門制圧戦と遭遇 その2
~正門~
「さぁて、派手に暴れますか!」
「その前にやることがあるさね。」
隠し通路を出たガンドルフたちは正門に立っていた。彼らの目の前にいる純血派のエルフたちは大慌てで、迎撃態勢をとろうとしている。
エトリアの光魔法が門のある部分を打ち抜いた。堂々と存在感を示していた図太い鉄格子の門が降りる。
純血派のエルフは驚いて動きを止める。自ら逃げ場を塞ぐなんて狂気の沙汰かと。間を置いて彼らがやろうとしていることを理解できてしまった。
「突破するつもりだ!!何が何でも、異界の門まで行かせるな!!」
火矢が降り注ぐ。威力が足りず、エトリアが張った障壁に防がれてしまった。
障壁が切れたタイミングで魔法の砲撃を撃つ。それは魔法で相殺されてしまう。
動きはしないものの、あまりの正確な対処に、攻撃しているエルフの心が折れかける。
「何ちんたらしてんだ。こういうのは近接でやるんだろ。」
かなりの高さから降りて来たのは一人のエルフ。強化された石畳を割り、罅を作る。
あまりの見た目に、『堅牢』は自分たちの目を疑った。身長は二メートルを超え、全体的に細い印象を与えているエルフとは一線を画した竜骨ぶり。顔は整っているのに、筋肉達磨となっているのが物凄く残念としか思えない。
「あれが、『腕力』です。ガンドルフさん、ご武運を。」
「任せておけ。」
ガンドルフだけが前にでる。それを見ていた『腕力』が、口角を上げる。
「そんなちゃちな武器で俺を切れるかな。」
「かかって来い、筋肉達磨。お前の拳では俺の守りは抜けん。」
「へッ。抜いてやるよ!オラァァッ!!」
拳と盾が激しくぶつかり合った。激しく立ち位置が入れ替わり、援護射撃を許さない。
ガンドルフは冷静に、確実に拳へと盾を合わせる。それに対し、『腕力』は拳を激しく叩きつけてくる。
「『シールドバッシュ』」
「うおっ。何のこれしきぃ!!」
ガンドルフの盾による攻撃は正面から受け止められた。
盾を掴まれたのを気にせず、ぎりぎりと押し込む。力の勝負では、やはりガンドルフの方がレベルが高い。押し込んだところで、一瞬だけ力を引き均衡を崩して、倒れるように持ち込む。
そこから体勢を崩したところへの大剣の一撃は『腕力』が風魔法を使用したことで外す。自分の身体へ魔法を放ち、無理矢理剣線から外れたようだ。
「ふう、あぶねえ。」
「こいつっ。」
風の威力はかなりのものだった筈だ。しかし、目の前のエルフは腹を擦るだけで、ピンピンしている。
ガンドルフの顔が引き攣る。拳士であれだけの硬さを持つのは上級職、「執金剛神」だけだ。耐久に必要なSTRとENDの値が高く、身体強化と組み合わせれば、拳ひとつで剣と打ち合うこともできる。
大剣を躱したところを見ると、受け止められるほどのレベルではなさそうだった。とは言え、先ほどみたいな回避や移動をやってのけてみせるだろう。
『腕力』は殴りかかる。その顔は笑っていた。
「前言撤回だ!あんたの剣は怖いぞ!」
嵐のように打ち付けてくる拳をガンドルフは盾で受け、時には流し、躱す。大群相手でも動じずに捌ききる胆力と技量は、目の前の拳士の攻めを苦も無く処理する。
攻め特化の『腕力』と守り特化のガンドルフ。二人の攻防はどこか安定さを見せるものとなっていた。
そんな二人とは違い、焦りが見えたのは、『腕力』の後方。ガンドルフと『腕力』が一騎打ちをしている間、彼らは残りのエトリアたちを攻め立てていた。
しかし、未だ一人、戦闘不能にすら追い込めていない。『腕力』が現状を打破してくれると期待していたが、まさか敵一人と盛り上がり始めるとは思っていなかったし、相手は相手で、盾役が一人消えたにも関わらず、防ぎきってくる。
