのが大変ですが、学びも多いと思います、ぜひ頑張ってくださいねえ♡」

「耳元で囁くのはさすがにセンシティブぐはぁ!」


 受付のお姉さんから元気を貰えたことだし、私はこれからに向けて向けて頑張ろうと決意したのであった!

 てかこれからのことを何も考えてないな私、とりあえず追放系らしくざまあ展開が出来るように強くなるか⋯⋯いや私達の追放理由筋が通ってるから無理そうだ。

 でも私追放した奴ら態度悪かったしワンチャ、


「おーい、こっちですよオイハナさん」

「あ、ごめんユーシくん、邪な考え事してた」

「言っちゃっていいんですかそれは、二人は掲示板に面白い事書いてあるからとそっち行きましたよ」

「へー、まあ情報収集は大事だし行こっか」

「おいユーシ、オイハナ、これお前らの元いたパーティだヨな?」

「ロングストライプス、たしかに私が前いたとこだけどどうした⋯⋯ってこれは」

「『四つのパーティ合同で挑んだダンジョン攻略、無惨にもボコボコにされ涙目敗走〜奇跡の全員生還〜』だそうです、もしかしてこの四つのパーティって僕達がそれぞれ居たとこですか?」

「そーだヨ、良かったなオイハナ、お前の好きそうなざまあ展開だヨ」

「相手の格が勝手に下がるのはなんか違うんじゃないかな!?てか私達居たとて負けてただろこれ」

「全身複雑骨折の奴らも居るみてェだし、こりゃもう心折られてるだろうなァ、見舞いに行って酒たからねェと」

「そこは差し入れに行ってあげろよ、てか相手が調子乗ってないとざまあ展開無理じゃん〜、いや元から無理か」

「まさにざまあ展開が追放された、ということですね」

「ユーシくんボケたい気持ちは分かったから黙って」

「あっはい」


「まあ兎にも角にもパーティ成立したとこで!ざまあ展開なんかより必要なものがあります!一体何でしょうか!」

「金です」

「酒」

「女ァ!」

「欲望の塊、まあ金は合ってるけども、という訳で今日の宿代も無い私たちは今すぐ金を稼ぐ必要がある、なので手頃なダンジョンに挑みます、異論は?」

「無いです」

「無いヨ」

「いいぜェ」

「では出発!」


「⋯⋯ところでざまあ追放ってあんまり面白くなかったですか?」

「まだ話すかあんた」

 その後ダンジョンに着くまでユーシは、酔っ払いと害獣にそのネタで煽られ続けた

ここまで読んでくれてありがとうございます。

受付のお姉さんの名前はエスマール、魔界から追放された元サキュバスです。

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