閑話~妖精女王と聖女の日常~
…閑話その1です。
~エルフの国、女王の寝室~
「いたた…」
「『ライト・ヒール』…今度はどこが痛むのですか?」
「腕かな…痣になるぐらいの強さね…」
日はとっくに頭上高く上がっている。普段であれば、執務室で女王として問題を処理しているライラ・ン・ポルンだったが、寝室で体だけを起こして、書類を見ていた。
彼女の護衛であるウィスが痛みを訴えている部分を見る。今回は軽く痛みだけのようなので、LPの減少に繋がったりはしていない。それでも、回復魔法で主の表情が和らいでいく。
「ありがとう。もう大丈夫よ。」
「全く、あの男は何をしているんだか…」
「分からないわ。深い傷を負ったり、夜な夜な楽しんだり…しているのは間違いないみたい。完全に向こうのペースに引っ張られちゃってるし…私もおかげさまで、寝られない夜ばかりだわ…」
抗議の念を送ろうかと思ったライラは、足に走る鋭い痛みに顔を顰め、思いが霧散する。
ライラが寝室から動けない理由、それは護にあった。護側の死闘にライラは一度、正確には二度、死の縁を彷徨っていた。かつて、ライラが死に瀕した時に護が痛みを感じて、駆けつけたように、護側のダメージがライラへと伝わったのだ。
ウィスやトップクラスの治癒魔法使いが傍に控えていたことで、一命を取り留めたものの、常時痛みが襲うような状態は改善できていない。
…『忍耐』と『不屈』が発現したことで、実のところ、痛みに対して耐性がつきつつあり、動こうと思えば動ける。しかし、これまでの経緯から寝室でいることを治癒魔法使いに言いつけられて動けないでいた。
「もう少しで、何か扉を開けそうなんだけどねぇ…」
「扉?ライラ様、呪具を外された方がよろしいのではないでしょうか。近々、貴族会議もあります。貴方にとって重要な転換期になります。痛みでろくな集中ができない状態で挑むつもりですか。」
「そのための、扉よ。」
ライラはウィスから冷めた態度を受けて、視線を逸らした。
貴族会議。ライラが治める国の貴族を一同に集めて、王としての方針、これからの展望を決めるための会議、いやパーティーだ。名誉公爵も含めた公爵から一番下の階級である準男爵までが集まるため、重要な顔合わせの場であり、民からすれば、彼らを相手にした商売チャンスの場でもある。
規模は万単位で、今回は獣人たちを退けた戦勝祝いも含まれている。過去でも数を競うほどの大事になるに違いない。既に、宰相とその息子は各方面の調整で多忙を極めており、それに従事する部下たちも、ゾンビ状態一歩手前だ。
「彼らの躾をあいつに任せてよかったのでしょうか?」
「まぁ、悪いことにはなってなさそうね。奴隷の契約ができない以上、食べ物での餌付けと欲の制御は、彼に一任するしかないわ。…本人は凄い嫌そうにしてたけど、流石、守銭奴ね。」
獣人との戦争の戦後処理はまだ終わっていない。犠牲者の遺族への補償も、戦争で活躍した貴族と軍部への王家からの報酬も全てを払い切れていない。
何より、護が残した獣人たちについて、とある元奴隷商の男エルフに任せている。それにかかる費用も一個人に渡す金額としては莫大なものとなっており、頭痛の元になるほどだ。そのおかげで、死刑を避けられない獣人を生かし、教育を施して戦力にしようとしている事実もあり、これからどうなるかを占う一つの指標として、ライラは期待していた。
また、ライラはむやみな殺生は望まないため、ホッとしているが…ウィスたちの表情は固い。
「大分放出した宝物庫を一体、どうやって補填するつもりなのですか?」
「完全に平和になった後よ。まぁ、私が女王をやめてから誰かがどうにかするんじゃない?」
「その前に腐敗すると思いますよ。」
