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09話 "メイド長"それは個性的である

例の組織が私たちを襲撃するまで残り5日。私たちも内密に作戦に向けて準備をしている。まずは相手が後宮に攻め込んでくるルートだ。ここをハッキリさせないとこちらがどのように配置していいかがわからない。


これは諜報部に探ってもらうとしよう。私はネイルと共に敵の動きを予想している。まず後宮の構造を説明しよう。まず後宮の外からの正規の入り口は存在しない。食べ物や衣服などなどの物質は全て王宮を通すことになっている。表向きはね。


本当はこの帝都には地下道が張り巡らされていて、帝都の外のナフサという街に地下道の入り口がある。ちなみにそこはメイドカフェだったりする。


まあ一回その事は置いといて建物の構造は1階と2階別れている。1階から2階に上がる階段は4つある。


まずは王宮と後宮の連絡通路から入った所。そして残りは適当に設置されている。


それと王宮と後宮の周りには一応防壁が張り巡らされている。しかし身体強化や魔法を使えば乗り越えられないわけでもない。それに男子禁制の後宮にはもちろん兵士などいる筈がない。潜入しようとすれば思ったより簡単にできるのかもしれない。


まあ潜入したら私たちが密かにお仕置きするだけだけどね。私は戦闘していないけど、、、


そんな事より作戦当日の人員の配置を考えたい。まず今メイドの中で一番下の階級である見習いは人数が200人だ。前言ったメイド200人はメイドの階級の人物だけという意味なので総数ではない。


そしてその見習い200人は国内や国外はたまた違う大陸で諜報活動を行っている。


見習いたちは全ては一応メイド長 ”放浪”のエイカの配下ということになっている。他の部と比べると人数は圧倒的だ。ちなみに私の部の名前は運営部だ。人数は私とネイルそしてもう一人の3人で成り立っている。


多分一番人数が少ない部だと思う。だから激務なのだ。そしてリンの部は魔法魔術研究・技術開発部だ。リンは魔法や魔術以外にも幅広い知識を持っているためたまにその技術を貸してもらったりしている。そこに10人くらい。


そしてウェルがメイド長の戦闘部は約40名ほど。あとは二つほど部があるがその二つの部は今回の作戦では直接は関わらないため今回はいいだろう。今回戦闘で使えるのはメイドという組織に所属する人数全員合わせて約100名ほど。そのほとんどが皆戦闘ができる。なので城壁で正面から向かい合ってもいいのだが、やはり目撃はされたくはないため後宮の中で相手どるかアイツらの本拠地に攻め込む、の2択だ。


私としては戦いの後の費用とかを考えると外で戦ってほしいが流石にここに運営の事情を挟むのは戦闘をする人たちに悪いから、今回は後宮で思いっきり戦ってもらおう。


財政的にきついけどまあ貴族から金を取って工事をさせるとしよう。


大義名分は、、、今度考えるようにしよう。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ネイルこと彼女は彼女の主人を溺愛していた。それは恋愛ではなく自身の命より大事にすべきだという、超絶な過保護からその感情は成り立っていた。


しかし彼女はメイと会うまでは誰に対してもそっけなく一人の個人と仲が深まる事はなかった。あの日までは。


あの日。たくさんの人が死んだ日。あの人が死んだ日。心が潰れそうになったあの日。


助けてくれたのはメイだった。メイはネイルと全く接点がなかったが一人で孤独感に押し潰れされそうなネイルに声をかけた。そして一緒にご飯を食べた。ただそれだけでネイルは救われた気がした。


ネイルはその時からこの主人を守っていくと誓った。しかし普通に考えると一回助けてもらっただけでこの恩返しは過剰ではないのか?と思うかもしれない。もちろんその通りだ。


しかしネイルがメイに仕えるのはそれだけではない。何せメイはとある才能があるのだから。それも本人が気づいていない才能が。


そんな彼女を見守り続けるのがネイルと師匠の使命なのだから。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


私は今、後宮にある会議室に足を運んでいる。なぜかって?


それはメイド長たちが顔を合わせ会議をするからだ。もちろん議題はあの組織のこと。そしてこれからの帝国の軍事行動。などなどやる事がいっぱいである。しかし久しぶりにメイド長のみんなと顔を合わせることになる。


特にエイカとは一年振りだしね。私は軽い足取りで会議室に向かった。会議室にいたメイド長は私、ウェルとあともう一人フレアだけだった。


フレア、彼女は私と同じように裏方のような仕事を任される事が多いがもちろん戦闘もできる。多分一番の常識人で一番要領が良い。髪の色はアジサイのように薄い紫の髪をしている。目も同じような色だ。


彼女の二つ名は”常人”。


メイド長 ”常人”のフレアだ。


私はまず部屋に入って一番に思った疑問を口に出した。


「他のメイド長のみんなは?」


この部屋に今メイド長以外の人物が3人もいる。それは今この場にいないメイド長の人数と一致するのだ。一人のメイドが口を開く。この質問をまるで予習してきたように。


「私たち3人は今回この場にいらっしゃらない3人のメイド長の代理で来ています。」


来ていないのはリンとエイカ、モニカの3人だ。


私はあの3人ならしょうがないと割り切って会議を進めた。

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