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季節はめぐる  作者: りあ
冬の国
3/4

第二話 夏の国 陽虫朝日

【前話のあらすじ】

春の神の妹・花舞櫻はなまいさくらとその従者・菜草なぐさあやめは夏の国を訪れる。夏の神の従者である蛍丘ほたるおかゆりに部屋を案内してもらっている途中、夏の神・陽虫朝日ひむしあさひと遭遇する。しかし、すぐに部屋へ戻ってしまいー…!?




「すみません。朝日があんな感じで…」

「いえ、ゆりさんのせいではないので、責めたりしま…って、櫻様!」


 櫻は朝日の行った方面に走り出していた。


「駄目です、櫻様!」


 しかし、櫻はあっという間にあやめに捕まえられた。


「さくら、なつのかみさまとおはなししたい」

「…お…じゃ…か」

「?」

「そんな顔したら許しちゃうじゃないですか!!」


 あやめは櫻をぎゅっと抱きしめながら言った。


「あやめちゃん、駄目?」

「だっ……いい…ですよ…」


 結局、あやめは櫻に弱かった。





「あさひさん、そこにいるんですよね?」

「なんでわかるの?」


 ぼそっと呟く朝日。


「なんか…あさひさんのかおりがしたから?」

「……」


(さくら、なんかへんなこといった?)


「私はあなたを呼んでない」

「…うん……」

「別に仲良くなりたいわけじゃない。ただの顔合わせ。なんできたの?」

「………」

「帰って」


 今の朝日を1人にしてはいけないような気がした。


「むりです。おはなししたいことがあってきたんです」

「用件だけ簡潔に述べて」

「ようけんじゃ、ないです。さくらのじこまんぞくです」

「だったらさっさとあっち行きなさい」

「だめです。さくら、いまいっちゃだめです」

「何が分かるっていうの?」


(ことばがとげとげしてる…)


「あさひさんは、すごいひとだからできるんだよ」

「………何が」

「ぜんぶ。さくらは、はるをよべてもべつのことはできないです」

「………」

「ゆりさんにまかせちゃ…」

「もう出て行って!!アナタの顔なんかもう見たくもない!!!」


(しっぱい…しちゃった?……ううん、まだだよ、さくら)


「さくら、おいていけないんです、あさひさんのこと」



     * * *



「櫻姫様、大丈夫でしょうか…あやめ様」

「櫻様は優しいです。こんな私でも受け入れてくださるのですから…」

「朝日は、会いたくないんだと思います。誰にも」

「櫻様でも…?」

「はい…」

「そ、そんなの…」


 あやめは目を潤ませた。


「意味わからないです!!素敵な櫻様に会いたくないなんて…!!」

「あの方、可愛らしいですもの。桃色ぴんくが似合いますよね」

「ええ」

「そのうち未婚の男たちがほっとかなくなるのでは?」

「なっ…!」


 意外と衝撃を受けたらしい。


ードオン…


ーバタバタバタバタ…


「ゆり様!あやめ様!八丁堀火山が噴火しました!!!」



     * * *



「さくら、おいていけないんです、あさひさんのこと」

「な…」

「みかたがいないきもち、わかります。さくらもそうだったから…。みてわかりました。ゆりさんはあさひさんのことを『わがまま』っていっていましたけど、」

「何が言いたいの!」

「きっと、ゆりさんはあさひさんのことがすきなんです」

「そんなわけないじゃない!!ありえない!」

「うそじゃ、ないです。きめつけちゃ、だめです」


ードオン…


「えっ!?な、なんのおと…?」

「多分、地震じゃなかったから…」

「ゆり!」

「櫻様…」

「あやめちゃん、さっきのは…?」

「八丁堀火山が噴火しました…!」







花舞櫻はなまいさくらちゃんは漢字読めない設定です。




次の公開予定日は2026/06/20です

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