痛くはないが、涙が出てきそうだ。現状、アザレアを使って、公爵と伯爵を調べてもらっている途中だが、まともな領主も居れば、賄賂に恐喝といった不正を働いている者もいる。数が多いので、貴族会議に間に合うかどうかだが、ライラは一通りの情報を揃えて決断するつもりだった。
今手元にある書類をパラパラとめくり、とある書簡にサインする。それをウィスに渡した。
「よろしいのですか?」
「そいつらは酷いわ。悪影響になるし、今のうちに監査を入れて、敵にしておきたいの。」
「派閥を組まれると厄介ですよ?」
「ハニートラップにひっかりそうな小悪党と間者も入れてある。メインで潰すのは手足ね。尻尾を全く出さない貴族は今回スルー。手ごわい奴らを潰すのは骨が折れるのよねぇ。いつか潰すのが正解なんだろうけど、今は労力が足りないわ。」
目に見えて好き勝手やっている貴族から媚びられたくない。明らかにそいつらを想像してうんざりしているライラを置いて、ウィスが召使を呼ぶ。先ほどライラがサインした書類をアザレアの部下に手渡すように頼むと、召使は部屋を後にした。
ライラは視線を外に送る。雪はほとんど降らないエルフの国では晴天となっていた。さんさんと照りつける日光に目を細くする。
「ねぇ、ウィス」
「どうかしたのですか?」
「マモル君についていくのが正解だったのかしら。向こうは向こうで大変なんでしょうけど、少しメイアさんたちのことが妬けるわ。」
「さぁ?ライラ様をずっと傍に置きたいと思っていたら、国から連れ出しているでしょうね。そんなことをしなかったのは、ライラ様のことを妄信的に、愛していないからではないでしょうか。」
「それは…辛辣と言った方がいいかしら…」
ウィスはため息を吐きながら、続きを言った。
「まぁ、貴方を連れだして動くというのが現実的でありません。十中八九、他の同族とは関係がこじれるどころか争いになりますし、象徴が急にいなくなるのは混乱か戦乱を招きます。ただでさえ、情勢が不安定な一面を見せ続けているのはライラ様が一番よく分かっておられると思います。」
「マモル君、寂しくないのかしら?」
「あぁ。数日だけありましたね、そんなことが。でも、もうないのでしょう?おそらくですが、ライラ様を想ってのことではないと思われます。メイアさんたちと何かがあり、それを乗り越えた。それだけでしょう。…ライラ様、それ以上あの男に関して悩みを言うのであれば、医者と代わりますよ。」
「彼女が苦手なのよ。」
ウィスがげんなりと身体の力を抜きつつも、ライラを黙らせる。
最近、愚痴が増えたのは、護とメイアたちの関係に変化が訪れたからだろうと、ウィスは考えている。あのちぐはぐな男が男らしい行動をとったことについて、苛立ちを覚えないことはないが、ライラに延々と聞かされてくると、呆れや面倒くさいと思ってしまう。
ちなみに、医者の方がかなり毒舌なので、ライラは苦手としているようだ。
「ライラ様、ウィス様、ヴィルシェ名誉公爵がお越しになっております。部屋にお通ししますか?」
「通してあげて。」
「畏まりました。」
ニースメンドが入ってくる。手にわざわざどっしり壁のような書類の束を抱えていた。
「失礼する。頼まれた書類に全て目を通した。問題になるような点はほとんど見られなかった。あったとしても赤のインクで訂正してある。最終確認はそちらでしてくれ。」
「ご苦労様。大変だったでしょ、これ。」
「女王様の苦労に比べると、私がしたことは百分の一ほどの苦労だ。冒険者ギルドからの報告も預かっている。これはどこにおいておけばいい?」
「少し待って、『アイテムボックス』と……仕舞い終わったわ。出してちょうだい。」
「簡単に説明しておくと、魔物の数と強さは例年通りに戻ったようだ。中層で、縄張り争いが起こったというイレギュラーがあったものの、黄ランクの人族の冒険者が対処して、終結したらしい。」