さらに、反撃をしてくるようになったのだ。すでにいくつかの砲台が壊されている。丁度交代する時に、魔力の障壁が無くなる。巧妙にタイミングを隠す練習をしてきたはずだが、相手はその瞬間を狙ってくる。
立ち直りかけた心は再び折れかけていた。純血派のエルフの士気はかなり落ち、注意力が散漫となる。その結果は、エトリアたちの撃破数の増加として現れた。制圧まで時間はかからないだろう。
そして、ガンドルフと『腕力』の戦いも流れが変わる。二人の間が一旦開く。
「ふぅ、おいおい、嘘だろ。」
『腕力』は呼吸を整えながら、感嘆の声をあげる。目の前の男の防御は卓越していて、どこまでもついて来るその力に、高揚感を覚えていた。
ガンドルフは辟易としながら、訊ねた。
「まだまだだな。お前さん、いくつだ。」
「53だ。」
「十歳下か。修錬が足りん。力任せに拳を振るうだけでは、そのステータスを活かすことはできんぞ。」
「うっせぇ、おっさん。これを見ても、そう言えるなら素直に聞いてやるよ。」
『腕力』が息を吸い込み口を結ぶ。そのまま駆けだした。
ガンドルフは大剣を仕舞いこみ、今まで以上の一撃を両手で盾を使って受け流す。それでも、腕が痺れる。
「執金金剛」の下位、「仁王」の職スキル『吽形』だ。呼吸を止め、吐き出すまでにSTRに大幅な上昇補正がかかる。ガンドルフの腕を痺れされる威力ということは、STRの値が1200を超えている可能性があった。
その分、負荷も大きい。『腕力』の手は血だらけになっていた。指の骨が砕け、パンパンに腫れている。『腕力』は気功術で治すよりも、二撃目を選んだ。
再び、『腕力』が拳と盾がぶつかり合う。それもガンドルフは受け流す。
これで、両手がボロボロになった。しかし、『腕力』の攻撃は終わらない。
ガァァァン!!!
今まで拳しか振るわなかった男の蹴りが直撃した。拳の後にすかさず、回し蹴りを出してきたのだ。
ガンドルフは盾で受け止めることができたのだが、左肩が外れ、地面を思い切り削る。
一級品の盾がひしゃげていた。身体に直撃していたらかなりのダメージを負っていただろう。
「はぁはぁ、くそ。防がれちまった。」
「効いたぞ。中々いい一撃だった。」
『吽形』が解ける。『腕力』は左足だけで立っていた。右足も威力に耐え切れず、複雑骨折は間違いなくしている。気功術で治してはいるものの、回復に時間がかかる。
対するガンドルフは、左腕の自由が利かないものの、まだ、大剣を振るえる。ガンドルフは盾を放り出し、大剣を片手だけで構えた。
『腕力』は満足したように笑った。構えを解かずにガンドルフは怪訝な顔をする。
「いいぜ、おっさん。俺の負けだ。つーか、いつの間にか後ろの奴らも攻撃を止めちまってるし。」
「キサラン名誉公爵たちの情報通りだった。後は交代タイミングを知るだけだ。初見のギミックを用意していない限り、防ぎきれる。」
「すげーな。純血派について良かったぜ。あんたみたいな強者と戦えてよ。」
「ぬ、お前さんは、純血派の思想でついた訳ではなかったのか。」
「俺はそうだな。過去の戦争がどうとかは興味が無ぇ。それにレベルを上げちまえば、エルフだろうが、人族だろうが、長生きできるしな。後は、見た目とか、俺を見てみろよ。筋肉もりもりだぞ。俺は純血の両親から生まれちまってるけど、身体に関しちゃぁ、似てなさすぎるぜ。」
『腕力』は大声でそう言った。周りがしんと、静まり返る。
心折られ、戦意喪失していたエルフたちがさらにどんよりとした雰囲気を纏い、その場に立ち尽くす。
