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11話 ”ウェル”それは圧倒的強者である

私は執務室から防壁を見下ろしていた。今が夜な為ちょうど奴らが攻めてくる時間なのだ。しかし敵にこちらがそっちの作戦に気づいていないように見せるため何人かのメイド達にはいつも通りの業務をやらせている。


これで奴らはまんまと、罠にハマるだろう。だろう、、、


まあとにかく私は奴らが罠にハマることを見越して行動しなくてはならない。そして執務室の廊下で何者かが走る音が聞こえる。この足音から推測するに結構な武術の腕前だと言えるだろう。なんてわかる訳がない。それっぽいことを言ってみただけだが果たして誰だろう。そして部屋の外からノックが聞こえる。


「失礼します」


この銀髪ショートカットで青い眼でクールな雰囲気を纏っている人間を私は一人しか知らない。正解はネイルだ。しかしあんなに慌てるなんて何かあったのだろうか?ネイルが私が私が質問するより早くに喋る。


「メイ様。奴らの動きを防壁の外で確認しました。」


「わかった。それでは予定通り例のポイントに誘導開始。」


「わかりました」


ネイルは足早に部屋を出ていった。彼女が私に引っ付かなずに部屋を出ていくなど珍しいこともあるものだ。私は少し感慨深くなっていた。


そして直後に外壁から爆発音が聞こえた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


彼らが外壁を破壊したのは騎士達の意識を外壁とその近くにある後宮に向ける為だった。そうすれば奴らメイドは思い切り戦えない。上手く策を成功させた。そう確信した。


しかしそうはならなかった。他の騎士団を近衛騎士団が止めているのだ。こんな偶然があるだろうか?否、ここでは近衛騎士団も奴らに与していると考えるのが普通である。


それにこの迅速な対応。こちらの情報が漏れている?その可能性が出てきた。しかしもう後戻りはできない。彼らには進むという道しか残されていなかった。


彼らは途中で別れメイというメイド長を探す。彼女を殺せば今回の目標を達成できたと言っても過言ではないだろう。しかしその障害になる者も殺さなければならない。


今回の任務のハードルは彼らが思っている以上に高かった。


彼らはまだそのことを知らない。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


彼は後宮内に侵入し廊下を走っていた。壁は豪華に飾られており細かいところまでこだわり作られていることが伺える。そんな廊下を彼は無造作に走っていた。今回の任務はメイド長の名とかいう女を殺せば任務が完了する。


そんな感じの甘い認識を今回彼はこの任務に対しての評価をしていた。しかし油断をしているわけではない。今この瞬間、彼が奇襲されたとしても彼は迅速に対応できるだろう。彼はそのくらいの高い実力を持っていた。しかし戦わないに越したことはない。


そのため彼は高速でこの廊下を走っているのだ。しかしその瞬間とても濃密度の魔力を感じ取った。このまま進めば彼とその魔力生命体は接触するだろう。


しかし何も問題はない。障害があれば倒すだけだ。と彼は考えながらその魔力生命体と接触した。それは女だった。まだ10代くらいだろうか。とにかく自分より年下ということだけはわかった。


それともう一つ分かったのは彼女の髪が赤いということ。それだけだった。


彼はそんな少女が大太刀を片手で持っていることに違和感を感じることができなかった。そしたら彼女が彼に話しかける。


「お前達は今侵入している。なので、、殲滅する。」


彼はこいつバカか?と思ったが口には出さないことにした。わざわざ自分から火に油を注ぐようなことはしない方がいいと彼は本能で感じ取った。


その瞬間彼女がこちらに切り掛かっていた。彼の体に多数の切り傷ができる。今少しでも反応できなければ彼は切り刻まれていただろう。


彼は一旦彼女と距離を取ろうとする。しかし彼女が迫ってくる。そして彼は作戦を変えた。その瞬間彼は彼女に背を向けて走っていたがその瞬間突然向きを変え彼女の方に向いた。そしてナイフ懐から出す。


そうこれは一種のカウンターだ。彼女は少し驚いたような顔をしてなんとか踏みとどまろうとしたが遅かった。彼女の腹部にナイフが突き刺さる、ハズだった。


ダメージが入ったのは、彼女ではなくナイフの方だった。ナイフは綺麗に上下半分で折れ”カラン”と音を立てながら床に転がった。そして彼はその事実にただただ驚愕した。


彼と目の前の少女には圧倒的な実力差があったのだ。


彼の敗北は彼女を相手にした時にはもう決まっていたのだ。


彼は恐れた。その実力に。そしてその若さでその強さを手に入れた彼女に嫉妬心を抱いた。それが最後に残った彼の感情だった。そして少女がゆっくりと剣を持っている手を振りかぶって彼に言い放つ。


「あなた結構悪くなかったぞ」


その次の瞬間彼の体は上下に切り離された。そして彼は死ぬ直前に気づいた。


彼女が最初にいた地点にたくさんの仲間の死体が転がっていることに。


そして彼はその死体の仲間入りをした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


私はネイルの報告を聞きながら執務室で戦況を把握している。私が近衛騎士団隊長のソウエイに命令した内容は後宮に周りや王宮そして破壊された防壁のところに他の騎士団を近づけさせないでほしい、という内容だ。


もし近くに何も知らない騎士団がいたら私たちは本気で戦えないからね。そしてやはりウェルは強い。あいつ一人で数人の敵の精鋭を開始早々葬っているらしい。奥に控えさせていたメイド達が死体処理にされる始末だ。


さてもう一方の方の戦況はどうなっているかな?

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感想+質問失礼します この文量を毎日投稿、 ものすごく大変だと思います。 なのに、内容やキャラ,ストーリー などなどすごく面白くて わかりやすいので毎日「尊敬するな」 と思いながら読んでいます。 1…
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