第17.5話 贄になった少女
ーさく…ら、様…
残酷なこの世は主人と従者を引き離した。
ーさく、らさ、ま…
従者の心は壊れてしまった。
ーさ、くら、さ、ま…
主人がいないこの状況では生きる意味なんかない。
ーだれ、か、たすけ…て…
主人が攫われたあと、再会して従者は主人を守ると誓ったのに。
ーたす、けて…
それなのに、自身の父に攫われた。
ーさく、ら、さま、しら、ぎ、さま、
世の中は厳しくて、まだ若い少女2人にできることはない。
ーさ、くらさ、ま、あや、め、ちゃんの、こ、と、おぼえて、ますか
祈ることくらいしかできない。
ーだれ、か、あやめ、ちゃん、の、こと、たすけ、て、あげ、て
祈っただけで叶う世界なら良かっただろう。
ーさく、ら、さま、げん、き、で、いま、すか?
きいても返事はない。
ーあや、めちゃ、ん、さくらさ、まのこ、と、しんじ、て、ました
祈ってもきいても何も起こらない。
ーあ、やめ、ちゃん、ころ、されちゃ、う
主人に問いかけるのも怖くて自然と途切れ途切れになる。
ーあやめ、ちゃ、ん、し、んじゃ、う
こんなに残酷な世界じゃなきゃよかったのに。
ーあや、めちゃん、たすけ、られる、の、あなた、だ、け
もう、後戻りはできない。
ーわた、し?
従者は主人のために贄となることを選んだ。
ーわ、たし、は、だい、じょう、ぶ
従者は結婚が決まってしまった。
ーたすけ、て、あげて、あや、めちゃ、ん、
どんなに嘆いても後戻りはできない。
ーさ、くら、さま
事実は一つも覆せない。
ーさく、ら、さ、ま
1人ならお偉方が決めたことに反論できない。
ーさ、く、らさ、ま
でも、2人ならなんでもできる。
ーさく、らさ、ま
もし間違ったら、2人で逃げ回ればいい。
ーさ、くら、さ、ま、
2人で一緒にいれれば幸せなのだ。
ーさく、ら、さ、ま
この残酷な世界で生きるには力を合わせないといけない。
ーさ、くら、さま、あい、た、い、です




