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30話 ”魔人化”それは欲望の塊である

美女が召喚した”あの方”は美女の目の前に降り立つ。


「やあ、クキ。私を呼ぶなんて何かあったのかな?」


美女の名前はクキと言うそうだ。彼らは話を続ける。


「は、あなた様のお探し物が見つかりました。」


彼女はメイを指差す。それをネイルはただ見ているだけだった。動けなかった。


彼の大きさに。いや別に身長も高くは無いし、魔力保有量もそこそこ、もしかしたらネイルより少ないくらいだ。


しかしなぜかネイルは彼の事を大きいと認識してしまった。


それは存在感なのか、もしくは彼の未知の実力に恐怖しているのか、それは分からなかったがとにかくネイルは動けなかった。


そして彼はメイを見る。そしてメイを彼を見ていた。メイは先ほどまで戦っていた大男を無視していた。


しかし大男もメイを無視していた。この場にいる皆の視線が彼いや”あの方”に集まる。


最初に攻撃を仕掛けたのはメイだった。それは最速の一撃。剣が彼を襲う。しかしそれを彼は容易く避けた。


それには魔力さえ使われていなかった。そこにあるのは技量、ただそれだけ。しかし彼の頬にかすり傷ができる。


そして大男がメイを殴る。しかしメイはピクリともしない。


そして


火炎の円(ファイヤーサークル)


大男は炎の膜に包まれそれがなくなった頃には燃え切った黒い塊になっていた。しかしまだ生き絶えていない。


これが魔神化の力なのだ。そして妖艶な美女は逃げようとするがそれをネイルに止められている。


そしてモニカは傷も体力も魔力も回復しこちらに向かっている。


”ダークナイト”の方が圧倒的に不利な状況、そう思われた。しかし”あの方が魔力を解放する。


それは禍々しいほど深く黒い魔力だった。それは人の大きな欲望により成せる技だった。



『魔人化』



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


”あの方”が薄気味悪い笑みを浮かべる。そしてその視線はメイの方を向いていた。


メイは彼に斬り掛かるが彼は何もしない。メイの攻撃を通らなかった。


しかしメイは何も驚きはせず、ただただ淡々と攻撃を続ける。彼の服や彼が持っているものは全て黒くなっていた。


そしていつの間にか彼は大怪我をしていた。一撃一撃は攻撃がなかなか入らずとも連続で攻撃すれば彼の体は脆かった。


彼はたまらず物理障壁を展開するが遅かった。メイは彼に大きな傷をつけた。


”あの方”の笑みはこの短時間でなくなっていた。彼は反撃する。


「即死魔法 ”デットエンド”!」


この魔法は古代魔法の一つであり相手を即死させる魔法だ。しかしこの魔法ができた時代に魔法障壁はなかった。


よってこの魔法は簡単に防げる。


彼はそんな単純な事を忘れるくらい焦っていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


美女は焦っていた。このネイルとかいう奴相当強い!それが彼女の感想だった。


そう本来ネイルはあのメイを誘拐した男にも圧倒的に勝てるぐらい強い。


しかし前回は精神的弱さが出てしまい負けてしまった。しかし今回はどうだろう。


その守るべき主が今は頼れる戦力だ。それは彼にとって心が平穏になる大きな要素だった。


彼女は美女の攻撃を簡単に避ける。そして美女は真逆に焦りまくり攻撃が当たらない。


この時点で勝敗が決していると言っても過言ではないがネイルは彼女を殺せない。


それはもちろん情報を抜き出す為だ。なので今ネイルは彼女の攻撃を避けることに専念し心を折れさせる作戦なのだ。


「降参するのなら命は助けてあげる」


「誰がそんなことしますか!」


しかしこの美女は今逃げることしか頭にない。


よって今は硬直状態である。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


大男は自分の体に回復魔法をかけた。そして起き上がり自分の状態を確認しようとする。


しかしその瞬間顔に蹴りを入れられる。彼はその事に反応できなかった。彼の顔を蹴ったのはモニカだった。


「何その顔〜w まじウケる」


大男の頭の中で何かがキレる音がした。その瞬間モニカの顔に何かが直撃した。それは大男の拳だった。


しかしモニカは踏みとどまる。


「はっはっは!あなたやっぱり最高!」


モニカは大男を殴り飛ばす。この華奢な体のどこにそんな力があるのか?


メイドたちはそう思ったがそんな事を口にすれば『お仕置き』されるのでもちろん言わない。


そして大男が起きようとするがモニカは大男の胸ぐらを掴み殴り続ける。その音はとても鈍い音だった。


先程の戦いではモニカが負けそいだったが今は立場が逆転した。大男の顔が腫れ上がる。


そして大男の抵抗はどんどん鈍くなる。そしてモニカは笑いながら殴り続ける。そして大男は気絶をした。


モニカは一息吐きメイドにこう命じる


「この男は拘束魔法で拘束しておけ」


「はい。わかりました」


メイドたちは文句も何も言わないで片付ける。そしたらメイドが一人こちらにやってくる。


それは今回は王宮の方に置いてきたメイドの一人であった。


「ほ、報告があります、、、」


息を切らし、肩で息をしている。モニカは一方的ななぶり、いや戦闘の後で疲れていたが報告を聞く。


「報告って?」


そしてモニカは報告を聞いた。

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