31話 ”生きる”それは困難である
俺の名前は辻本空。30歳だ。高校は頭のいい進学校。大学は国有数の名門大学。そして就職先はIT企業。
普通の人からすると人生成功しているだろう。俺も俺は結構人生成功していると思う。
まさに人生、順風満帆だった。
あの時までは。
俺は後輩とお気に入りのラーメン屋に行き店を出た後事件は起きた。
俺は通り魔に刺された。
「先輩!先輩!」
後輩が声を上げる。周りには野次馬がたくさん集まってくる。
「こ、後輩、、、」
「吉本です、まだおべえてないんですね、、、」
俺は一応遺言を続ける。
「お、俺が死んだら遺産は全てドブに捨てといてくれ、、、」
「せ、先輩、、、」
後輩は何か言いたげそうな顔をしている。その間にサイレンの音が近づいてくる。
「俺にくれませんか?」
俺はその時にはもう怒る気力は出なかった。
「ははは、今は冗談言う時じゃないだろ、、、」
俺は全身の力が抜けていくのを感じた。抜けているのは大量の血液だった。そして俺は多分死んだのだと思う。
しかし意外な事に俺は生きていた。ここは病院のベットだろうか?赤ん坊の声が近くから聞こえる。
やはり病院だ。
「・・・くん元気に生まれて来ましたね」
よかったね〜俺には関係ない。しかし体を上手く動かせない。看護師さーん。俺起きましたよ。
そういえば俺が動こうとすると赤子の声がどんどん大きくなっていく。そして俺の体が激しく揺れる。なんだ!?
地震か?しかし赤子をあやす声が聞こえる。あ、目を開けれた。うお!人に抱かれている?
成人男性の俺が?しかしこの女の人美人だな〜。いやいや誰?顔が外国人っぽいな。なぜ日本で倒れたのに海外に?
でもなんで言葉がわかるんだ?あ、男が出てきた。俺を抱いている女の人と喋っている。
「頑張ったな、サナ!」
「あなた、、、」
いい雰囲気のところ悪いけど俺もいるんだけど俺は手を伸ばす。あれ?手、小さくね?ちょっと待って。
もしかして俺が赤ん坊?
そう俺は転生していた。
この魔力や魔法がある世界に。
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俺が転生してから3年が経った。あれからこの世界の事について少しずつ調べてみた。
まず俺が生まれた国はガルトリア帝国というらしい。大陸の名前は中央大陸”ヨルグラシア”。
名前の由来はわからなかった。あと他には三つの大陸がある。
まず中央大陸から見て東の方にある大陸、魔大陸。魔王やその上に君臨する魔帝が存在している。魔帝、その実力は世界最強と言っていい。
しかし支配に興味はないため魔大陸から出てこない。ちなみに国民の9割が魔族らしい。そして差別がない。
平和だ。そして中央大陸と繋がっていそうで繋がっていない大陸、名前はエルフの森。
エルフがたくさん住んでいてここ数千年戦争も何もない平和な大陸らしい。しかし本当はエルフたちが強すぎて誰も戦争を仕掛けないらしい。
伝説では数千年前に魔王の大軍が攻め込んだらしいがすぐに退軍したらしい。
いやわざとではないよ?何がとは言わないがわかる人にはわかる。
それと魔王の大軍だが全滅したらしい。戦場に残ったのは体に大きな穴が空いた魔王だけだったらしい。
しかしエルフの人たちはとても愛想が良く悪意がなければ平和的らしい。一回ぐらい行ってみたいな。
そしてもう一つ大陸がある。中央大陸と真反対の方にある大陸、イルム大陸。
獣人や吸血鬼が住んでいる多民族国家だ。この国の文明はあまり進んでなく発展途上らしい。
中央大陸だけが唯一まだ統一されてなく10国が乱立している、そしてその中で一番領土が大きく軍事力が強くて影響力が大きいのが、ガルトリア帝国らしい。
でもなんか国際連合のような組織があり帝国もその組織に加入していると言うことは他の国の存在も認めていると言うことだよな?
そしたら帝国の悲願である大陸統一なんてできないと思うんだけど、、、ま!俺には関係ない。
それと俺は今世で前世の知識を使って無双しよう!と思ったんだけど結構現代日本の技術が再現されてたんだよね。
てことは俺の他にも転生者がいると言うことだよな、、、
それならいつか会いたいな。だけどまず俺は実力をつけることから始めないと。
普通ゲームなら女神様がいてチュートリアルみたいな感じがあるのにこの世界不親切だぞ、と言いたいが文句をいる相手すらいない。
まず俺はここ3年で初級魔法を全て使えるようになった。その中で一番魔力を使わないで簡単にできる魔法は
「水玉」
空中に一つの水の玉が浮かぶ。やっぱり改めて考えると不思議な現象だ。感想はすごいとしか思い浮かばない。
でも親の反応を見る限り3歳で魔法を使えるのはとても凄い事らしい。
このままいけば将来は国有数の実力者になれるらしい。簡単に言うと俺のこれからの努力次第ということだ。
なので今日も魔法の特訓だ。今回は水魔法の中級を練習してみよう。
とその時大きな音がした。街の城壁の方からだ。魔物でもやって来たのかな。
しかし街の中から叫び声が聞こえてくる。それは徐々に大きくなっていき俺の両親の声も聞こえた。
俺は家の一階に降りる。そこには血を流し倒れえる父の姿があった。へ?なんで父さんが、、、
そして母親も血を流して倒れ込む。なんで?そして二人の目の前には兵士がいた。
その兵士たちの肩に付いている国旗はガルトリア帝国のものではなかった。つまり他国の兵士ということだ。
つまり帝国は今攻め込まれている?帝国が?なぜ?それより母さんたちは、、、
もう息がなかった。俺にとっては本当の父母ではなかったがそれでも親子の絆はあった。
俺は息が荒くなる。俺も殺される。まだ何も成し遂げていない。
父母が、「ハアハア」俺はどんどん息が荒くなる。
兵士が俺に剣を向ける。
「ごめんな、ガキ」
その声は同情をしているような声だった。そして兵士は剣を振り下ろした。
しかしその振り下ろされた剣は途中で止まり兵士は倒れた。体から血が溢れる。そして俺は顔を上げる。
そこにはメイド服を着た女性が立っていた。
その目は鋭かったが不思議と恐怖はしなかった。




