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25話 ”検索”それは根気が必要である

私たちは今日も資料探しに専念している。もうここに来て一週間ぐらい経っているのだが、まだそれらしい物は見つからない。


うーんもしかしたら無いかもしれないし諦めた方がいいのかも知らない、と思っていたその時だった。


「メイ様」


私は後ろを振り返る。


「なんだ、ネイルか。」


私はホッとする。


「ビックリさせないでくれよ〜」


ネイルは手に一冊の古びた本を持っていた。


「その本は?」


私はすかさず聞く。


「この本は賢者マーレの冒険日記です。」


「あの有名な賢者マーレの冒険日記の絵本か」


有名な本だ。皆小さい時に絵本で読んだりするくらいに。確かドラゴンを倒したり魔神を倒したりみたいな内容だったはずだ。


「これはその絵本の内容がさらに詳しく書いてある本なのですがここにメイ様の”赤黒い魔力”についての内容が書いてあるのです。」


「詳しく。」


私はフレアも連れてきてその本をめくった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


『かつて中央大陸、ヨルグラシアに賢者と呼ばれる一人の人間がいた。彼の名前はマーレ。


人々を助けるのが神が彼に与えた使命だった。その為に彼はまず人々の田畑を荒らすドラゴンと戦った。


彼は最初は苦戦したが神が途中で彼に最強の武具である神器”ガルド・ソードを与えた。


それにより彼はドラゴンに勝利することができた。しかし大きすぎる力には代償が必要だった。それは悪の心に打ち勝つこと。彼はなんとか悟りを開くことができた。


そして彼は世界中にその名が知れ渡り様々な国から勧誘が来たが彼はその全てを断りまた旅に出た。


また人々を救うために。そして彼は数名の冒険仲間を得た。


そして彼は魔王と決闘することになった


〜中略〜


そして彼は50年間旅を続けた。しかし試練は最後に待っていた。


彼の仲間の一人が急に”赤黒い魔力”に包まれたのだ。そしてその赤黒い魔力がなくなり見えるようになっていた頃には彼は”魔神化”していた。


マーレは彼と戦った。そして彼の最後の願いは”殺してくれ”だった。


そして賢者は一人になった。戦いに巻き込まれ違う仲間も皆死んでしまったのである。


しかし彼は歩みを止めなかった。


その先に人々が安心して暮らせる未来があると信じて。』


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


私たちは読み終えて衝撃した。なぜなら賢者の絵本には仲間が魔神化した事実などなくただただ悪い魔神を倒したとしか書かれていなかったからだ。


しかし私はそれ以上に驚いたことがあった。


「赤黒い魔力に包まれ魔神化?つまり私の変身は魔神化なの?」


私は震える声でいう。


「それが少し違うのよね」


私たちは後ろを振り返る。そこには妖艶な美女が立っていた。


「私たちに何かようですか?」


私は質問する。


「いえ、間違いを指摘して差し上げているだけですわ。あなたの変身は魔神化では無いですもの?」


なぜそれを!?ネイルが私を下げさす。


「魔神化とはこういうことよ!」


美女が叫んだその瞬間赤黒い魔力が解放され図書館は吹き飛んだ。


「あわわわ」


私は吹き飛ばされたが私はネイルが担ぐ。


「無事ですか?」


「あ、うん。フレアは大丈夫か!?」


「はい。問題ありません」


そして美女の魔力はさらに高まっていく。ネイルがクナイを投げる。しかし美女の体に届く前にクナイは落ちる。


物理障壁だ。


そして落ちたクイナを美女が浮かしこちらに飛ばしてくる。しかしネイルは全て剣でクナイを落とす。


フレアは物理障壁だ。


く、こんな時私の力が解放されれば。


しかし私の力は解放されなかった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ホテルの自室でモニカは紅茶を飲んでいた。しかしその時外で気になる魔力を感知した。


そちらの方にモニカは行こうとするがこちらにも何かが近づいて来ていた。足音はどんどん大きくなっていく。


そしてこの部屋の前で足音は止まった。そしてドアが吹き飛ばされドアと共に大きな手がモニカに近づく。


しかし彼女はそれを華麗に避ける。そしてそれは壁に激突した。それが口を開く。


「オデ、ハズシタ?」


モニカはその人間を見たことなかった。


「その方何者だ?」


彼女は”ジョン・ガルトリア”の喋り方で話しかける。”それ”は答える。


「オデ、オマエコロス。ソレガ、オデノシゴト。」


そして彼は蹴りを繰り出す。それは常人なら足を動かした事さえもわからないスピードである。


しかし、モニカはその蹴りをいとも簡単に避けた。彼女からしたらこの程度の蹴りは避けるのは分けないのである。


しかし彼はどんどん攻撃を繰り出す。


だが彼女は避ける。


避ける。


避ける!


彼の攻撃は彼女の服にさえも掠りもしなかった。それほどまでの圧倒的な技量の差が彼と彼女の間には存在していた。


彼は呼吸が少し乱れて来ているが彼女はそれとは正反対に呼吸を少しも乱していなかった。


このまま続けば勝敗は決まったような物だろう。


このまま続けば。


彼はまだ赤黒い魔力を解放していなかった。そして彼女は彼がこれから強くなる事を想定していなかった。


少しずつ戦況が変わっていく。

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