冒険者ギルドからの報告書を受け取ったライラは、ニースメンドに尋ねる。
「確かに受け取ったわ。それでなんだけど、チュリさんの調子はどう?」
「安定している。最近は趣味の方の園芸もかなり捗っているようだ。…それでも、フラッシュバックに苦しんでいる時はやはりなくならないみたいだ。魔法の制御はかなりぶれが生じているようだし、剣はまだまだ振るえる状態ではない。」
「ちょっと、彼女の負担になるようなことをさせているのかしら?」
「いや、チュリ本人から聞いた話だ。彼女にとって、名誉公爵の職務は切り取れないほどに、彼女と結びついている。私たちが止めようとしても、止められないのはしょうがないだろう。」
「いざという時に止めさせられる人員は割いているのでしょうね?」
「当然だ。それに、アザレアも職務の合間を縫って、チュリの元に訪れているようだし、彼女と縁がある者たちにお見舞いを頼んでいる。心配はいらない。」
「そう…」
ニースメンドは退出しようとして、不意に足を止める。ライラの方へと振り返り、黒い瞳で彼女の顔をまじまじと見た。
「やはり、彼は困難に立ち向かい続けているのか?」
「そうみたいね。痛みが無くならない日は永遠にこないかもしれないと思っているぐらいよ。だからって、この魔道具を手放すつもりはないわよ。」
「彼が死んだら、女王様も死ぬ可能性が高いんだぞ。」
「はっきり言ってくれるわね。一緒に死ねるなら本望…と言いたいけど、彼はしぶといから、それはないわね。私が闇討ちされて死んで、彼を巻き添えにしてしまうかも。そっちを気をつけた方が、彼が死なないように祈るよりよっぽどできることね。」
ドヤ顔で断言された。ニースメンドの視線がウィス以上に死んでいく。
ニースメンドとウィスの中で、同じ認識を共有した。互いにため息を吐いて、ニースメンドは部屋を出ていく。
「ちょ、ちょっと、何、その二人だけの空間は!?そういう仲だったの!?」
ライラの勘繰りを丁寧に躱し、ウィスが彼女に説教し始める。宰相が入ってくるまで、姉妹のように喧嘩する二人がいたのだとか。
~アスタイト王国・リヒト教会~
「この時期に来るなんて、暇人だな。こっちはこっちで忙しいというのに、一体何の用だ?」
「酷い言い方だと思いますの。こちらだって、野蛮人にはお会いしたくなくってよ。」
リヒト教会にやってきた来訪者の歳は、三十代に見えた。フードを下ろし、その端麗な風貌に緑の瞳と赤茶色の髪が比較的綺麗どころが揃っており、慣れている教会関係者でも、その目を引いていた。
また、旅人のコートを羽織り、風で靡く度に威圧感を放つ装備がちらほらと見えてくる。何より、一目みただけで鳥肌を立たせる剣は歴戦の騎士たちでも、警戒心を煽るものだった。
そんな旅人とナヒーリヤが互いに嫌そうにやり取りをし、一触即発でいるのである。周りは「ケレスさんを呼んで来い!!」とか、「副団長はどこ?あの人いないと誰も抑えられないわよ!!」とか、いつでも取り押さえられるように、足取りが忙しい。
当の本人たちは、そんな周りを無視したまま、言い合いを続ける。
「あのクズ野郎は失脚させてきたんだよな?」
「ええ。あの変態を指しているなら間違ってなくてよ。全く、神に仕える者として恥ずかしい。流石の教皇も重い腰をあげて、処罰しましたわ。あんなクズを育てた枢機卿も当然しめてきましたわ。あなたと同じ意見になるのは、これぐらいでしょう?」
「間違いない。それで、それを報告しに来ただけじゃないだろう。連邦への遠征は冬明けに考えている。あの道は冬の間、一部の人間しか踏破できない魔境に変貌するだろ。それこそ、俺とお前みたいな奴らだけだ。なぁ、聖女、さ、ま?」