それから援軍として新しく来たエルフたちは、戦いを放棄した彼らに怒り狂う。それでも、どんよりとしたエルフたちは彼らを掴み、首を横に振るだけだった。あちこちで怒鳴り声が響くが、戦意喪失エルフたちは掴んだ手を離さない。
今まで、自分たちは正しいと思っていたことが、急にちっぽけに見えてしまった。心折られることで、ある種の熱に侵されていた感情が冷めてしまった。現実として、自分たちが戦っているのは同族だ。憎かった人族もいるが、大半は同族なのだ。
目の前で喚き散らしているエルフが魔法を放とうとしているのを止める。
「お前、狂っているのか!!」
「狂っているのはお前たちだ。いや、俺もそうだったな。」
「裏切り者が!!」
剣を受け止める。そして剣戟へと発展していった。
もはや、ガンドルフたちのことはほぼ忘れ去られているようだ。
困惑するのは当然ながら、襲撃者であるガンドルフたちである。あちこちで同士討ちが始まっていた。自分たちに攻撃が来ないことは有難いことだが、その分、争いによる犠牲が拡大している。
数の関係上、何かを悟って裏切った者たちが制圧され、死ぬのは時間の問題だ。助けに行きたいが戦力を分散する訳にはいかない。見える範囲で援護射撃をするのが精いっぱいだった。
そんなガンドルフたちの代わりに動いたのは、『腕力』だった。
「お前ら!!今すぐ戦いを止めろ!!」
耳が痛いと思うほどの大爆音に、再び静まり返った。
「俺たちは負けちまった。たった数十人にこの通路を制圧されちまった。そいつらは負けを認めた奴らだ。俺は負けた奴を虐める奴を許さねぇ。文句があるなら、この場に下りてこい。相手してやるよ。」
「我らはまだ負けていないぞ。『腕力』も裏切り者だ。殺してしまえ!!」
矛先は『腕力』へと移った。大量の魔法が彼へと迫る。
「全く、やれやれさね。『障壁』!」
「手のかかる坊主だ。『守護』!」
ガンドルフの治療を終えたエトリアと、予備の大盾を取り出したガンドルフがそれぞれスキルを発動する。魔法は『障壁』とぶち当たり、抜けたものは、味方のエルフが魔法で相殺する。
そして、ガンドルフから目が離せない者が多数。彼へ魔法を飛ばすしかない。
持ち前のLPとINT、光魔法による回復の組み合わせが、大盾、フル装備と相まって、鉄壁となす。抜ける者は誰もいない。さらに、その者たちを悟った者が強引に制圧するという流れまで生じる。
『腕力』を庇うことで始まった第二ラウンドが終わるまで、時間はかからなかった。
そして、あの魔物が現れる。
~北西の門・とある森林~
「作戦を開始する。私の秘奥で初手で発動した後、前衛を展開。潜入組は、私の初手と共に乗り込んでほしい。」
メイアなど隠密持ちによる偵察が終わった後、配置を鑑みて、ニースメンドはそう言った。
どういう初手を発動するか、説明していく。
「使おうと考えているのは、『四の型・大瀑布』だ。膨大な水で敵陣を攻め立てる。視界が一気に悪くなる合間を縫って、木の上から内界へと侵入してくれ。」
「了解。バレないかな。」
「バレた所で、接近や魔法による追撃を許さない。発動のタイミングはこの砂時計で計る。入れるように移動してくれ。」
ニースメンドは店主に二つの内、一つの砂時計を渡した。
二つの砂時計が同時に逆さになり、砂が零れ落ち始める。作戦開始だ。
メイアたちは一気に樹海樹を上り切り、『隠密』を発動、移動する。速度を落とすことなく、音を立てることもなく、枝を渡っていく技量は精鋭たる所以だ。上で警備する奴らを『隠密』でやり過ごし、誰も遅れることなく、門の頭上にたどり着いた。
