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02話 ”側近”それは変態である

私は緊急事態と聞いてメイドの後を追った。


その緊急の内容とは男子禁制の後宮にどこかの男爵が不法侵入したらしい。ちょっとこれはまずい。


まず後宮とはなんなのか。普通なら皇帝の奥さんやその子供が小さい時に住む場所だ。


今の帝国の場合は記録上、皇帝が女性な為、皇帝の住処でもある。しかしその皇帝はいないわけだ。


それではなんなのか?


それはもちろん私たちメイドたちの本拠地である。とにかく本当の後宮の情報を知られたらまずい。


なんとか止めないと。その為私が出向くことになったのだ。


メイドの説明によると、大人数のメイドが男爵を止めようとするが、男爵は静止も聞かずにジリジリと進んでいるらしい。


全く困ったもんだ。


それと男爵から酒の匂いがしたとか。まさかこんな真っ昼間から酒を飲んでいたのだろうか?


もしくは侵入したのを酒のせいにする為の保険か、、、とにかく出てもらわなければ。


と言う感じで私たちは走って後宮へ移動している。まだ男爵は後宮の入り口らへんにいるだろう。


だがもしそれ以上踏み込んだら”殺”さなければならないだろう。


しかし、しょうがないな。


そん物騒な事を考えながら走っていると、急に胸を揉まれた。


ちなみに私のはまだ成長の余地あり。大きさは普通よりちょい大きめだ。まだ15歳だからね。


しかし私の背中に当たる感触。これは大物だ。私は唾を呑む。


こんなにアレが大物で私の胸を触る度胸があるやつを私は一人しか知らない。


「ネイル。なんなの?自分の胸と私の胸を触って優越感を味わいたいの?」


少し私はキレ気味の演技で言う。


しかし私は自分の言葉を否定する。そんなわけない。


ネイルがそんな事を思うわけない。


なぜならこのやり取りはこれまで何万回もしているからだ。


「そんなわけありませんよ。この世で一番私が愛しているメイ様を守る為なら肉親も祖父母も殺せますから。」


うん。とっても”クール”だ。私の演技にも動揺しない。


なぜなら私も本心で言っていないからだ。長い付き合いなので分かるのだろう。


私はネイルとの会話を続ける。いつの間にか走っていた足は止まっていた。


「ネイル、私がこの世で一番可愛いのは事実だけど親は大切にしなよ、、、」


「自分で言うんですか、、、ですが、私の肉親なんてクソです。」


「お、おう」


うーむやはり結構尖った考えだ。


でも私もこの世で一番価値がある命は私だと思っているからそんなに言えないけど。


ちなみにこの子は私の側近である。


光り輝くような鮮やかな銀髪で少し長いショートカットに空のように吸い込まれる程の青い瞳。


パッと見クールでモテまくりだがこの子は結構尖った”同性愛好者”だ。


いや別にいいよ?でも少し度が過ぎるというか、、、まあしょうがない。色々な人がいる、それで終わり!


そして私を案内していたメイドが何か言いたそうな目で見ている。あ、後宮!まずい急がないと。


「急ぎの用ですか?」


ネイルが何か探るような感じで質問をする。


「そうなんだよ。後宮に貴族が侵入して、」


私が喋り終わる前に私は持ち上げられていた。私の身長は平均より少し低いぐらいだ。少しね少し。


低いわけではない。低くないよ!(本当は結構低い)


そんな私を軽々持ち上げるなんて。さすがメイド長候補。


「私が運びます」


ネイルが少し呼吸を荒あげて言う。これ絶対に重くてとかじゃなくて興奮、、、


『ゾク!』


私は背中に悪寒が走ったが、今は緊急なため抵抗せずに運んでもらうことにした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


私が後宮の入り口についた時には大変なことになっていた。


侵入しようとする貴族を説得して阻もうとするメイド達。


なんとか男爵を静止しようとする貴族達。


そしてどのような障害があろうと侵入しようとする男爵。


ああー面倒だ。


男爵たちは立場は低いのにプライドだけはあるから説得が難しいのだ。


ましては自分より立場が低いメイドの言葉なんて従わないだろう。


しかし違和感がある。プライドが高いからといって皇帝のお膝元の後宮にこんなに頑固に侵入しようと思うのか?


こんなに固い決意で、、、


やはり裏があるのか?そして私はそこに踏み込んではならぬ底知れぬ闇?を感じたが今は考えないことにしようと思った。


私はなんとか男爵を説得しようと話しかける。


「ニリミアン様」ニリミアンはこの男爵の家名である。


「ここは皇帝陛下のお住まいでもある後宮です。今回は手を引いていると助かるので」


「黙れ!」


私の言葉を遮って男爵は叫んだ。そして何かに怯えているようだった。


「私は、なにがあっても後宮に入らねばならんのだ!」


男爵は目を開いていう。やはり何かに怯えているようだ。


「ここを通せ!」男爵は声を荒げる。


「それに身分の低いメイドが貴族である私に話しかけるとは無礼だぞ!」


やはり変にプライドは高いようだ。もう、ここは皇帝さんに任せるしかないかな。


そんな事を思っていたら「二ミリアン殿」


声はそんなに大きくないがなぜかこの場に響き渡るような力強さがあった。


この声の主は「あ、あなたはゲル宰相殿!!」男爵が震えながら驚きの声をあげる。


宰相さん、皇帝との謁見が終わったのか。なんとかこの場の収束がつきそうだ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


予期せぬ形だったが宰相には助けられた。この男爵にはどのような形かはわからないが罰が降りるだろう。


しかし何をしたかったのだろう?このようなことをやっても男爵にはなにも得をしないと思うが、、、


まさか男爵は道具?


今回私たちメイドは全力で男爵を止めようとした。


そのことで皆、後宮には何かあると言うことは、心の奥底で感じ取ったと思う。


つまり後宮に何かがあるのか、ないのかを確認したかったのか?


いやまさか、私は自分の考えを否定する。確信を持てなかったからだ。


しかし少し調べる必要があるのかもしれない、、、

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