通称『対魔物殲滅兵器』、『魔物絶対逃がさない系聖女』などなど…普通の人の感性なら突っ込みどころか拒否したくなるようなあだ名をつけられようとも、魔物ではないか教皇を侮辱しない限りは、原則力を振るわず、ニコニコと笑顔を浮かべる女性であり、ナヒーリヤと同じ職〈聖女〉として、魔物を殲滅する対魔物のスペシャリスト。
彼女は北の連邦、その中枢である都、バース・ヴィヴァル・ノイスタルトにある教会の総本山を拠点しており、ナヒーリヤとは共に戦う戦友であり、ライバル。
そして、その名は…
「私にはヴァセリアン・アデン・レマンクロスという名がありましてよ。ずっと、リアンと呼ぶように言っているではないですか野蛮人。」
「あのなぁ、俺のこともリヤでいいと言ったよな?お前、いつになったら野蛮人からリヤに変わるんだよ?野蛮人って言い続けるなら、こっちも言うつもりはない。」
「だから、野蛮人は…」
「おい。言った傍から、野蛮人っていう奴がいるかよ…ちっ、話が進まねぇか。で、クズ野郎の話は確かに楽しめたが本編は?」
「春先の遠征は見送ってほしいのですわ。」
意外な提案に首を傾げる。北の連邦は常時、ゴブリン、コボルトといった亜人族との戦闘に明け暮れている。人族のその先、上級人族である教皇があの場所にいるのはそれなりの理由があった。亜人族は知能が高く、一進一退の攻防が繰り広げられる。特に、聖女たちが戦わなければいけない赤ランクの英雄たちは一線を画した戦闘力を持っており、それに対抗できるナヒーリヤたちの実力は重宝されていた。…ナヒーリヤも教皇の頼みやレベルを上げられる遠征先として、かなり重宝している。
まさか、終戦したのかと、ナヒーリヤはヴァセリアンに尋ねると、彼女は首を振った。
「終戦はしてなくてよ。停戦だそうですわ。ゴブリンの王、ン・ドドトルカ・バ・オオワマラが崩御したらしいのですの。それで、今、亜人族連合はゴブリンたちで起こっている内乱の対処で一杯らしいのですの。それで、好機と喜びましたわ。あいつが現れるまではですけどね。」
「ああ、ゴブリンの始祖と呼ばれる、ン・バ・モセか。教皇と同等っていう…教皇も出陣したんだろう?」
始祖と呼ばれるのは、それほど長い年月を生き、そして、王を超える実力者であるからだ。その実力は勇者や賢者、教皇といった面々と対等であり、ナヒーリヤたちですら、戦闘を許されない。『歩く災害』や『最強のゴブリン』と言われている。
普段は静観しているそいつだが、流石に内乱中は出てくるらしい。そして、その時のことをヴァセリアンは話し始めた。
「教皇相手にシンプルでしたわ。『停戦がしたい。もし、攻撃してくるつもりなら、問答無用で俺が率いた軍勢で叩き潰す。』と。有無を言わさない圧力にほとんどの兵士がやられてしまって、大変でしたの。教皇はその要件を飲みましたわ。」
「…『威圧』を受けての気絶ならマシだろうよ。で、今、絶賛停戦中だから、遠征に来られても困るってか。魔の森方面があるだろう。開拓が進んでいないと聞いたぞ。」
「入れないことはないのですの。ただ…こちらはこちらでドラゴンが活発に動きまわっているようで…どうやら久しぶりに現れた龍に感化されたようですわ。」
舌なめずりをしたヴァセリアン。ドラゴン狩りは経験値稼ぎに持ってこいで楽しいのだが…
「流石に武器の方が持ちませんの。最近、鉱山の方からとれるアダマンタイトが減ってきているようで、武器を使い潰すわけにもいきませんわ。」
「俺のようにメイスにしとけばよかっただろうに。」
「だから野蛮でしてよ。剣でこそ私は輝くのですわ。」
火花が散る。ようやく副団長であるゴロンゾを見つけられたようで喜んでいた外野は、一気に地雷原に放り込まれたような緊張感で支配される。
ゴロンゾとケレス以下、リヒト教会関係者がいつでも魔法と『障壁』など防御を整え構える中、二人はさらに続けていく…