砂が落ち切る。それと同時に、大爆音が鳴り響いた。
「来たか。全員防御に集中しろ!!」
ローブを被った男が指示を出す。それぞれが魔法による防御をとろうとしていた。
すかさず、潜入組リーダーがハンドサインで門への突入指示を送る。三人で闇の防御を門ごとしようとしていたところへ突入する絶妙なタイミングだ。
『深冥』の一人が気付くが遅い。飛び込むように侵入していき、メイアが置き土産に黒色の煙球を投げつけた。煙幕が闇の障壁内へと充満する。
それを吸った、三人は激しく咳き込みながらも、水の猛威を防ぐしかなかった。
「くそっ。俺たちの方面から侵入されたとか、最悪すぎるだろ。」
「部下に任せて追う。」
「それを許してくれればいいが…」
「そうね。貴方たちを行かせない。」
水が収まったところで、煙幕を吹き飛ばす。すると、二人の女性が男三人に剣を持って襲い掛かってくる。
一人は剣を打ち合わせ、もう一人は転がって躱す。三人目は魔法で牽制してきて門に近寄れない。
上で警備している奴らは健在だ。こちらに気づいて弓を引こうとしている。
その瞬間、吹き飛んだ。風の砲弾の余波が枝を大きく揺らし、葉を散らす。魔法で妨害された『深冥』の一人が舌打ちをする。
「ちっ。名誉公爵の攻撃か!!近くにいるぞ!!捜せ!!」
「…そんな余裕はなさそうだぞ。どうする?」
「こいつらを倒す。」
他のところでも戦闘が始まっていた。何をしたのか悟る。
戦士たちを水流で流したのだ。移動手段として利用した形である。防御に徹して流されないようにしなけばならなかった純血派と違い、あえて流されることで、距離を詰めた。
制御まではできなかったらしい。対峙している二人は偶然、自分たちの元へと来たのだろう。それは彼女たちにとっては不幸でしかない。二人で挑んで勝てると思われるほど、自分たちは甘くないと思う『深冥』たち。
「『シャドウ・バインド』!」
一人の動きを拘束し、風魔法を闇魔法で吸い取って、剣を突き刺した。勢いよく抜き、もう一人へ襲い掛かる。剣を弾き、首を刎ね飛ばした。
同時に腹を抑える。血が流れていた。剣が弾かれた瞬間、水の一撃を繰り出して来たらしい。
適当に水薬を飲み、血を止め、侵入者を追いかけようとする。その時だった。
パッキィィン!!
氷の壁が門を覆いつくす。それは闇魔法すらの侵食を許さない絶対的な壁となって、三人を通らせない。
「仲間をやってくれたな。」
「わざわざ出てくるなんて馬鹿か?あんた、近接弱いんだろ。」
二つの亡骸を丁寧に仕舞うと、ニースメンドは瞋恚の炎を灯した瞳を三人に向ける。
ニースメンドと『深冥』から膨大な魔力が迸り、せめぎ合う。弾けたタイミングが合図となった。
「死ねよ!」
「『始の型・虚』」
「なっ!!」
ニースメンドを切り裂いた。しかし、目の前の男は平然と立っている。
魔法による攻撃も全て、通り抜けていく。拘束しようと闇を放っても、捉えられない。
存在しているのに、その場所に実体がない。
ニースメンドは静かに弓矢を構え、放つ。その矢は威力と速度が乗った普通の矢に見えた。
念ため回避しようとした、剣の男に矢が刺さる。回避したと思った。しかし、実際自分の身体には矢が刺さり、身体は動かない。
「毒だと!?卑怯な!」
「…」
「ぐあっ!」
ニースメンドは淡々と残りの二人を無効化する。その間も、いかなる攻撃も彼を素通りした。
虚無に満ちたニースメンドの瞳が、三人を捉える。先ほどまで怒りに満ちていた瞳をしていた筈の目は、光を映していなかった。恐怖を煽られ、三人は身体を震わせる。
