29話 ”実力”それは未知数なものでもある
妖艶な美女が最初にメイに対して攻撃を仕掛ける。メイはただ立っていた。
そして美女が剣を抜き斬りかかったがメイはそれを指で止めていた。美女の刀はピクリとも動かせなかった。
いや動かなかった。どんなに力を入れても、どんなに魔力を込めても。動かなかった。
メイは赤色の瞳で美女の動きを見据えていた。その視線は全てがわかっているようだった。
美女はその目線に気味悪さを感じ取った。
「まさか、ここまでだったなんて、、、」
美女は自然と口から言葉が漏れる。
美女は最初からメイの実力、いや『聖魔混合』についてある程度報告されていた。その力が規格外と言うことも。
しかしここまで圧倒的な実力差があるとは思ってはいなかった。
いい勝負になるだろう、彼女はそう言う認識だった。しかしそれは全て間違っていた。
今のところ美女はメイに対してかすり傷一つも付けられていない。
組織の中で戦闘特化ではない彼女でも少しプライドが傷つく。
しかしそこにはやはり、どうしようもない実力差がやはり存在していた。
そして彼女がとる選択肢は組織の方でも戦闘特化の”オデ”と合流すること。
しかしこの場から逃げることができるかはわからなかった。
そして彼女はメイの一瞬の隙をついてその場から逃走した。ものすごいスピードで。
しかしメイはゆっくり歩いて追ってきていた。その歩き方を彼女は知っていた。
それは圧倒的強者故の余裕である。しかし彼女にとってこれは好都合だ。彼女はされにスピードを上げる。
そしてメイたちが泊まっていたホテルの方向へ向かった。それをメイは追いかけた。
ネイルとフレアも美女の後を追いかけた。
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モニカはもはや動けるような体ではなかった。体には多数の切り傷があり、そのどれからも大量な血が流れている。
しかしこんなことでモニカが止まるはずが無かった。
大男は多数の切り傷はあるもその全ては魔力で血流を操作し血を止めていた。
もちろんそれには莫大な魔力量と精密な魔力コントロールが必要になるが彼はそれを天性の才能と『魔神化』による魔力によって成り立たせていた。
モニカは斬り込む。モニカは先程から大男の左腕のある一点を狙っているがそれも毎回受け止められていた。
大男は腕の皮膚が少し切れただけだ。そしてモニカは攻撃を仕掛けるたびにいい攻撃をもらっている。
モニカは口から血を吐く。しかし彼女には勝算があった。
しかしその為にはネイルかフレアがこちらにこなければならない。勝算はあったがその確率は結構低かった。
他のメイドたちも援護しようと思うが目で追うのがやっとだ。モニカは絶体絶命の状況だった。
しかしモニカは新たな四つの魔力反応を察知する。そのうちの一つはこの大男と同じ赤黒い魔力。
そしてもう一つの赤黒い魔力はこの二人と酷似しているが若干違う雰囲気があった。
そしてその魔力を大男も感じ取ったようでそちらの方に駆け出す。
モニカの周りにメイドたちが集まり回復魔法を使ったりしている。
そしてモニカは戦況を見守った。
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大男とメイは向かい合った。大男はメイに対し小さな恐怖心を抱いているがメイにとってはどうでも良いことだ。
大男は一瞬でメイの目の前に移動し右の拳をメイの鳩尾に入れようとする。
しかしメイはそれを華麗に避け彼の顔に蹴りをいれる。大男はたまらず後退りメイを鋭い眼光で見据える。
しかしメイはその視線にも怯まず魔法を発動させる。
「光の槍」
メイは無機質に言う。光の槍が大男を襲う。
大男は『創造魔法』で大きな鉈を作り出し光の槍を叩き落とす。
しかし攻撃はどんどん続き大男も対処ができなくなってきたいた。そして大男に攻撃が直撃する。
そして大男は倒れ込んだ。
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美女の作戦は大男とこの化け物を戦わせその間に自分は逃げると言う作戦だった。
しかし彼女が逃げ出そうとした方にはネイルが立っている。ネイルは彼女を逃さないつもりだ。
そして美女は先手を取る。先程の戦いでどちらが強いかはわかった。
ここでコイツを殺す!
そう美女が思った刹那、ネイルの拳が美女の頬に直撃した。そしてネイルはどんどん攻撃をする。
初手で対応できなかった美女は殴られ続ける。そこで美女は防ごうとするのをやめた。
ネイルが拳を振り切った瞬間カウンターに出たのだ。しかしネイルはそれを簡単に避ける先程の戦いでは考えられない。
実力は圧倒的に美女の方が高かったはずなのだ。しかしそれは大きな勘違いだった。
先程の戦いネイルは手を少し抜いていたのだ。理由はネイル本人しかわからないがその事実は美女もわかった。
そして美女はキレる。
空中に大きな魔法陣を展開した。この魔術式は召喚魔法に似ていたがそのことはネイルには分からなかった。
わかるのはリンぐらいだろう。ネイルは大きな魔法を警戒し魔法障壁を発動させた。
そしてある人物が召喚される。その人物は前回のように偽者でもなく魔物でもない。
それは”あの方”だった。