「ああ、脱線しちまったな。で、ドラゴン狩りは進んでいるっていう認識でいいのか?」
「それでいいですわ。とにかく、リヒト教会が来る頃には討伐し終えているでしょうから、遠征というより観光になることは間違いないのですの。そんなことになるぐらいなら、別の場所に行くように、と教皇から伝言が来てますの。」
「なるほど。…アダマンタイトの方は何かしなくていいのか?」
「そちらはもう、手を打っていましてよ。新たな場所を既に見つけていますわ。」
「噂にあった場所か?…俺が聞いた時はあるかないか分からなかった筈だが、判明したのか…」
「そうなりますわね。」
そうして、異様な緊張感に包まれているにも関わらず話に没頭していたことに、二人の聖女は気づいた。二人とも肩の力を抜いてみせ、一旦、視線を外し、外野に軽く手を振った。それでようやく、緊張が解ける。
緊張が解けたゴロンゾを中心に安堵の息を吐いている。ここが死地にならなくて良かったと、本心から出ていなければ、身体を思い切り弛緩させて、座り込むこともないだろう。
そんな弛緩しきっている面子の中に、オロオロとしているのは新人たち。魔法使いとして頭角を現しつつある元公爵令嬢やその元影武者、巫女は、異様な空気に呑まれていた時との落差にどう反応すればいいのか、分かっていないようだった。
目立つ三人に、ヴァセリアンの視線が向く。もう一人の聖女に向き直って、三人を指さして尋ねた。
「全く見ない顔ですわね。新人かしら?」
「当たっている。」
「うーん、あの赤髪の中に一房の青髪の子は火の方で見たことが…ああ!彼女は知ってます。…双子の方は流石に初見ですわね。」
「ちなみに、あの二人は双子じゃないぞ。」
「嘘ですわ!?…瓜二つでしてよ!」
話題のターゲットにされた三人が二人の聖女から解放されたのは、夕方だったとか。そんな三人は、周りから英雄視されるようになるのだった。
それから、数日後、初めての雪が降り積もっていた。
ナヒーリヤは臨時の部屋で遠征先をどうしようかと悩んでいた。ふと気配を感じて外を覗くと…よく見慣れた、しかし、今、ここに戻ってこないだろうと思っていた男が帰ってくる。その姿はやややつれながらも、真剣で、何より覇気を帯びていた。
すぐに再会し事情を聞いたナヒーリヤは教会内にいた全員を食堂に集合させ、号令をかける。
「どうやら、うちの問題児がやらかしたらしい。お前ら、遠征先が決まった。次の遠征先は獣人たちが住む砂漠とその迷宮!準備ができ次第、出立する。ケレス、留守番の選定と統率を頼んだ。ゴロンゾ、商人どもの尻に火をつけてこい。必要なものをかき集める。ペルティ、護の屋敷にいるネシーナたちを呼べ。死活問題だとな。」
『了解!!』
慌ただしく動き出したリヒト教会。ただでさえ、資源が乏しくなる冬に、容赦ない量を商人にかき集めさせたり、騒ぎを聞きつけた冒険者ギルドや国への対処をしたりするうちに冬が過ぎ去っていった。
そして、冬と春の境目、意気揚々と獣人の国へと乗り込む聖女ではなく、連邦へと戻った聖女はとある五人組と遭遇していた。
「はい?魔の森を通り過ぎてきた?あなたたちどこの出身ですの?」
「…アスタイト王国だ。」
「冗談ですわよね?」
「これが証明になるといいのだが…」
「は?どうしてこれをあなたが?まさか…嘘でしょ?」
聖女は連続して襲い掛かってくる驚きの出来事に、動きを止めるのであった。
次回は勇者編をお送りします。
補足 亜人族 ゴブリン、コボルト、魚人などを指し、人に近い知能を持つ。オークや猿人が入ることもしばしば。大まかに魔物の中で、人に近いやつらを纏めて亜人族と呼ぶ。どれを指すかは冒険者や学者、村人などで変わり、地域によっても変わる。厳密な定義は、決まっていない。