彼の手には短剣が握られており、一人の足へと突き刺した。麻痺しているのか、悲鳴は上がらない。
ただ、ただ、血が流れていく。命までもが。流れ消えゆくまで。
そして、三人が絶命したところで、ニースメンドの様子が変わった。地面に片膝を立て、冷や汗が止まらない。
MP切れで頭が激しく痛む。魔力回復の水薬を取り出したが、直ぐに飲もうとはしなかった。
「くっ。」
三人の死体と、氷が解け、侵入できるようになった門を見る。三人分の血だまりを見ても何も感じない。
奥義を使った代償が、ニースメンドの心を蝕んでいた。周りではまだ戦っている仲間がいる。だというのに、体も心も動かない。見ている先で一人、仲間が槍に貫かれ絶命する。
『深冥』に殺された仲間を見た時、ニースメンドは頭に血が上った。しかし、今はそれを見ても、何も感じない。事実としては見れても、今では他人ごとのようだ。感情が理解できない。
(俺は動かなければならないはずだ。名誉公爵として。)
重たい身体を動かし、立ち上がる。魔力回復の水薬を飲み干した。頭痛は収まらない。多少、痛みが治まった位だ。それでも、魔法は撃てるし戦える。
座ってぼんやりとしていたい気持ちを責務への使命感で抑え込み、ニースメンドは矢をつがえ弓を引く。
「死ね。」
ニースメンドの口から乾いた言葉が漏れ、矢が放たれた。
純血派の頭が吹き飛ぶ。第二射は近くで仲間へ止めを刺そうとしていた女の腕を貫いた。
そこで、純血派は『深冥』が死体を目にする。そして、弓矢をつがえ、狙いを定めているニースメンドの姿も。
「制圧しろ。」
冷たく発せられた言葉に、敵味方関係なく気圧される。
主力を失った純血派を制圧しきるまで時間はかからなかった。
後に判明することだが、この地が一番の激戦地だった。純血派の死者は三桁近くになり、ニースメンドの部隊も十三人が亡くなり、半分以下となっていた。残りの人数で制圧できたのはニースメンドへの畏怖があった。
生き残れたエルフたちはニースメンドを褒めたたえていたが、それを本人が喜ぶことはなかったという。
戦闘が終わり、簡易の弔いが終わる頃、門から次々と潜入組が出てきた。負傷している。
その中でも、一人の男が女性を抱えて、飛び出してくる。女性は血に塗れ、虫の息だ。その場にいた全員が驚く。男はあの店主だ。
「手当を。何があった?」
「人質は全滅。第一王子は死亡。あの侍女ちゃんが時間を稼いでくれているけど、長くはもたない。敵味方関係なく撤退するんだ。」
そう言った店主の目は真剣だった。
明らかに非常事態だ。ニースメンドは撤退の指示を出す。純血派も素直に従って逃げ出した。
つまり、純血派にとっても予期せぬことが起きた証左だった。ニースメンドは女性の傷を癒しながら門から離れる。
ドゴォォン!!
門から一人の女性が爆発音と共に、吹き飛んできた。彼女は大きな幹へと激突する寸前、足でうまく衝撃を殺し着地する。
「メイア殿?」
メイアの脇下が血で染まっている。かなり深い傷だ。黒装束を着ていても、血が流れていることがニースメンドには分かった。
そのメイアは門から目を離さない。出てきた存在に集中していた。
「早くお逃げください。あれの移動範囲よりも遠くへ。」
「!!…分かった。メイア殿にご武運を。」
ニースメンドが離れていく。メイアは痛む傷口に水薬をかけて、血を止めた。
出てきた魔物の数は二体。三体の内、一体を爆破で始末できたようだ。
「私が死ぬのは、護様の後と決めておりますので。」
彼女は「宵闇」を構え、向かってくる魔物と相対するのであった。




